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美しい金髪、尾花栗毛をご存知ですか?

2023/3/3

栗毛の馬のイメージ

突然ですが、馬の毛色は何種類あるかご存知ですか?

茶色い馬、黒っぽい馬、白い馬だけではないんですよ。

 

馬の毛色を種類ごとに分けてみると、よく見かける色、珍しい色の馬などがいます。

 

今回は、栗毛の中でも珍しい「尾花栗毛」について紹介します。

 

 

とっても美しくて珍しい!『尾花栗毛(おばなくりげ)』とは?

栗毛の中で稀にまえがみ、たてがみ、尾毛が白い(わずかに金色がかった)馬がいます。

 

その毛色のことを栗毛の中でも尾花栗毛と呼びます。

 

尾がススキの穂(尾花)のように見えるため、こう呼ばれるようになったようです。

 

この尾花栗毛を持つ馬はとても美しいので、一見の価値がありますよ。

 

 

「金髪の貴公子」と呼ばれたトウショウファルコ。他にも尾花栗毛の名馬が

イケメン率が高い尾花栗毛ですが、トウショウファルコという金髪の貴公子をご存知ですか?

 

1986年、北海道生まれのトウショウファルコ。

1989年に中央競馬でデビューし、華々しい結果を残した馬です。

 

金色のたてがみをなびかせて走る姿は、競走馬としての魅力以外にも人を引き付けるものがあり、「金色の貴公子」とも呼ばれました。

 

競走馬引退後は、その美しい姿もあって誘導馬に転向。

みんなにその美しい姿をみせてくれていました。

 

そんなトウショウファルコ以外にも尾花栗毛の名馬がいますので紹介します。

 

まず、2014年5月デビューのトーホウジャッカルという馬。

この馬は、初勝利から3ヶ月半で菊花賞にてレコードを叩き出し、タイトルを手に入れました。

たてがみの金髪が輝き、優しい目をしたイケメンです。

 

そして、1997年4月デビューのタイキシャトルという馬も名馬です。

3歳から短距離界トップに。

4歳時には海外挑戦の声が囁かれ、フランスのG1・ジャックルマロワ賞では期待通り見事に勝利しました。

 

 

尾花栗毛の馬が誕生する確率は?

尾花栗毛が誕生する確率は極めて低いんです。

 

といっても、栗毛の馬は実際たくさんいるようにみえますよね。

確かに栗毛の馬はサラブレッドの4分の1、クォーターホースの2分の1を占めています。

 

ではなぜ尾花栗毛の馬が少ないのでしょうか。

その理由は、劣性遺伝である栗毛の中で、さらに白い髪となる特定の遺伝子対を持たなければいけないということです。

 

わかりやすいように具体的に説明します。

 

栗毛以外(鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛等)になる遺伝子対:EE or Eeとして、

栗毛の遺伝子対:eeとした場合、

E遺伝子は e 遺伝子に対して優性なのでEeのように e 遺伝子を含んでも栗毛にはなりません。

 

つまり、Eを含まないeeでないと栗毛になりません。

 

次にたてがみや尻尾の色について。

 

白い髪以外になる遺伝子対:FF or Ffとして、

白い髪になる遺伝子対:ffとした場合、

F遺伝子は f 遺伝子に対して優性なのでFfのように f 遺伝子を含んでも白い髪にはなりません。

 

以上から尾花栗毛の遺伝子対の組み合わせは eeff のみになります。

 

 

実際の交配のイメージ

遺伝子のイメージ

 

では、ここからは実際の交配のイメージを具体例を挙げて説明します。

 

例えば...

