馬は暑さに強い?弱い?馬の熱中症・夏バテについて
暑い夏、旅行やアウトドアなど楽しみもありますが、熱中症や夏バテにならないよう、予防が大切です。
乗馬をするときにも気を付けないといけませんよね。
あれ?乗馬のパートナー、馬はどうでしょう。
暑さに強い?弱い?馬も熱中症や夏バテになることもある?馬のケアはどうするの?
この記事では、馬の熱中症・夏バテについての疑問に答えていきます。
この記事で分かること
・馬の熱中症について
・馬も夏バテする
・暑い夏にすっきりさっぱりする方法
馬は暑さにとても弱い!
馬は寒さには強いけれど、暑さに弱い動物です。
冬は冬毛になり体毛を厚くし、雪が降ればはしゃぐ馬もいます。
しかし、夏はたくさん汗をかいても、汗だけで体温を冷やすことは難しく、体温調整が難しいようです。
また、馬の汗は人間の汗とは少し違います。ここから、馬の汗についてお話します。
馬の汗と気温の関係
人間が汗をかく仕組みと馬が汗をかく仕組みには違いがあります。
人間はエクリン腺という汗腺から汗を出しますが馬はアポクリン腺という汗腺で汗を出します。
エクリン腺は体温が上がっていることに対して反応し、それを抑えるために汗を出そうとします。
このため人間は暑い日や運動したとき、また病気で熱を出しているときに汗をかきます。
一方、アポクリン腺は運動や緊張、精神的に興奮したときに反応して汗を出そうとします。
そのため、馬は運動をしていない状態だと汗をかきづらいのです。
また、運動をして汗をかいても、筋肉質な馬の体は燃焼を続け、体を冷やしきれなくなります。
そうすると体に熱がこもり、熱中症になりやすくなります。
馬が夏に弱いのは、汗のメカニズムにも影響されているのだろうと考えられます。
暑さへの強さは種類によって違う?暑さに強い馬もいるの?
人間にも暑さに強い人、弱い人がいるように馬にもそのようなタイプがあるのでしょうか?
また、暑さへの強さは種類によって違うのでしょうか。
馬はその種類の原産地の気候によって、暑さに強いか弱いか多少の差があるようです。
しかしそれよりも、後天的な環境が影響するようです。
例えば、寒い地域で生まれた馬が違う地域に移動した場合、最初の1年は暑さに弱くても、次第に暑さに慣れてきます。
また種類ではありませんが、牡馬より牝馬の方が夏の暑さには強いようです。
競馬では「夏は牝馬を狙え」という格言があるほどです。
これは筋肉量や体脂肪、ホルモンなどが関係しているとみられています。
しかし、馬一頭一頭個性や体質は違います。
「牝馬だから強いでしょう!」という思い込みは捨て、一頭一頭の体調を観察することも大切です。
馬の熱中症について
暑くなってくると、人間は熱中症の心配をするようになりますよね。
帽子を被ったり、こまめに水分を補給したり、規則正しい生活で睡眠時間をしっかりとったりもします。
でも、いくら気を付けて予防をしていても、暑い時間帯に活動を続けていると熱中症の症状がでてくることもあります。
人間は自分で異変に気が付いて、早めに涼しいところに移動したり、水分をとることも出来ますが、馬はどうでしょう。
馬は言葉では伝えてくれません。
馬が熱中症になると、体温が上昇し、鼻を大きく膨らませて酸素を取り入れようと呼吸が荒くなったり、落ち着かなくなったり、気力が感じられなくなります。
馬は自分の体調の異変に気が付いても、人間のように落ち着いて「熱中症かも。水分をとろう」とはならず、パニックになる馬もいます。
さらに脳の温度が上昇することによって体内の調節機能が正常に作用しなくなってしまいます。
その結果、競馬や乗馬のレッスン中にその場に倒れこんで立てなくなってしまうことになるのです。
そして最悪の場合、死に至ることもあります。
そうならないためにも、馬の熱中症対策と、ちょっとした変化に気付いてあげることが重要です。
ここからは熱中症になる前の対策として、騎乗前と騎乗後の対策を紹介します。
暑い時期は、こまめに馬の様子を確認してあげることが大切です。
騎乗前の熱中症対策
騎乗前の熱中症対策として、「たてがみを梳く」「日陰で待機する」「水をかける」などがあります。
たてがみを梳くだけで熱中症対策になるのか疑問に思うかもしれません。
馬の首には太い血管があります。
その首をたてがみで覆っていると熱がこもってしまい、体温を上昇させることになります。
人間のヘアスタイルでも夏になると短くしたり纏めたくなりますよね。それと同じ原理です。
そのため、馬のたてがみも梳かなくても、おしゃれに編み込むことでも熱中症対策になります。
そしてレッスン前に日陰で待機することで、レッスン前から熱を体に溜め込むことを阻止することができます。
日向を避け、少しでも涼しい場所で待機させましょう。
もし日陰の洗い場がないときには、馬房で待機させることも視野にいれておきましょう。
そしてミストや水をかけて、体にこもっている熱を逃すことも熱中症対策としてあげられます。
しかし、水をかけるときには体の負担を考えて、心臓に遠い足から、徐々にかけてあげることも大切です。
騎乗後の熱中症対策
