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基本の動作 ⑥【~馬にたずさわる人全てが調教者~32】

2019/3/30

前後のシナリが出来たら、そのシナリを維持したままで左右のシナリを造る必要があります。
そのシナリを造る為の動作が内方姿勢と言うものです。
全ての運動は前後のシナリを維持しながら左右のシナリがなければ良いパフォーマンスは出来ません。


正しい内方姿勢を造るには、騎手は真っ直ぐに真上から前方向への推進、外方脚は馬の後躯をしっかり押さえる事が出来るように太腿ごと踵が上がらないように引き壁を作ります。
内方脚はバランスのとれた定位置である踵が自身のお尻のラインで内方の脚を外方側へ押出します。


上半身は肩を回さないようにする為にも右肩は右座骨の上に左肩は左座骨の上にあるようにして肩に力が入らないように肩の力を座骨に集めるように意識し上体と気持ちを楽に構えます。


手綱の使用はその長さを短く持つか長く持つかで馬の収縮度合いが変わってきます。
この収縮度合とは障害馬術で言うなら低障害、中障害、大障害の違いです。


馬場馬術で言うならLクラス、Sクラス、セントジョージ賞典の要求されている運動レベルでのことです。
クラスごとにおける伸縮ではありません。
大障害や馬場馬術のグランプリクラスでは最高難度の収縮度合に於いての伸縮が必要となります。


このクラスとなると馬自体の持つ能力は元より騎乗者の技量も必要となります。
このクラスまで調教が出来ている馬は騎乗者がそこまでの収縮度合を要求することが出来なかったとしても、馬自らその度合いとテンションを持ってしなければならないことと叩き込まれているので良いパフォーマンスをしてくれますが、馬自体要求されていない事をすること事態に疑心暗鬼となります。


こんな事を繰り返しているうちに馬にとって精神的、肉体的負担となリ、やがて騎乗者の全ての動きが?マークになり正確な動きが自信を持って出来なくなってしまう事を頭に入れておいてください。


本題に戻ります…
まず両肘で馬の口を捕らえます。
騎乗者自身の推進レベルと馬の収縮レベルに合わせて受け止め、つまりは手綱の長さを適切に保持し、馬が自ら顎を譲りハミを取ってくるように仕向け馬体を真っ直ぐにして前後のシナリの状態が保たれたまま外方の肘を腰と一体にして拳に力を入れずに不動状態を保ちます。


内方の肘は 柔軟な動きが出来るように拳は手の平を上に向けるようにして肘を折るようにして馬に顎を譲らせます。


これでシナリは完成しました。
深いシナリを要求するなであればさらに肘を後ろに引きながら推進します。一般的に3m以下の円は旋回運動となりますのでご注意ください。両脚がしっかり作用していれば手綱はわずかな動きで正しい左右のシナリを造ってくれます。


要するに前後のシナリが出来たなら馬は騎手の脚の動きに対し踏み込むという反応を示している訳ですから左右の動きに対しても容易に後肢を動かす事が出来る状態にあるのです。


平成31年4月
長谷川 雄二

 

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