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馬具のお手入れ基礎知識

馬具のイメージ

乗馬のパートナーである馬のお手入れは大切ですが、乗馬に必要な馬具のお手入れも大切であることを、ご存知でしょうか。

鞍や頭絡、ブーツなど乗馬用品は革で出来ているものも多く、お手入れを難しく感じてしまう方も多いと思います。

しかし、お手入れを怠っているとヒビが入ってしまったり、カビてしまったりとせっかくの馬具をダメにしてしまうこともあります。

ここでは日ごろの習慣にしたいお手入れの基本としっかり時間をかけて行うメンテナンスの仕方について説明します。

この記事で分かること

・馬具のお手入れの重要性
・騎乗後の基本のお手入れ
・しっかりメンテナンスの手順
・馬具の保管時の注意点

馬具のお手入れの重要性

3つ並んだ乗馬用鞍のイメージ

愛馬のお手入れはしっかりできても、馬具のお手入れは後回しになっていることもあると思います。

乗馬に必要な馬具といっても鞍・腹帯・ゼッケン・パッド・頭絡・プロテクターなどの種類はさまざま。

そんな馬具のお手入れも重要です。

特に革製品はきちんとお手入れをすれば長持ちしますが、お手入れがおろそかになると、ヒビが入ってしまったり、カビが生えてしまうこともあります。

高価な革製品を買っても、ダメにしてしまったらショックも大きいですよね。

長く使うためにも馬具のお手入れは重要です。

騎乗後の基本のお手入れ

基本のお手入れ用品のイメージ

馬具の汚れの原因は、泥や砂埃、人間や馬の汗などさまざまです。

お手入れする時間がない、面倒と思う方も、騎乗後は基本的なお手入れをすることをおすすめします。
馬具もきちんと適切なケアをすることで長持ちさせることが可能です。

お手入れの仕方は簡単です。

例えば鞍の場合は、ブラシなどで埃や汚れを落とした後、水を固く絞ったタオルで全体の汚れを拭きます。

水分を多く含んでいると鞍を濡らしてしまうので注意が必要です。
特にあおり革やシートは汗が染みやすい部分なので、丁寧に拭きましょう。

腹帯も馬の汗で汚れていることがあります。

まずはブラシやタオルで汚れを落とします。
汚れがひどい場合は専用のサドルソープできれいにし、その後は専用クリームやオイルを塗ります。

ゼッケンやパッドも馬の汗で汚れやすい物なので、しっかり乾かします。

頭絡も革の部分はしっかり拭きます。
ハミを外し、革の表側・裏側ともにクリームやオイルを塗ります。

馬用のプロテクターは雑巾で拭くか、汚れがひどい場合は水洗いをします。

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しっかりメンテナンスの手順

普段は時間をかけて丁寧にお手入れできない方も、1〜2ヶ月に一度、定期的に時間をとってしっかりメンテナンスをするようにしましょう。

そうすることによって、馬具を清潔に長く使うことができます。
ここから具体的なメンテナンスの手順について説明します。

①タオルやスポンジでしっかりと拭く

鞍は腹帯やあぶみ革を外してから、固く絞ったタオルやスポンジで汚れを拭きます。
人間や馬が触れるところは特に汚れるので、しっかり拭きます。

頭絡は一つ一つパーツを外します。
馬に触れる革の内側は汗や皮脂がついているので、特に念入りに拭きましょう。

②細かな汚れを落とし、乾燥させる

サドルソープとスポンジのイメージ

汚れを拭き取った後は、サドルソープを使って汚れを落としていきます。

手順として、お湯にくぐらせたサドルソープをスポンジで泡立てて、鞍に丸い円を描くようにクルクルと洗っていきます。

凹んでいるところや縫い目などは汚れが溜まりやすい場所なので、念入りに洗うようにしましょう。
しかし、ゴシゴシ洗ってしまうと傷つけてしまうので、優しく丁寧に洗うようにします。