 

父の遺伝子対 EeFf (鹿毛) × 母の遺伝子対 EeFf (黒鹿毛)の場合、栗毛を決める遺伝子E/eをみてみましょう。

 

E(父) × E(母)=EE (栗毛以外)

E(父) × e(母)=Ee (栗毛以外)

e(父) × E(母)=Ee (栗毛以外)

e(父) × e(母)=ee (栗毛)

 

という組み合わせが存在し、栗毛は4分の1の確率になります。

 

その中から白い髪を決める遺伝子F/fをみてみると、

 

F(父) × F(母)=FF (白い髪以外)

F(父) × f (母)=Ff (白い髪以外)

f (父) × F(母)=Ff (白い髪以外)

f (父) × f (母)=ff (白い髪)

 

という組み合わせが存在し、白い髪になるのは4分の1の確率です。

 

よって、両親の遺伝子対がどちらもEeFfの場合、尾花栗毛eeffとなる確率は16分の1となります。

仮に遺伝子対がEEffで ff 遺伝子を持っていても白い髪は発現しません。

 

 

尾花栗毛同士の交配では100%尾花栗毛が誕生する

これまでの説明から

 

父の遺伝子対 eeff (尾花栗毛) × 母の遺伝子対 eeff (尾花栗毛)の場合、

 

e(父) × e(母)=ee (栗毛)

f (父) × f (母)=ff (白い髪)

ee (栗毛) × ff (白い髪)=eeff (尾花栗毛)

 

となり、尾花栗毛同士の交配は100%尾花栗毛が誕生するということになります!

 

 

他にもたくさんある馬の毛色の種類

突然ですが馬の毛色って何種類あるかご存知ですか?

 

大雑把に表現すると茶色い馬、黒っぽい馬、白馬などに分けられますが、実はもっとたくさんいます。

 

乗馬ラインセンス取得に向けて勉強された方もいると思いますが、ここからはサラブレッドの毛色の種類について解説します。

 

 

サラブレッドの毛色は8種類

様々な毛色の馬のイメージ

サラブレッドの毛色は、栗毛・栃栗毛・鹿毛・黒鹿毛・青鹿毛・青毛・芦毛・白毛の8種類に分けられます。

 

そんなにあるの?という声も聞こえてきそうなので、それぞれの違いについて説明します。

 

<栗毛>

身体を覆う被毛は黄褐色で、前髪・たてがみ・尻尾などの長毛は被毛より濃いものから淡く白色に近いものまであります。

印象は可愛らしい感じです。

 

<栃栗毛>

被毛は黒味がかった黄褐色から黒味の非常に濃いものまでありますが、黒色にはなりません。

栗毛に比べて落ち着いた色になります。

 

<鹿毛>

被毛は明るい赤褐色から暗い赤褐色までありますが、長毛と四肢の下部が黒色なのが特徴です。

栗毛との違いは長毛と四肢の下部の色で、栗毛は黒くなりません。

 

<黒鹿毛>

被毛の色合いが黒味がかった赤褐色で、黒味の程度により相当黒く見えるものまであります。

しかし、眼の周辺・腋・ひばら・下腹及び内股は褐色で、長毛と四肢の下部の色は被毛の色の濃淡にかかわらず黒色です。

 

<青鹿毛>

全身ほとんど黒色で眼及び鼻の周辺、腋、ひばら等がわずかに褐色です。

 

<青毛>

軽種馬には比較的少なく、被毛・長毛共に黒色です。

この毛色は季節により、毛の先が褐色となり黒鹿毛や青鹿毛のように見えることがあります。

眼の周辺、鼻の周辺をよく観察して判断する必要があります。

 

<芦毛>

原毛色は栗色、鹿毛、青毛等で、被毛全体に白色毛が混生します。
年齢が進むにつれて白色の度合いが強くなりますが、その進度は個体によりまちまち。色合いも純白になる場合・原毛色をわずかに残す場合等があります。

歳を重ねると白毛と勘違いすることもありますが、鼻の周辺などの被毛の薄い部分は黒色なのが特徴です。

 

<白毛>

芦毛と違い、産まれた時には既に大半が白色です。

眼には色素があり、ピンク色の皮膚の一部に有色の斑点があることから、いわゆるアルビノではありません。

 

 

まとめ

かわいらしい栗毛に、優雅な白や金色のたてがみ・尻尾をもつ尾花栗毛。

 

でも尾花栗毛は劣性遺伝である栗毛の中で、さらに白い髪となる特定の遺伝子対を持たなければいけないため、生まれる確率は低く、珍しい馬です。

 

そんな数少ない尾花栗毛ですが、トウショウファルコやトーホウジャッカルなど記録を残す名馬、さらにイケメンもいます。

 

ぜひ、尾花栗毛の馬たちを探してみてくだいさい。

 

 

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