騎乗後の熱中症対策として、「水を与える」「鞍などを早く外してあげる」「水をかける」があります。
馬は暑い中でのレッスンでは、大量に汗をかきます。
そのため水分補給が重要です。
普段よりも多めの水を用意してあげるようにしましょう。
また、人間と同じように、汗で失われるものは水分だけではありません。
失われたものを補給するために、水と塩分を摂らせるようにしましょう。
具体的には、バケツ1杯の水に、一握りの塩を入れてあげると一度に水分も電解質も補給されます。
また、鞍などの馬装を早く外してあげることも熱中症の予防に役立ちます。
面倒に思ったり、あまり重要性を感じないかもしれませんが、外すことで風にあたる面積が増え、馬は涼しくなります。
もし、また次の時間にレッスンに出る馬など外すことが出来ない場合は、腹帯だけでも緩めてあげましょう。それだけでも違います。
そしてレッスン後に熱がこもった体をいち早く冷やすためには、水をかけることが有効です。
ここでの注意点は騎乗前の熱中症対策でも説明したように、体の負担を考えて心臓から遠い足から順にかけることです。
また、「一通りかけたら終わり」ではなく、体の内部にある熱まで下げるように、ゆっくり時間をかけて水をかけるようにします。
そして人間と同じように、早く体を冷やすためには太い血管がある部分を重点的に水をかけることがポイントです。
馬の場合は、首、前脚の付け根、股関節に太い血管があるので、覚えておきましょう。
人馬ともに騎乗後はしっかり水分を取って、クールダウンが大切です。
馬も夏バテをする?
暑い日が続くと食欲が落ちたり、疲れがとれなかったりと、夏バテの症状がでませんか。
実は、馬も夏バテするのです。では、馬の夏バテ予防はどのようにしているのでしょうか。
人間は夏バテにならないように、スタミナがつく食事や食欲が出る食事など、食事で夏バテを予防しているのと同じように、馬も餌やサプリメントで夏バテを予防することができます。
特に暑さに弱い馬や高齢の馬には内臓機能をサポートするようなサプリメントを早い時期から摂らせているクラブも多いようです。
夏バテしている時の馬の特徴
予防をしていても、夏バテになることは人間も馬もあります。
馬の夏バテの症状としては食欲の減退の他に、目の周りが黒くなることが有名です。
競馬の世界でも目の周りが黒い馬を注意して見てみると、顔がしんどそう、パドックを歩くスピードが遅いなど、不安材料が見つかります。
その他にも、暑いのに汗をかかない、運動する前から息が荒いなどの症状がある場合があります。
普段との違いに気が付けるようにこまめに確認してあげましょう。
すっきりさっぱり!暑い夏は丸洗いをしてあげよう
汗をかいたあとのシャワーは気持ちいいですよね。
汗を大量にかくこの時期、馬も丸洗いしてあげることをおすすめします。しかし、丸洗いといっても手順があります。
最初は、汗や汚れを落とします。その後にブラシを使ってこすりながら、馬全体を洗ってあげます。
このとき、鞍(くら)や頭絡(とうらく)のあとが付いている部分はもちろん、特に股の間やお尻付近や脚の付け根などは汗がたまりやすいところは丁寧に洗ってあげましょう。
終わったあとは水切りで余分な水分を落として、タオルで拭いてあげます。
大汗をかいたあと、丸洗いしてしっかり拭いてきれいにしてあげたら、きっと馬も喜んでくれるはずです。
ジョッパーズおすすめ 馬の丸洗い 関連グッズ
ここからは、ジョッパーズスタッフおすすめの馬の丸洗いグッズをご紹介します。
EQULIBERTA グルーミングバッグセット
¥9,800 税込
基本的な馬のお手入れ道具6点に、グルーミングバッグがついた便利でお買い得なセット。
初心者から上級者まで、どんな方でも使いやすいこだわりのセットです。
KERBL マジックブラシ ソフトタイプ
¥1,280 税込
馬体のブラッシング、丸洗い、ひづめブラシとしても使えるブラシ。お手入れが楽しくなるカラフルで可愛いカラーが魅力です。
大人気アイテムのため、在庫に出会えたらラッキー!在庫切れの際は再入荷お知らせをお申し込みください。
E・L・T チェルシー スパークル ブーツ
¥5,800 税込
きらきらのグリッターで気分が上がる!馬のお手入れの際にも役立つ防水PVCブーツ。
レッスンでの使用はもちろん、レインブーツとして普段使いするのもおすすめです。
まとめ
熱中症や夏バテは人間だけの問題ではありません。暑さに弱い馬にも注意が必要です。
熱中症の予防としては、たてがみを梳いたり、日陰で待機させたり、水をかけたり、騎乗後にはたっぷり水を与えるなどが挙げられます。
また、夏バテ予防には、餌やサプリメント管理、運動量を調整してあげましょう。
しかし、予防をしているから大丈夫とは言い切れません。
体が熱くなっていないか、呼吸が荒くなっていないか、こまめに確認してあげることが大切です。
また、人間も騎乗しているときは集中しているため平気でも、下馬したらフラフラしてしまうことがあります。
熱中症の問題は人馬共通問題として、どちらのケアも重要です。
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