SPウィークの馬学講座②
お久しぶりです【SPウィーク】です
第2回は【疝痛】(センツウ)についてお話したいと思います。
第1回は【蹄叉腐爛】(テイサフラン)と【蹄葉炎】(テイヨウエン)、馬の蹄に起こりうる病気についてお話させていただきましたが、
今回は馬のお腹について起こりうる病気についてお話しようと思います。
まず【疝痛】とは何か
これは馬の腹部の痛みを総じて疝痛といい具体的な病名は多岐にわたります。
厳密には胃や腸などの消化管に痛みの原因があるものを疝痛と呼びます。
人間でも例えばお腹を下したなど腹痛はよくあるかと思いますが、実は馬にとって腹痛つまり疝痛は非常に危険をはらむ病気なのです
疝痛の中の分類で【変位疝】(ヘンイセン)というものがあります。
これは疝痛の中でも最も危険な病気です
消化管の位置が変化したり、捻れたりすることによって起きる激しい痛みです。
軽度な場合は自然に治ることもありますが、重度な変位疝の場合、捻れなどによる血行障害で組織が壊死し、死に至ることもあります。
有名な競走馬ではナリタブライアン(胃破裂)やエルコンドルパサー(腸ねん転)が疝痛によって亡くなっています
疝痛になった時の処置としては
まずは獣医師の先生に診ていただくことですが、痛みが軽度で曳き運動が可能な場合には10~30分程度の曳き運動をすることによって、腸のぜん動運動を促します。
また冬場であれば、ぜん動運動を促す為に暖房などを使用して体温低下を防ぎましょう。
下腹部のマッサージも効果的で、ゆっくり摩擦することで痛みが少し和らぐようです。
痛みがひどい場合などはすぐに獣医師の方に診ていただいてください。
疝痛の見分け方
疝痛を発症している馬の見分け方として 元気の低下、食欲減退、前掻き、発汗、お腹をみる、ボロをしない等が上げられます。
また痛みの程度は馬の目と口からもある程度判断することができます。
通常目は穏やかな形状をしており、口をモゴモゴと遊ぶ馬もいますが、疝痛になり痛みがある馬は目が三角形にゆがみ、口遊びをしなくなります。
皆さんも、家で犬や猫などのペットを飼ってらっしゃる方も多いと思いますが、彼らは喋ることができません。
ただ、何かいつもと様子が違う・・元気が無いような気がする・・といったことを見ることがあるかもしれません。
ぜひ乗馬する際には騎乗する馬の様子や仕草を観察してあげてみてくださいペットのように毎日見ることは出来ないと思いますが、元気かな?と様子を見てあげるだけでも、きっと馬たちもうれしいと思います
いつも頑張ってくれている馬たちにはずっと元気でいてほしいですね
次回は【馬の歩き方、走り方】についてお話したいと思います
では皆様また次回お会いしましょう
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