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身近な存在の馬と牛。その違いを徹底解説!

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2023/6/9

馬と牛のイメージ

馬と牛は見た目は大きく違いますが、どちらも草食動物で、大型家畜として人間の生活を支えてきた動物です。

そして、どちらもお盆の時期にはキュウリを馬に、ナスを牛に見立て、ご先祖様の乗り物として精霊馬や精霊牛となる点も同じですよね。

しかし、馬と牛では違う点も多くあります。
今回はそんな違いを解説します。

この記事で分かること

・馬と牛。それぞれ何科、何類
・蹄の数が違う
・反芻(はんすう)できるかどうかの違い

馬と牛。それぞれ何科、何類

子牛のイメージ

昔から「牛馬」という言葉があるように、牛と馬は同類のように思われていました。

実は祖先を辿っていくと「祖先は同じ」と考えられています。

しかし、その進化の過程で現在のように見た目も身体機能も変わったといわれています。

馬と牛では蹄の数が違う

先ほど、動物分類学の分類によると、馬は奇蹄目、牛は偶蹄目と説明しました。
これは蹄の数が違うことを表しています。

つまり、馬は第3指(中指)のみで立つ動物(奇蹄目)で、牛は第3指(中指)と第4指(薬指)の2本指で立つ動物(偶蹄目)です。

この蹄の数が違うことにより、馬と牛の足元にはどのような違いがあるのか、また生活にどのような違いがあるのか、気になりませんか?

ここからは、蹄の数の違いについて詳しく説明します。

蹄の数の違いからくる特徴とは

馬の蹄のイメージ

牛は蹄が2つ、馬は蹄が1つという蹄の特徴から、牛の方がバランスがとりやすいことが想像できると思います。

そのため、傾斜地や坂道を歩くのは牛の方が向いているといわれています。

一方、馬は蹄が1つだと前後左右の傾きなどバランスという点で劣りますが、平坦な道を短時間で長距離を移動するには馬の蹄の方が適しています。

ちなみに走る速度にも大きな差があります。
どのくらい違いがあるのかというと、馬の最高時速は約80kmなのに対して、牛の方はかなり遅く全力疾走しても時速25〜30kmほどです。

昔から牛と馬は荷物を運んだり人を運んだり、農耕に使われてきましたが、このような特徴から、用途ごとに使い分けされてきたことがわかります。

また面白いことに、同じ農耕目的でも日本の中で馬を使う地域と牛を使う地域とが分かれていたようです。

具体的には、東北地方などの冬が厳しく、農耕適期が短い地域では出来るだけ早く農耕を行いたいという考えから、馬が使われていました。
また、蹄が1つで肢が長い馬はバランスを崩しやすいため、水気・粘土性が少ない土地の耕作に向いており、その点も北関東や甲信地方の土地に馬は向いていたようです。

一方で牛は真逆で、新潟県佐渡や岩手県を除いては、近畿地方から九州地方までの西日本で活躍していました。

地域の特性に合わせて、馬と牛が使い分けられていたというのも驚きですよね。

関連記事:蹄は意外とデリケート!?気になる馬の蹄(ひづめ)のお手入れについて

反芻(はんすう)できるかどうかの違い

反芻(はんすう)という言葉を聞いたことはありますか。

牛などの偶蹄目の草食動物が行う、食事の摂食方法です。

反芻とは、まず口で食物を咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、この過程を繰り返すことにより食物をすりつぶし、消化することです。

一方で馬は反芻しない動物です。それはなぜでしょうか。

答えは、胃の数が違うからです。

ここで驚く人もいると思います。
人間には「胃は1つ」というのが当然の認識ですが、胃の数が1つではない動物もいるのです。

それでは、牛の胃の数、馬の胃の数はそれぞれいくつあるのでしょうか。

牛の胃は4つ。馬の胃の数は?

ラクダのイメージ

牛の胃は4つあります。
そして馬の胃の数は、私たち人間と同じように1つです。

牛はどのように4つもある胃を使って反芻しているのでしょう。

牛の胃は第一胃、第二胃、第三胃、第四胃の4つの部屋に分かれており、それぞれに名前がついています。

まず、第一胃と第二胃(どちらも反芻胃と呼ばれます)で食物は唾液と混ぜ合わされ、固形分と液体成分に分けられます。

第一胃に留まった固形分は「食い戻し」と呼ばれる丸い塊になって口に戻り、再びよく咀嚼して繊維質を細かく砕きつつ、唾液と混ぜ合わせられた後、再び第一胃へ戻されます。

細かく砕かれた繊維および植物細胞質成分は、反芻胃の中に共生する微生物が分解・吸収します。

反芻胃内は嫌気性であるため、この代謝過程(発酵)で低分子有機物が生産されます。

その後、発酵が終了した食物残渣は第三胃に運ばれ、水分を除去した後に第四胃に送られているのです。

反芻動物は牛以外にもヤギ・羊・キリン・ラクダ・ラマなどがいます。
その中でもラクダ亜種に分類されるラクダやラマは第三胃がなく胃が3室からできています。

動物の胃は、その種類によってこんなにも違うようです。

まとめ

お盆に飾るナスとキュウリの精霊馬のイメージ

馬も牛も同じ祖先で、同じように人間の生活を支えた大型の家畜ですが、身体機能も見た目も違います。

具体的には蹄の数です。

偶蹄目の牛の方がバランスもよく安定していますが、奇蹄目の馬は長距離を早く走ることができます。

また胃の数が違うため、牛は馬には出来ない反芻をすることができます。

その他にも違う点は色々あります。
機会があれば見た目だけでも、牛と馬の違いを探してみてはいかがでしょうか。

新たな発見が出来ると思います。

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