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内方姿勢からの柔軟運動【~馬にたずさわる人全てが調教者~50】

長谷川雄二

2020/11/6

一日の運動の始まりは、常歩を充分に行った後、軽いコンタクトの軽速歩で馬体をほぐし、のびのびとした駈歩でエンジンである後躯を活発に動かします。

次に手綱を取って常歩で楽な図形を繰り返し行いながら馬体の柔軟と騎手の扶助が一致していることの確認をしながら徐々に難度の高い動きにと移行していきます。

 

▼まずは「巻乗り」。カラーコーンを縦、横の4ヶ所に置いて8mの円を作りこの内側で巻乗りをします。
①カラーコーンの内側をギリギリに通っているか?
②円の輪線上を前肢と同じ跡を後肢が通過しているか?
③馬体全体が円の輪線と一致してしなっているか?


つまり、巻乗りに入る時点でその円の大きさに合ったしなりを完成させ、その姿勢を維持したまま推進することで綺麗な輪線と一致した円を描く事が出来るのです。

騎手は常に馬体のしなりを確認しながら、しっかり推進して後肢の動きを感じながら運動して下さい。

正しくしなりが完成した円運動は馬体の柔軟性と良い筋肉を作り、無理のない動きをマスターします。

 

▼確認のポイント
①拳を振り回していないか?
外方手綱は前後のしなりを作る為の受け止めです。内方手綱は顎を譲らせ方向と左右のしなりを確実なものとするためのものです。

輪乗りの大きさは左右のしなり具合で決まります。

輪乗りに入った際のしなりを変えないように、拳、手綱の構えを蹄跡に戻るまで変えず動かさないようにしなければなりません。

あくまでも馬体のしなりは騎手の腰から下で作るものです。外方の脚を太ももごと引き、しっかり押さえた上で内方脚でしなりを作るのです。

②両脚が馬体に密着して作用しているか?
片方の脚だけを使って円を描いているならば、前肢と後肢は同じ所を通って運動しません。

内側の脚だけなら後肢は外へ踏み、外側の脚だけなら後肢は内へ踏みます。

これはしなりではなく、外へ、内へ後躯が逃げている状態です。
外方の脚で後躯が外へ逃げるのを阻止しながら内方の脚を圧迫することで、内方後肢が踏み込み後躯がしなります。

そのしなりは馬体全体に波及するので、わずかな内方の肘の引きで頭を内方へ向ける事ができるのです。

 

 

令和2年11月
長谷川 雄二

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