乗馬ライセンスについてと乗馬クラブの費用
乗馬にはレベルにあわせて取得可能なライセンスというものがあります。
乗馬クラブなどで「まずは5級を目指しましょう」「もうすぐ4級取れそうですね」など、資格についての話を聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
しかしながら
・どのような試験なのか分からない
・難易度が分からなくて私でも合格できるのか不安
・ライセンス取得のメリットが分からない
・ライセンス取得にどのくらいのお金がかかるのか分からない
など、乗馬ライセンスについてこのような疑問や不安を持っている方も多いはず。
そこで、この記事では乗馬ライセンスについてどこよりも詳しく解説していきます。この記事を参考にぜひ乗馬ライセンスに挑戦してみましょう。
【目次】
乗馬ライセンスとは
乗馬ライセンスとはライダーのレベルに合わせて取得できる資格のことです。
英語検定や漢字検定と同じようなものと思えば想像しやすいかもしれません。
では乗馬ライセンスを取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
結論から言うと乗馬ライセンス取得のメリットは以下の3つです。
・乗馬ライセンスを段階的に取得していくことで次の級に合格するという明確な目標ができ、モチベーション向上に繋がる。
・外乗(ホーストレッキング)に参加する条件として「~級以上」と定めている乗馬クラブが多く、乗馬の楽しみ方の幅が広がる。
・エントリー資格に「~級以上」と定められている競技にエントリーでき、出場できる競技が増える。
このようなメリットから乗馬ライセンス取得を目指す方は多いです。
乗馬ライセンスの種類
ひと口に乗馬ライセンスと言っても乗馬ライセンスにはいくつかの種類があります。
混乱しやすい部分ですので、しっかりと理解しておきましょう。
公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会(全乗協)のライセンス
全国乗馬倶楽部振興協会が認定するライセンス(乗馬技能認定)です。
乗馬を始めた方がはじめに目指すライセンスとして知られています。
1〜5級に区分されており5級から1級に行くにつれて難易度が高くなります。
また3級以降は「障害」「馬場」「エンデュランス」にそれぞれ分けられており、より専門的な内容となってきます。
障害と馬場は1級を取得すると日馬連が認定するライセンスのB級、B級馬場馬術限定に移行することが可能です。(令和4年4月1日改定)
エンデュランスは2級でB級エンデュランス限定に移行することが可能です。
試験内容や難易度については以下で解説します。
公益社団法人 日本馬術連盟(日馬連)のライセンス
日本馬術連盟が認定するライセンス(騎乗者資格)です。A~C級と「馬場馬術限定」「エンデュランス限定」に区分されています。
日本馬術連盟が主催・公認する競技での出場条件として用いられることが多く、このライセンスを取得することでより多くの競技に参加できるというメリットがあります。
全乗協認定ライセンスの1級が日馬連認定ライセンスのB級に相当するため比較的上級者向けのライセンスといえます。
レベルの高い競技での活躍を目指している方には必須のライセンスです。
その他のライセンス
その他にも乗馬インストラクターになるために必要な「乗馬指導者資格」や、中学生以下を対象とした「ポニーライダー技能認定」、ウエスタン乗馬が対象の「乗馬技能認定ウエスタン~級」など様々な資格が用意されています。
興味のあるものに挑戦してみましょう!
乗馬ライセンスの基準
以下の記事では取得する方の多い全国乗馬倶楽部振興協会ライセンスの1~5級について実技と筆記の試験内容などを解説します。
5級
乗馬未経験者がはじめに目指すのが5級です。実技試験は部班運動で審査され
・乗馬、下馬ができる
・停止及び常歩で正しい姿勢がとれる
・誘導馬について小区画の馬場で軽速歩ができる
・内方開き手綱の操作ができる
といった観点で評価されます。
筆記試験では
・馬の品種
・馬の性質
・馬の表情
・馬の取り扱い
・部班運動について
・常歩と軽速歩について
などを中心に問われます。
5級の合格率は9割を超えると言われており気軽にチャレンジできるのが特徴です。
4級
4級の実技試験は5級と同様に部班運動で審査され
・常歩で巻き乗り、半巻きを含む回転運動。速歩で90°の方向変換及び斜め手前変換
・停止-常歩-速歩-常歩-停止が概ねスムーズにできる
・軽速歩の手前が理解できる
・速歩運動にて正しい姿勢がとれ、手綱・脚の操作が概ねでき、駈歩の発進、維持ができる
といった観点で評価されます。5級よりも繊細な馬とのコミュニケーションが求められます。
筆記試験では
・馬の毛色
・馬体の名称
・馬具の名称
・初歩の号令
・馬の動き方
などが問われます。
馬体の名称や馬具の名称はメジャーなものだけを覚えておけば問題ありません。
3級
3級は合格すれば「馬に乗れる」と自信をもって言えるくらいのレベルとなっています。
4級までは部班運動で審査されますが、3級は乗馬技能認定3級課目の演技が実技試験となります。
実技試験では
・5級、4級の運動を含め、駈歩の発進、維持。歩度の伸縮が概ねでき、巻き乗り、半巻きができる
・駈歩の手前が理解でき、常歩、速歩を入れての手前の変換ができる。扶助操作の適否
・地上横木の通過
が求められます。
また、4級、5級では失権となる条件が落馬のみだったのに対し、3級では「3回の経路違反」「馬場らちから四肢が出る」といった条件が追加されています。
筆記試験では
・5級、4級の項目に加え、蹄の名称及び馬場運動の図形等
