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乗馬の基礎調教【~馬にたずさわる人全てが調教者~16】

2017/7/3

いよいよ乗馬としての基礎調教に入ります。

これからは、今までよりしっかりとしたハミ受けをしていかなければなりません。

騎乗した時に馬がこのハミ受けを抵抗無く受け入れ、気持ち良く動く事がたやすく出来る為にも始めに調馬索を行う必要があります。


この時の馬装は、暴れる事を想定して四肢プロテクターに念のためワンコも装着しておいた方がいいでしょう。

上腹帯にサイドレーンとシャンポンを使用できるようにセットしておきます。

水勒頭絡には、使用する、しないに関わらず項革にシャンポンの金具を着けて置きましょう。

ハミは馬が口を割ってハミを左右にずらしてしまわない様に枝のあるものもしくは、リングになっているものが良いでしょう。

調馬索運動は、始めからサイドレーンを装着します。鼻面が垂直になるぐらいの長さに調整します。

調馬索ロープは内側のハミ環に外から内にロープを通し項に回して反対側のハミ環に装着します。

この状態で抵抗無くスムーズに歩くのであれば問題は無いのですが、もしハミを噛むことを嫌って頭を揚げ天井を向くようならすぐにシャンポンを装着します。

長さはサイドレーンが効いている位置より頭を揚げようとしたら効く長さでなければなりません。

この状態で追鞭で追われたら苦しいながらも前に動く事が出来ればすぐにハミを受けて馬自ら動き易い位置に安定し身体全身を使って楽に動くようになります。

もしどうしてもハミを嫌ってあらぬ方向へ逃げようとする動きをするようであれば、調馬索ロープを掛け替える必要が有ります。

・内側のハミ環の外から内に通し上腹の高い位置のリングに装着します。

この状態で苦しそうにしていたら馬の首を内側に向けるようにロープを引いて戻してしながら内方姿勢を取らせることで徐々にハミを受けさせ楽な態勢で歩く事を学ばせます。

更に強い支配力を持つ調馬索の使い方として下記の方法が有ります。

・内側のハミ環の外から内にロープを通し上腹の一番上のリングに通し反対側のハミ環に装着する。

この方法は内側だけの時より外方がしっかり押さえられるので内側だけの時より支配力は増します。

・二本のロープを使って行う運動、一本は上腹の外側高い位置のリングに通しそのまま外側のハミ環に装着、もう一本は上腹の内側高い位置のリングに通し内側のハミ環に装着します。

この二本のロープを使って外方の顎をほぐしたり、内方の顎をほぐしたりしてハミ受けと回転時の姿勢を学ばせます。


こんな面倒な手のかかることをイチイチしなくてもすぐに乗れるわ、とおっしゃる方も多いでしょう。

確かに乗って強引にしたら何でもわりとスムーズにしてくれます。


また、強引にする必要がある時や事も有ります。

しかし新たな事の調教においては遠回りでも馬に先行体験をさせてできるだけ恐さや緊張感を与えないように進め学ばせてやれるように配慮する事が調教なのです。


平成29年7月
長谷川 雄二

 

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