馬体のシナリを造る為に【~馬にたずさわる人全てが調教者~17】
これからは、今までほぼ棒状態であつた馬体を前後左右シナリの有る状態に変えていかなけはればなりません。
その為に必要なのがハミ受けです。
ハミ受けと言っても馬が好き勝手な行動を許すような甘い受け止めではシナリを要求することは出来ません。
しっかりとしたハミ受けを完成させる必要が有ります。そのためには正しい騎手の姿勢が最も重要です。
・身体のバランスを保つ為の脚の位置、踵がほぼお尻のラインと一致した所にあること、
ふくらはぎが馬体に密着してその位置が安定していること。
・推進のための座りと騎座、坐骨をしっかり上から押し当てるように鞍に股がり、
膝は伸ばすように足首は折り畳むように鐙を踏み下げながら踵で馬体を圧迫すると同時に坐骨で進行方向へ絞るように使用できること。
・馬がハミに出てきた力を受け止めてそれ以上前に行かせないための壁を造るには、
胸は広く保ち肩とひじは身体の真横よりやや後に置き、ひじから馬の口まで直線になるようひじの角度が100゜程度に保ちます。
体重は元より上体の全ての力を坐骨に集め、背中を真っ直ぐに保つ程度に背筋力を使い下腹が垂直であるように上半身の姿勢をつくります。
馬が口でハミを強く引いて来たなら騎手はひじが棒状態にならないようにしっかり100゜を保つように腰とひじを一体にして構え、馬の引く力を鞍に返す事ができるように努力して下さい。
けして腕力で対応しないで下さい。あくまでも背筋、腰、ひじで受け止めて返す!
馬の引く力を鞍に返す事で馬は背を上から押さえられたこととなります。
この事で後躯は沈み馬は口を前に出すことが出来なくなるのです。
つまりは前に壁が出来たこととなるのです。
この状態でさらに推進扶助を発動すれば後肢の踏み込みが増大し、
さらには後躯の沈み込みが増加して前躯が起揚しバランスバックが出来るのです。
以上が前後のシナリを完成させるための騎乗姿勢です。
先ずはこの姿勢がしっかり取れるように努力して下さい。
諦めずに!
平成29年8月
長谷川 雄二
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