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騎手の基本(推進)【~馬にたずさわる人全てが調教者~23】

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2018/7/2

前回、お話ししたバランスは前後のバランスでした。
もう一つ、左右のバランスが取れていることも必要です。


騎手は常に自分の体の中心が馬のたてがみの生え際のラインにあるか確認していなければなりません。

両方の鐙は左右均等に踏めているか、両坐骨は左右均等に鞍の上にあるか、両肩は両坐骨の上にあるか。


それは、肘を動かしても、膝を動かしても、脚を動かしても、かかとを使っても、変わらず保つことが出来ていなければなりません。
これらの前後、左右のバランスを取って馬にまたがっていられる事が出来たら次は推進です。
推進動作には前方推進と後方推進があります。
推進は馬をコントロールする上で最も重要な動作です。
しっかりイメージを持って正確な動作ができるようにしてください。


先ず、歯みがき粉や化粧クリーム等が入ったラミネートチューブを馬と考えて下さい。
そのチューブにまたがった騎手が親指と人差し指です。
チューブの中味を前方向に絞り出そうとするのが前方推進です。
中味を後方向に絞り出そうとするのが後方推進です。
その中味が強い圧迫を受ければ強い推進を受けたことになります。
ではどうすれば強い圧迫をすることが出来るのでしょうか?


指先でチューブをガンガン叩く?手の腹をグイグイ揉む様にする?!


どちらも、あまり効果があるとは思えません。
最も効果があるやり方は、手の腹をしっかりチューブに付けて出来るだけ指を下へ伸ばしながら、前方推進ならば垂直バランスの位置より前方向に絞り出す事が最も余計な力を使わずに強い推進力を実現させる効果的な方法です。

 

【前方推進イメージ】

 

 

【後方推進イメージ】

 

 

馬に実際にまたがった時、具体的にどの様にするのかを考えてみましょう。
どの様な騎乗姿勢であったとしても垂直バランス、つまり前後左右のバランスが保てているためには膝から下部分で自分の脚をバランスの取れている位置から動かないように安定させておかなければなりません。
ふくらはぎの下部分、かかとに近いところを馬体に密着するようにしっかりつけます。
自身の重心を出来る限り低く保ちながら、鐙を下へしっかり踏みます。


強い推進をする時は膝を開きながら爪先を開いてかかとで馬体を強く圧迫しながら体幹を崩さないで腰でブランコを前にこぐように自身のおへそを前につき出すようにしながら脚を前に絞るように動作します。
この動作があなたの最強の前方推進です。
後方推進は垂直バランスに中心より後ろの位置で後方向に前方推進と同じように絞り出せば後方推進となります。


次にこの推進動作を有効なものにするためには次の受け止めつまりハミ受けが必要になります。
ハミ受けが出来ていなければ推進効果が実感できないかもしれませんが、この推進動作を身に付けておくことは必ず馬に乗るために大きな力となります。

 

 

平成30年7月
長谷川 雄二

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