・鞍の部位の名称
・蹄の名称
・運動の名称
・手入れ道具について
・回転について
・馬の動き方について
について問われます。
基本となる用語をしっかりと頭に入れておきましょう。
障害3級 エンデュランス3級
障害3級は技能認定3級を持っていること、エンデュランス3級は技能認定3級、またはウエスタン3級を持っていることが受験資格となります。
障害3級は障害数6~8個の高さ80cmのコースを完走できる程度、エンデュランス3級は20kmトレイルライド完走できる程度で合格できます。
2級
2級には「障害」「馬場」「エンデュランス」の専門ごとにライセンスが区分されています。
障害2級は障害数8~10個の高さ90㎝のコースを完走できる程度、馬場2級は第2課目Bを合計得点率55%以上、エンデュランス2級は40kmトレイルライド完走できる程度で合格できます。
1級
1級も2級同様に「障害」「馬場」「エンデュランス」の専門ごとに区分されています。
障害1級は障害数8~10個の高さ100㎝以上のコースを減点9以下で完走できる程度、馬場1級は第2課目Cを合計得点率53%以上、エンデュランス1級は80km以上のコースを3回完走した実績で合格できます。
乗馬クラブにかかる費用
乗馬ライセンスを取得しよう!と思い立ってもやはり気になるのが費用面です。
乗馬ライセンスを取得するにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
以下の記事では費用について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
馬に乗ってみたい!乗馬教室について
「気軽に乗馬ライセンス取得を目指したい!」という方にオススメなのが乗馬教室(5級ライセンス取得コース)です。
地域にもよりますが5~7鞍で30,000~50,000円が相場となっています。
今後本格的に乗馬を始めることを検討している方が、クラブ会員になる前にお試しコースとして活用される場合もよくあります。
スタイルに合わせて乗馬を楽しみたい!ビジター制度について
ビジター制度を利用すれば乗馬クラブに入会しなくても、乗馬を楽しむことができます。
会員よりも少し割高になりますが多くの場合1回の騎乗で5,000円程度ですので、乗馬教室と同じ感覚で楽しむことができます。
ビジター制度は「いろいろな乗馬クラブで騎乗をしてみたい」「旅先で乗馬を楽しみたい」という方にオススメです。
ビジター制度を行っていない乗馬クラブもありますので事前にご確認ください。
いざ、正式会員に!入会金について
正式に乗馬クラブの会員になるためには入会金が必要になります。
正式会員への入会は、たくさん騎乗したい方や本気で乗馬を極めたい方向けの方法です。
「乗馬ライセンス3級以上を目指したい方」「継続的に乗馬を楽しみたい方」は正式会員への入会をおすすめします。
入会に必要な費用はおよそ150,000円~200,000円程度です。
ジュニア会員や土日会員、平日会員など会員のタイプによって入会費用に差があります。
会員のタイプや費用は乗馬クラブによってさまざまですので、気になる乗馬クラブがあれば、事前に確認してみましょう。
月々にかかる費用は?月会費について
入会時にかかる入会金の他に月々にかかる月会費があります。
会員の管理のために必要になる費用だと考えればよいでしょう。
月々およそ15,000円~20,000円程度かかってしまいますが、ビジター制度よりも騎乗料が割安です。
月会費についても、会員のタイプや乗馬クラブによって異なります。
1回ごとの騎乗にかかる費用は?騎乗料について
騎乗料とは、馬に1鞍(1回)乗るごとに必要な費用です。
1鞍でおよそ3,000円程度、40分~50分騎乗することができます。
平日の場合と土日の場合、また会員なのかビジターなのかによって費用が異なる場合があります。
一般的には騎乗料にレッスン料が含まれていますが乗馬クラブによっては騎乗料とレッスン料が別々で設定されている場合もありますので事前にご確認ください。
乗馬レッスンを受けたい!レッスン料について
インストラクターに指導を受ける場合にかかる費用がレッスン料です。
レッスン料は一般的に騎乗料に含まれている場合が多いのですが、優秀なインストラクターにレッスンを受けたいというような場合に別途必要になります。
また、個人レッスンを受ける場合は、グループレッスン(部班)よりも割高になります。
自分だけの馬を持ちたい!預託馬費用について
自分だけの馬を持ち、その馬を乗馬クラブに預ける際には預託馬費用がかかります。
預託馬費用には餌や馬房、おが粉、調教、手入れなどの費用が含まれている場合が多いです。
預託馬費用は月々およそ150,000円程が目安です。
自馬を持つ場合、預託馬費用の他にも装蹄代や治療費などもかかります。
試合に出たい!その他費用について
試合に出場する場合、試合会場まで馬を運ぶための馬運費や借馬料、競技へのエントリー代などが必要です。
初心者の方へ!無料のお役立ちガイドとハンドブック
まとめとポイント
この記事では乗馬ライセンスの概要と必要な費用について詳しく解説しました。
・乗馬ライセンスは乗馬を楽しむうえでメリットが多い
・初心者はまず5級・4級にチャレンジ!
・乗馬ライセンス5級は最短3日、30,000~50,000円で取得可能
・初心者の方には無料のお役立ちガイドとハンドブックがおすすめ!
この記事を参考にぜひ乗馬ライセンス取得に挑戦してみましょう。
※各種ライセンスや騎乗者資格に関する情報は2023年1月時点で確認した内容となります。改定されることもありますので詳しくは運営事務局へお問い合わせください。