流星(りゅうせい)や曲星(きょくせい)など、馬の顔の模様について
馬の顔にある白い模様は、同じようで違っていて、凛々しく見えるものやかわいらしく見えるものなどさまざまです。
この顔の模様は、個体を識別するときにも役立ちます。
そしてこの模様は種類ごとに分けられ、名前がついています。
いったいどんな名前がついているのでしょう。
今回は馬の顔にある模様とその種類についてお話します。
この記事で分かること
・よく見られる模様の組み合わせ
馬の顔の模様は個体識別のために使われる
馬を見分けるときの判断材料として役立つのが、馬の毛色の他に顔の模様(マーク)ではないでしょうか。
この顔の模様は生まれたときから存在しており、成長する過程で変化したり、消えてなくなったりすることはありません。
そのため個体識別に使用することができ、顔の模様は重要な役割を果たしています。
そしてこの模様にはそれぞれ名称がついています。
また馬によっては複数の模様が付いている馬もおり、その場合、組み合わせによる名称があります。
ここからは具体的な模様とその名称について紹介します。
主な白斑の種類
顔の模様になる白斑は、大きく分けると10種類に分けられます。
中でも額にある白斑は形によって「星」「曲星」「乱星」「流星」「環星」と分かれます。
その他、鼻や唇など白斑がある場所や形によって「 鼻梁白」「鼻白」「唇白」「作」「白面」に分けられます。
どのような違いがあるのか、詳しく説明します。
星(ほし)
額に見られる白斑を「星」といいます。
しかし、全てが「星」ではありません。
その白斑が親指より小さいと「小星」、握りこぶしより大きければ「大星」といわれ、大きさによって呼び方がかわります。
曲星(きょくせい)
曲星(きょくせい)は星と同様、額にみられる白斑ですが、白斑の形が曲がった形をしています。
乱星(らんせい)
乱星(らんせい)も星と同様に額に見られる白斑ですが、その白斑の形が乱れた形になっています。
流星(りゅうせい)
流星(りゅうせい)は額の白斑が鼻筋の方に流れている形を指します。
星が流れているということで流星といわれますが、その大きさによって「大流星」「小流星」と呼ばれます。
また形によっても「曲流星」「乱流星」と表現されます。
環星(かんせい)
環星(かんせい)は額の白斑が環状になっています。
鼻梁白(びりょうはく)
鼻梁白(びりょうはく)は鼻筋にある縦長の白斑のことを指します。
これも白斑の幅によって呼び方が変わり、鼻骨より幅が広いと「鼻梁大白」と呼び、親指より幅が狭いと「鼻梁小白」と呼ばれます。
鼻白(びはく)
鼻にある白斑を鼻白(びはく)といいます。
鼻白の幅が鼻骨より広いと「鼻大白」と呼び、親指よりも狭い幅であれば「鼻小白」と呼びます。
皮膚が白くなくても、毛が白く見えるものを鼻白とされています。
唇白(しんはく)
唇白(しんはく)は唇にある白斑を指しますが、上唇と下唇のどちらにあるかで呼び方が変わり、上唇に白斑がある場合「上唇白」、下唇に白斑がある場合は「下唇白」と呼ばれます。
また、その幅が鼻骨より広いと「唇大白」、親指より幅が狭いと「唇小白」といいます。
馬によっては白斑が複数あることもあります、数は表現せず、皮膚の白い物だけを表していきます。
作(さく)
作(さく)は、額から鼻筋を通り鼻まで続いている白斑で、その幅がおおむね鼻骨の幅と同じであり真っ直ぐであるものを指します。
その幅が鼻骨よりも広いと「大作」、親指より幅が狭いと「細作」といいます。
白面(はくめん)
白面(はくめん)は名前のとおり、顔が白い馬を指します。
具体的にどれくらい白いと白面になるかというと、まず額より鼻に至るまで白斑があり、その白斑が顔の半分以上または両目の幅に及んでいる場合を白面と言います。
よく見られる模様の組み合わせ
馬の顔の模様の組み合わせとしては、「大流星鼻梁白鼻白(Blaze)」「流星鼻梁白鼻白(Thin blaze and snip)「乱流星鼻梁白鼻白(Irreglar blaze)」「流星鼻梁小白(Star and strip)」などがあげられます。
ここからは主な組み合わせ2つを紹介します。
一つ目は「大流星鼻梁白鼻白」です。
漢字の羅列で難しく感じるかも知れませんが、丁寧に読んでいくと流星・鼻梁白・鼻白を持っていることがわかります。
また、大流星となっているので額の流星は大きいことがわかります。
二つ目は「流星鼻梁白鼻白」です。
こちらも丁寧に読んでいくと、流星・鼻梁白・鼻白を持っていることがわかります。
しかし一つ目との違いは額の模様の大きさです。
大きさは表記されておらずノーマルなので、額から鼻にかけての白斑の幅が同じくらいの模様になっていることがわかります。
このように馬の顔の模様については、額・鼻筋・鼻・唇の模様を組み合わせて表現していきます。
個性的な組み合わせも?有名馬の模様の組み合わせ
競馬に興味がない人でも、2005年に日本競走馬史上2頭目となる、無敗での中央競馬クラシックで三冠を達成した「ディープインパクト」の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ディープインパクトには「星」が付いています。
また、ディープインパクトより前、つまり日本競走馬史上初の無敗で三冠を達成したシンボリルドルフの額には三日月の形をした白斑があり、トレードマークにもなっていました。
そんなシンボリルドルフを父にもつ「トウカイテイオー」は「流星鼻梁小白断鼻小白断上唇小白」という組み合わせになっています。
また、「マヤノトップガン」は「流星鼻梁白鼻梁鼻大白上下唇大白」という組み合わせということもあり、トウカイテイオーの模様と見比べてみるとその違いがわかりやすくなっています。
まとめ
1頭1頭違う模様を持つ馬の顔。この模様は生まれたときから付いており、成長の過程で変化したり、消えたりすることはありません。
そのため個体識別にとても役に立ちます。
この馬の顔の模様は大きく分けると10種類になりますが、その場所や大きさによってさらに細かく分けられます。
「似ているけれど、実は違う。」そんな模様もあるので、模様を意識して観察してみるとおもしろいですよ。
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