洗い終わったら、革なので水で洗い流すことはしません。乾いたタオルで泡と汚れを拭き取っていきます。

ここで「サドルソープではなく、人間が使うソープではダメなの?」という疑問もあると思います。

結論からいうとサドルソープは人間が使う普通のソープとは異なります。

サドルソープはその名のとおり、馬の鞍(サドル)を洗うための石鹸です。
馬は元々よく汗をかく動物ですが、人間のように毎日お風呂に入るわけではありません。

そんな馬の汚れや皮脂、匂いなどがつく鞍の汚れをすっきり落とすためのソープがサドルソープなのです。

また、サドルソープには革用の保湿成分が含まれています。

そんな特別なサドルソープで洗った後、全体的に拭き取りが終わるときれいになったことが実感できると思います。

腹帯や頭絡なども同様にサドルソープで優しく丁寧に、特に汚れが付きやすいところは念入りに洗い、最後は乾いたタオルで拭き取っていきます。

鞍や頭絡などの革製品は、いくら乾いたタオルで拭き取っても少し湿っています。

ブーツ(本革)は足の裏の部分だけを水洗いし、他は固く絞ったタオルで拭きます。

その後は、日陰で風通しの良いところで、しっとりした感じがなくなるまで乾かします。
ブーツを乾かす時には、型崩れしないように注意が必要です。

③クリームや保革油で保湿する

レザークリームとクロスのイメージ

サドルソープできれいにし、乾かして完了ではありません。

最後に革を保護するためにクリームや保革油を塗ります。

馬具だけでなく、ソファやバッグ、靴などの革製品は油を塗ることで柔らかさや伸縮性を保ち、ひび割れを防ぎを防ぎます。

また、水に弱い革に油を塗ることで防水効果も得られます。

しかし、たくさん塗ればいいわけではありません。
塗りすぎてしまうと、形が崩れやすくなります。

またあぶみ革は他の革製品に比べて伸びやすく、そこで油を多く含んでしまうと柔らかさが増して伸びてしまうことがあります。
そのため、あぶみ革には少量の油を塗るようにしましょう。

このような馬具を保湿するものとして、液状のオイルやクリーム状の物があります。

パーツ毎に使い分けることもできますが、クリーム状の物の方が量の調節はしやすいため、しみ込みすぎを防ぐこともできます。

クリームや保革油を塗った後は、余分なオイルやクリームを拭き取り、日陰干しにします。

極端に濡れてしまった場合の対処法

革製品は濡らさない方がいいということはご存知かと思います。

しかし、雨やお手入れの最中に濡れてしまうこともありますよね。

革は濡れると固くなりますし、シミにもなります。
もし革製品の馬具が濡れてしまったら、早いうちにお手入れをする必要があります。

まず乾いた柔らかい布で拭きます。
そのときにゴシゴシこするのは、色がはげたり、シミが濃くなる原因です。

水分を吸い取るイメージでぽんぽん叩きながら拭きます。
水分がある程度取れたら、風通しの良い日陰で乾かしましょう。

濡れてしまった時の一番のポイントは、どれだけ早く対処できるかです。
完璧でなくても、できる範囲で出来ることを早急に行いましょう。

関連記事:梅雨時期の馬具のお手入れについて

馬具の保管場所、保管方法や保管時の注意点は?

馬具の保管時の注意点のイメージ

馬具を普段からケアすることで、小さなトラブルを見つけることができます。

トラブルは早めに修理することで、大きな問題を避けることができるため、お手入れのときには注意してみましょう。

そして、馬具を丁寧にメンテナンスした後、トラブルがなければ適切な場所で保管をしましょう。

革で作られた馬具は特に高価なものが多いので、適切に扱い長く使えるようにしたいですね。

砂や泥の落とし忘れがないかチェックする

馬具の保管時の注意点のイメージ

砂や泥は意外と見えないところまで入り込んでいます。
馬具のお手入れをする際に落とし忘れがないか、確認をしてみましょう。

ブーツの場合、ブラシで大まかに汚れを落としますが、そのときに見落としがちなのが、ブーツの縫い目。

細かい汚れが入り込んでいる可能性もあるので、できるかぎり取り除きましょう。

また、鞍の場合も靴と同じように縫い目などにも入りやすいので、できるだけ取り除いてください。

さらに、鐙にも泥や砂がたくさん付着します。
鐙を付けたまま、鞍を保管する場合には、鐙の汚れを落とすのも忘れないようにしましょう。
鐙についた泥や砂の汚れは硬めのブラシで落とします。

