乗馬ライセンス2級・1級について
乗馬ライセンスとは、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会が定めたライセンスです。
全国統一の乗馬の技術を認定するもので、乗馬技能認定審査とも呼ばれています。
この記事では、乗馬ライセンス2級と1級の試験内容と難易度、対策のポイント、取得に必要な期間や費用を解説していきます。
この記事で分かること
・乗馬ライセンス 2級・1級の内容とレベル
・試験内容と対策のポイント
・乗馬ライセンス取得のための期間と費用
乗馬ライセンス(乗馬技能認定審査)2級・1級の内容とレベル
乗馬ライセンス(正式名称:乗馬技能認定審査)は、初心者でも挑戦できる5級から始まり、3級まで飛び級が可能です。
3級を取得すると「馬場2級」「障害3級」「エンデュランス3級」の受験が可能になります。
ここで説明する乗馬ライセンス2級・1級は「馬場2級」「馬場1級」を指します。
乗馬ライセンス2級・1級の取得を目指す方は、乗馬が趣味の領域から特技になっているのではないでしょうか。
難易度も高くなる認定審査ですが、自分の実力を客観的に知ることができます。また乗馬を継続するモチベーションにも繋がるでしょう。
乗馬ライセンス 2級・1級を取得するメリット
乗馬ライセンス2級・1級の受験を考える理由は、
「馬場2級・1級を取得して馬場を極めたい」「将来的には障害やエンデュランスなど別の種目も取得したい」「資格は気にせず余暇の楽しみとして乗馬を楽しみたい」など人それぞれかと思います。
ライセンスを取得することでメリットもあります。級ごとに取得のメリットを見ながら取得を検討してみましょう。
乗馬ライセンス2級のメリット
乗馬ライセンス2級を取得するメリットとして、自分の実力・できることを客観的に示すことが出来るという点があります。
ホーストレッキングなどを行うときには取得の級を伝えることで体験できる範囲も変わってきます。
また、2級を取得するレベルになると難易度も上がりますが、より高度な技術や専門的な知識を身に着けることができ、試験では競技会のような緊張感を味わうこともできます。
乗馬ライセンス1級のメリット
乗馬ライセンス1級を取得すると夢は大きく広がります。
乗馬に関するライセンスは大きく分けて2つあります。今回解説している全国乗馬倶楽部振興協会が定めている「乗馬ライセンス」と日本馬術連盟(通称:日馬連)が定める「騎乗者資格」です。
騎乗者資格とは、日馬連主催・公認の競技会へのエントリーに必要な資格です。
乗馬ライセンス1級を取得すると日馬連の馬場限定B級に移行でき、競技会へのエントリーができるようになります。
なお、騎乗者資格はA~C級と3つのレベルに分けられており、C級はB級、B級馬場限定、エンデュランスC級資格受験のために必要な資格で、日本馬術連盟の認定する審査会で合格した者に付与されるものです。
B級は日本馬術連盟主催・公認競技会に出場するために必要な資格で、日本馬術連盟の認定する審査会で合格した者に付与されるものです。
馬場馬術、エンデュランスの各限定資格もあります。
そしてA級では国際競技会へ出場するために必要な資格で、B級資格取得者で一定基準以上の競技経験を有することが必要です。
A級には試験はなく、書類審査のみで取得することができます。
このように1級を取得することで華やかな競技会への出場ができるようになります。
乗馬ライセンス 2級・1級の試験の難易度
難易度はもちろん級が上がるほどに高くなります。
また、試験の際は競技会さながら緊張感も高まります。
しかし、インストラクターのように馬に関する仕事についていなくても、練習すれば2級や1級の取得が可能です。
全国乗馬俱楽部振興協会の令和3年度事業報告書によると、各級の合格率は2級が85.1%、1級が76.9%になっています。
試験内容と試験対策のポイント
どんな試験でも試験勉強や練習などの準備が必要です。
ここでは、2級・1級の実技試験・筆記試験の内容とその対策のポイントを解説します。
特にどちらの級も令和4年12月1日実施分から実技試験の経路が変更されました。
日本馬術連盟のHPなどで確認しておきましょう。
2級の試験内容とポイント
以前は2級から日本馬術連盟の騎乗者資格に移行することができたことから、2級は「馬術」「競技会」といった言葉がしっくりくるほどの内容になっています。
試験科目は3級と同様に実技・筆記がありますので練習と勉強が必要です。
実技試験の内容とポイント
2級の実技試験は令和4年12月1日から、日本馬術連盟制定馬場馬術競技第2課目Bにて審査されるようになりました。
具体的には、尋常速歩で入場後に停止、不動、敬礼から始まります。
