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【常歩の目的】

2017/5/31

馬場馬術的な収縮常歩や伸長常歩などではなく、普段のレッスンスタートのときに行う常歩に目的があることはご存知ですか?

えっ?!あの常歩って目的あるの?!って思われた方いませんか??

答えは簡単!ウォーミングアップです!

まだはじめて間もない頃はあんまりよくわからずに常歩をしている方もいるかもしれないので、常歩をする目的をお話しします♪

 

ウォーミングアップと答えが分かっていたあなたは普段の常歩で何をイメージしていますか?

「元気よく歩かせる!」

「リラックスして歩かせてあげる!」

こんな感じでしょうか?どちらも正解ですね♪細かく言えばもっとあるかもしれません!

 

そしてどちらも次の運動の前にしておかなければいけないことなんですね。

これを意識せず常歩をしていた場合、このあと馬はどうなるでしょう?

・常歩が止まる

・速歩が出ない、出づらい

・速歩が続かない

というようなことになるかもしれません。

 

まずは常歩を始めたら、リラックスして歩かせてあげましょう!

このとき馬の背中の動きから馬が歩いてるのをしっかり感じましょう!

そして元気よく歩かせるのですが、そもそも元気よく歩かせるとはどういうこと?という方もいるかもしれないので簡単に説明します。

 

イメージとしては「ダラダラ歩いている人」と「シャキシャキ歩いている人」という感じでしょうか?

さてこの2人に「走ってください!」と声を掛けたとします。

どちらがすぐに走り出せそうですか?

おそらく「シャキシャキ歩いている人」ですよね!さらに言うと「ダラダラ歩いている人」は言うことも聞いてくれなさそうではありませんか?!

 

元気よく歩かせる理由は次の運動(速歩)にスムーズに移るためと、ちゃんと騎乗者の指示を聞けるように馬の意識を騎乗者に向けさせるためです。

なので、はじめはリラックスして馬を歩かせた後、「もう走る準備できてますよ!」というように元気よく歩かせましょう!

人でも運動を行うときにケガをしないようにストレッチや、パフォーマンスを上げるためにちょっとしたランニングを行いますよね?!

これをウォーミングアップと言いますが、まさにそれと一緒ですね!

このウォーミングアップをちゃんと行うには馬の四肢の運びを理解すると良いと思います♪

 

常歩の四肢の運びは下のようになります。

右後肢→右前肢→左後肢→左前肢

イメージが付かないときは、一度馬が歩き出す瞬間を凝視してみてください。

そうすると馬の「歩く」がどういったものなのか理解しやすいと思います!

 

ではこれを理解してどうするのかと言うと、脚の扶助をより効果的に行うためです。

馬の推進力は後肢が生み出しているので、後肢の踏み込みを大きくできれば、歩度が伸びシャキシャキした常歩となります!

 

では後肢の踏み込みを大きくするためにはどうすれば良いのでしょう。

両足で同時に「蹴る」ということをしていませんか?

もちろんこれがダメということはありません。

これでも馬はしっかり歩いてくれますよね?

ですが、シャキシャキした常歩は長続きしないのです。

 

「蹴る」は単発の動きになってしまいます。なので一時的な合図でキリっと歩いてくれますが、次第にダラダラと歩いてしまいます。

常歩している時、左右に少し体が傾く感じがしませんか?

右前肢を出したときは左に、左前肢を出したときは右に。

このタイミングに合わせて、脚で片側ずつ扶助をすると馬の動きに沿った合図が送れ、馬も動きやすく後肢の踏み込みが大きくなります。

 

右前肢を踏み込んだ後に左後肢が動く

「右前肢が出たときに体が左に傾くので、それと同時に左の脚でお腹を圧迫すると左後肢への合図となり踏み込みが大きくなる」

左前肢を踏み込んだ後に右後肢が動く

「左前肢が出たときに体が右に傾くので、それと同時に右の脚でお腹を圧迫すると右後肢への合図となり踏み込みが大きくなる」

これを一定のリズムの中で左、右、左、右と続けることでシャキシャキした常歩が継続できるのです!

 

速歩が出ない、続かないと悩んでいた方!

速歩になってから一生懸命になるのではなく、常歩のときの「準備」を意識的に取り組んでみてはいかがでしょうか?!

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