また、革製品ではない馬具についても、ブラシをかけたり、水にぬらして硬く絞った雑巾で拭いたりして、汚れを落とすようにしましょう。

水分はしっかりと乾かしておく

馬具の保管時の注意点のイメージ

馬具を保管する前に水分をしっかりと乾かすことを忘れないようにしましょう。
カビが生えてしまったり、ふやけてしまったりすると劣化が進んでしまいます。

革製品の上に馬の汗で濡れたゼッケンやパッドをおかないようにすることも大切です。

水分はしっかりとふき取って、風通しの良い日陰で完全に乾かしてから保管をします。

定期的に保革油を塗っておくと、水分もはじきやすくなります。
合成素材の馬具の場合も水分をしっかりふき取り、直射日光を避けて乾かすようにしましょう。

また、鞍には防水効果のあるサドルカバーを使用して騎乗する方法もあります。
最近では、防水機能のあるシートにグリップがついており、滑りにくくなっている優れものもあります。

ブーツには、通気性を損なわずに防水性を発揮するスプレーを使ってみるのもいいでしょう。

こういった商品をうまく使いながら、なるべく水分が吸収されないようにすると騎乗後のお手入れも楽ですよ。

保管場所は高温多湿になりやすい場所を避ける

馬具の保管時の注意点のイメージ

水分をきちんとふき取って、乾かしたのにカビが生えてしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。

しっかりと乾かしても、保管場所が高温多湿の場合、カビが生えてしまうこともありますので、要注意です。

さらに高温の場所で保管をすると、革にはヒビが入ってしまうこともあり、高温多湿の場所は革製品の保管には適していません。

できるかぎり、高温多湿になりづらい場所を選んで保管しましょう。

特に梅雨の時期は、保管場所も高温多湿になりがちです。
さらに、雨の中での騎乗も増えるでしょう。

革製品の場合、濡れて、乾いて、すぐに使うというサイクルをこまめに繰り返すと劣化のスピードが速まってしまいます。

特にブーツは要注意。
お気に入りのブーツを長く愛用するためにも、雨の日は雨に強い素材を使用している別のブーツを使うのもいいかもしれません。

定期的に点検とメンテナンスを行う

馬具の保管時の注意点のイメージ

定期的に点検とメンテナンスを行いましょう。

メンテナンスにはステインリムーバー、サドルソープ、保革油やクリームを使用します。
リムーバーとソープで汚れをとり、保革油やクリームで革を柔らかく保つことができます。

鞍の裏側や細かい部分にも気をつけてメンテナンスをすると長く使い続けることができますよ。

鞍の表側はクリーム、裏側は油と使い分ける方もいらっしゃるようです。

また、多湿の時期は油やクリームも少なめ、乾燥している時期は少しだけ多めに塗るようにしましょう。

しかし、腹帯を鞍に装着するときに使用するパーツである託革に油を塗ってしまうと、伸びてしまい、傷んでしまうことがありますので気をつけましょう。

また、鐙革も油の塗りすぎには要注意です。
やはり伸びてしまうことがあります。
使用する場合はごく少量の油やクリームを薄く伸ばすように使いましょう。

メンテナンスをしているときには、トラブルがないかの点検もしましょう。
もしトラブルを見つけたら、早めに修理をすることをおすすめします。

例えば鞍の場合、膝あて部分の破れ、託革の穴が割けている、あおり革の破れなど、トラブルが小さいうちに修理をすれば、修理の料金も安く、その後の使用も問題ありません。

トラブルがあるのに放ってしまうと、修理のできない状態にまで劣化が進んでしまう可能性があります。

修理業者さんが見つからない方は、自分の馬具を持っている方やクラブに聞いてみましょう。
メンテナンスをしながら、点検も一緒にしてしまえば、トラブルも小さいうちに発見できて、すぐに対応できるのでおすすめです。

まとめ

少し面倒に感じてしまう方も多い、馬具のお手入れについて説明しました。

馬具は革でできているものも多く、高価でデリケートな物がそろっています。

そんな馬具をきれいに長持ちさせる一番のポイントは、騎乗後に基本的なお手入れだけでもすることです。

騎乗後は馬のお世話があり、大変に感じるかも知れませんが、内容的には簡単なものです。
是非覚えて、騎乗後のルーチンにしましょう。

また定期的に時間をとって、一つずつ丁寧にメンテナンスを行うこともおすすめです。

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