日本馬術連盟(日馬連)の騎乗者資格について
この記事では「日本馬術連盟」が認定する騎乗者資格について詳しく解説します。
この記事で分かること
・全国乗馬倶楽部振興協会の騎乗者資格との違い
・各級のレベルや試験内容
・取得に必要な費用、有効期限
日本馬術連盟のライセンス(騎乗者資格)とは
日本馬術連盟のライセンスはその人の騎乗技術に合わせて取得できる資格のことです。
日本馬術連盟のライセンスを取得することで以下のようなメリットを得られます。
- ・日本馬術連盟が主催する競技で、出場条件に「騎乗者資格~級以上」となっているものでも出場できるようになる。
- ・目標をもって練習できてモチベーションアップに繋がる。
- ・有効期限や更新が無く、一生ものの資格となる。
乗馬技能認定との違い
この記事で紹介している「日本馬術連盟の騎乗者資格」のほかに有名な騎乗者資格として「乗馬技能認定」というものがあります。
乗馬技能認定は全国乗馬倶楽部振興協会が認定する騎乗者資格で、比較的初心者向けのライセンスです。
日本馬術連盟のライセンスは競技で活躍したい人向け、乗馬技能認定は乗馬を楽しみたい方向けの資格といったようなものです。
混乱しやすい部分ですのでよく確認しておきましょう。
騎乗者資格のレベル区分
日本馬術連盟の騎乗者資格はA~C級に分類されています。
また、特殊なものとして「A級 エンデュランス限定」「B級 馬場馬術限定」「B級 エンデュランス限定」「エンデュランスC級」があります。
騎乗者資格C級について
C級は用意されている階級の中で最も簡単な資格です。
乗馬初心者がはじめに目指す資格として適した難易度となっています。
受験資格
C級を受験するには日本馬術連盟の会員である必要があります。
入会には入会金10,000円、年会費10,000円が必要です。
審査基準
筆記試験と実技試験で審査されます。
筆記試験では馬の体の名称や馬具についての問題を中心に出題され、80%以上が合格基準です。
実技試験は軽速歩や駈歩が概ねできているかについて審査されます。
エンデュランスC級とは?
エンデュランス競技は求められるスキルが障害馬術や馬場馬術と少し異なるため、資格も区分されています。
エンデュランス競技はエンデュランスC級以上の取得者でないと出場できない場合が多いので、エンデュランスを頑張りたいという方には必須の資格です。
また、筆記試験と実技試験に加えて講習会の受講が必要となっています。
騎乗者資格B級について
騎乗者資格B級は、障害馬術で100cm障害前後の競技の出場条件とされることの多い資格です。
受験資格
日本馬術連盟の会員であることと、C級を取得していることが必要な条件です。
審査基準
筆記試験と実技試験で審査されます。
筆記試験では馬の品種や手入れ道具、競技のルールなどが出題されます。
実技試験では、第2課目Bを53%以上と、「騎乗者資格B級技能検定 障害飛越コース」の走行が求められます。
第2課目Bでは馬の左右への操作だけでなく、歩幅の進展なども評価基準となっているため難易度が高くなっています。
B級 馬場馬術限定
受験資格は日本馬術連盟の会員であることと、C級を取得していることです。
騎乗者資格B級との試験内容の違いは、実技試験に障害が無いという点です。
これから馬場馬術を専門としようとしている方は馬場馬術限定を取得してもいいかもしれません。
B級 エンデュランス限定
受験するにはエンデュランスC級を取得する必要があります。
審査は実技講習もしくは公認競技会における完走証明書の提示で行われます。
他団体の資格からの移行
日本馬術連盟の騎乗者資格は、他団体で取得済みの資格のレベルに応じ試験を受けずに取得することができます。
騎乗者資格B級に移行可能な資格
- ・公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の技能認定1級取得者(令和4年1月より移行可能な資格が2級から1級へ引き上げ)
- ・日本社会人団体馬術連盟が認定するA級取得者
- ・全日本学生馬術連盟が認定する騎乗者資格SA取得者
- ・全日本高等学校馬術連盟が認定するHB級資格取得者
- ・日本乗馬少年団連盟が認定する中級資格取得者
B級馬場馬術限定に移行可能な資格
- ・公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の技能認定1級取得者(令和4年1月より移行可能な資格が2級から1級へ引き上げ)
- ・全日本学生馬術連盟が認定する騎乗者資格SA級馬場限定取得者
B級エンデュランス限定に移行可能な資格
- ・公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の技能認定エンデュランス2級取得者
騎乗者資格C級に移行可能な資格
- ・全日本高等学校馬術連盟が認定するHC級資格取得者(現役の高校生は対象外)
- ・日本乗馬少年団連盟が認定する初級資格者(現役の少年団員は対象外)
騎乗者資格A級について
騎乗者資格A級はB級・C級とは異なり、試験がありません。
代わりに競技への出場などの実績をもとに審査されます。
A級の審査基準
- ・【障害】パートⅠ・パートⅡ出場者
- ・【馬場】FEI馬場馬術課目・JEF馬場馬術競技第4課目出場者
- ・【総合】トレーニングクラス完走者
- ・【共通】ヤングライダー選手権・ジュニアライダー選手権出場者
のいずれかの実績を過去3年以内に有していること
エンデュランス限定A級の審査基準
- ・過去2年以内に、主催・公認競技会(国内外を問わず)における 80km以上の完走実績を3回以上有する者
騎乗者資格取得にかかる費用
騎乗者資格を受験するためには最大で8,000円の受験料が必要となります。
また、借馬料や馬具のレンタル代は別途必要です。
受験後、無事に合格するとA級25,000円・B級6,000円・C級3,000円の登録料が必要となります。
日馬連の資格に有効期限はある?
日本馬術連盟の資格に有効期限はありません。
しかし、日本馬術連盟を退会した場合は失効になります。
退会して失効した騎乗者資格を復活する場合は、個人普通会員として登録した後、再登録料を納入する必要があります。
再登録料は A級27,000円、B級6,500円、C級3,300円です。
まとめとポイント
日本馬術連盟(日馬連)の騎乗者資格について理解できましたでしょうか。
この記事のポイントをまとめると以下の通りです。
・騎乗者資格取得には多くのメリットがある。
・乗馬初心者はまずC級から挑戦。
・「エンデュランス限定」「馬場限定」のように専門に合わせた資格取得が可能。
・他団体からの移行が可能。
・受験料は最大8,000円で、合格すれば登録料が必要。
この記事を参考にぜひ日本馬術連盟の騎乗者資格に挑戦してみてください。
※各種ライセンスや騎乗者資格に関する情報は2023年1月時点で確認した内容となります。改定されることもありますので詳しくは運営事務局へお問い合わせください。