その後は、尋常速歩で発進後に右手前蹄跡に入り、斜め手前変換・輪乗り・半巻乗り・方向の違う半円を続けて描くように乗る蛇乗りなどの運動課目を審査されます。
特に蛇乗りはリズムを一定にし、扶助や重心にも注意しマスターしていきましょう。蛇乗りができるようになると今後の試験やスキルアップに活かすことができます。
またこれらの運動課目は、尋常速歩・尋常駈歩・中間常歩など定められた歩様で進めていきます。
事前に試験の内容を確認しておきましょう。
そこでやるべき運動課目と一緒に経路をしっかり覚えることが重要です。
またそれぞれの運動課目には審査員が審査をする上での着眼点があります。一つ一つ丁寧にこなしていくことも大切です。
筆記試験の内容とポイント
2級筆記試験では、馬の管理・健康状態についてと扶助についてが出題されます。
こちらは全国乗馬倶楽部振興協会が発行している「レッツエンジョイライディング」から出題されるため、それを使用して勉強をすることができます。
その他に、馬場馬術競技のルールについて、馬場馬術競技場の距離・地点記号について、図形についても出題されます。
こちらは日本馬術連盟の競技会規程から出題されます。
1級の試験内容とポイント
1級を取得することで日本馬術連盟の騎乗者資格、馬場限定B級に移行することができます。
そして移行することにより日本馬術連盟主催・公認競技会へのエントリーができるようになります。
つまり移行ができると競技会への参加ができるようになり、夢が大きく広がります。
しかし、その分試験の内容は高度になり、他の受験者たちもそれだけの上級者になります。
しっかり、試験の準備をしておきましょう。
実技試験の内容
1級の実技試験は令和4年12月1日から、日本馬術連盟制定馬場馬術競技第2課目Cにて審査されるようになりました。
具体的には、尋常速歩で入場後に停止、不動、敬礼から始まります。
その後は尋常速歩で発進し、左手前蹄跡に入り、巻乗り・輪乗り・半輪乗りなどの運動課目が審査されます。
またこれらは、尋常速歩・尋常駈歩・中間常歩・中間駈歩・シンプルチェンジなど定められた歩様で進めていきます。
受験者も試験の際には緊張すると思いますが、馬も周りの雰囲気や人が着ている服装の違いで落ち着かなくなることがあります。
人間が落ち着いて馬をリードするように心がけましょう。
筆記試験の内容とポイント
1級筆記試験では、頭部・肢部の白斑について、馬の病気について、運歩の順序や移動距離について出題されます。
こちらは全国乗馬倶楽部振興協会が発行している「レッツエンジョイライディング」から出題されるため、それを使用して勉強をしておきましょう。
その他に、馬場馬術競技のルールについて、運動の目的や名称について、使用が許可または禁止されている道具について出題されます。
こちらは日本馬術連盟の競技会規程から出題されます。
乗馬ライセンス 2級・1級取得のために必要な期間と費用
乗馬ライセンス5級や4級は乗馬クラブに入会しなくても、短期の体験や合宿などでライセンスを取得することが可能でした。
しかし2級や1級になると試験内容も高度な分、乗馬クラブに入会し、しっかり練習や経験を積んで取得するのが一般的です。
ここから2級・1級を取得するために必要な期間と費用について説明します。
乗馬クラブに入会して資格を取得する場合は、入会費、年会費または月会費、1鞍ごとの騎乗料・指導料が必要になります。
この場合、いくら必要なのか気になりますよね。ここからは気なる金額の目安を説明します。
入会費は地域や乗馬クラブによって違いがあり、数万円のところから数十万円かかるところもあります。
年会費または月会費も乗馬クラブによって異なりますが、比較しやすいように月に換算するとたいてい1万円から2万円になります。
騎乗料・指導料は数千円のところがほとんどですが、鞍数が多ければその分かかります。鞍数は3級でも100~200鞍と人によって変わってきます。
2級・1級になるともちろんそれより増えますが、どれくらい必要かは人それぞれです。
また期間についても、1週間で何鞍騎乗するのかで変わってきます。
乗馬ライセンスの有効期限・更新は?
乗馬ライセンスは車の免許証のように、ないと馬に乗れないわけではありません。
実力を認定しているものなので有効期限や更新もありません。
まとめとポイント
・各級の合格率は2級が85.1%、1級が76.9%。しかし難易度は高いのでしっかりとした準備が必要
・1級を取得すると騎乗者資格に移行でき、競技会に参加できるようなる
・2級や1級は、乗馬クラブに入会ししっかり練習や経験を積んで取得するのが一般的
※各種ライセンスや騎乗者資格に関する情報は2023年1月時点で確認した内容となります。改定されることもありますので詳しくは運営事務局へお問い合わせください。