大学受験に失敗した蘭は、家に引きこもる生活を送っていた。
ある日、高校時代に知り合った小百合が家を訪ねてきて、「一緒に青森で暮らさないか？」と提案する。
意を決して青森へやって来た蘭は、小百合の大学を見学した際に、一頭の馬と一人の男に出会う。
男の名は雛形貞晴。小百合の所属する馬術部の同級生。颯爽と馬を操る雛形を見て、蘭は心に何かを感じた。
小百合の勧めで馬に乗ってみることになった蘭。そこに現れたのは、津軽という馬。
馬術部の誰もがまともに乗せてもらえない少し難しい気性の馬という評判だったが、津軽は蘭を拒むことなく背中に乗せた。
蘭は、ここから自分の何かが変わるのでは、と感じる…。


・著者　筒井　旭
・出版社　集英社