馬ってすごい!
「走るために生まれてきた」と言われるけれど、本当に馬は走るのが好きなのだろうか。
勝ちたいと思って走っているのか。なぜ人の指示どおりに走るのか。
進化、行動、運動生理……。競馬の主役・サラブレッドの生態や肉体を、「走る」をキーワードに切り取った、
スポーツ科学的ノンフィクション。競馬を見る目が大きく変わる!

【目次】
はじめに

第一章 馬はなぜ走るのか
馬は好きで走っているのか/馬が必死に走るとき/隣の馬に噛みつく理由/人の価値観、馬の行動原理/なぜ人は間違えるのか/馬だから競馬はできた

第二章 競馬を可能にした馬という動物
人が乗れる背中とは/人の意思を馬に伝えるために/馬は人を受け入れた/馬はなぜ競馬で走るのか

第三章 競走馬に必要な能力とは
レースの距離/短距離体型と長距離体型/競馬はどんな運動か/短距離も長距離も「中距離」だった/馬の筋肉は「超短距離型」/競走馬に求められる能力/「15-15」には意味があった
なぜ馬は高地トレーニングをしないのか

第四章 馬はどのように走っているか
馬は「走り方」を使い分ける/馬の膝はどこにある/歩法はこう進化した/「手前」が走りに影響する/コーナーは回りやすい手前がある/馬はどうやってゲートを出ているか/交叉か回転か、右か左か
ラストスパートでは呼吸をしない?/ディープインパクトの走りを分析する

第五章 馬はどんなところを走っているか
東京の茶色い芝/イギリス的なるもの、アメリカ的なるもの/「芝=スピード」という誤解/年間通して緑の馬場に/馬にとって走りやすい馬場とは/競馬に不可欠な「馬場の多様性」
日本のダートコースとは/ダートコースの走り方/ダートに向く馬とは

第六章 馬はこうして競走馬になる
1サラブレッドが「サラブレッド」になる
サラブレッドは走るために生まれてきた/血統書の出現/親子の証明/毛色と遺伝/血液型による親子判定/DNA型検査の方法は/競走能力の遺伝とは/サラブレッドを変えた馬
2サラブレッドが「競走馬」になる
競走馬になるために/誰が競走馬を作ってきたのか/画一的な調教からの脱却/トレセンと育成牧場

第七章 馬の感覚と競走能力
「走る」ために能力を制限する/イギリスで起きた「超音波銃事件」/牡馬と牝馬の能力差/発情と競走/馬の知能はどのくらいか/馬はゴール板を知っているか/馬にとってレースの報酬とは何か

おわりに 馬にとっての幸福とは


・著者　辻谷　秋人
・サイズ　B6判
・ページ数　216ページ
・出版社　三賢社