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歯を見れば馬の年齢が分かる?本数や伸び方など馬の歯のお話

2023/2/21

歯を見せる馬のイメージ

人間が馬を扱う際、馬の年齢はとても大切な要因です。

馬の年齢を知らないと「あとどのくらい活躍してくれるのか分からない」「適切な飼養管理が分からない」など様々な弊害が出てきます。

 

今でこそ血統書を見れば一目で馬の年齢を知ることができますが、血統書のようなものがない時代にはそうはいきません。

 

そのため血統書のない時代に馬を購入する際、馬の年齢を外見だけで判断する必要がありました。

 

では馬の年齢を外見だけでどのように判断していたのでしょうか。

 

年齢を外見から判断する方法として毛のハリや骨格の発達具合、筋肉の衰えなど様々考えられますが、当時最も有力な年齢判断方法は「歯の様子を見る」ことであったと言われています。

 

普段あまり観察することのない馬の歯ですが、馬の歯を見るとなぜ年齢が分かるのでしょう。

 

この記事では馬の歯と年齢の関係に加えて、馬の歯の簡単な知識についても紹介していきます。

 

 

馬の歯で年齢を判別するには?

馬の歯から年齢を判別する具体的な方法について紹介します。

 

結論から言うと「歯のすり減り具合」と「歯にできる溝の様子」で判別できます。

 

どちらも経験豊富な人が見てようやく判別できるほどの細かな差です。

 

 

馬の歯の構造

歯のイメージ

まずは馬の歯の構造について紹介します。

 

馬の歯は内側からセメント質、エナメル質、象牙質で構成されています。

 

馬の歯を覗くと虫歯のような黒い部分があります。

この黒い部分を黒窩(こっか)と言います。

 

黒窩は歯の嚙み合わせによって削れた部分が黒く変色することによって生じます。

 

 

噛み合わせのすり減りでおおよその年齢を判別する

馬の年齢は先ほど紹介した黒窩の削れ具合や変形具合で判別できます。

 

年を取るほど歯を噛み合わせた回数は増えていくため、年齢が高いほど黒窩のすり減り具合がひどくなっていきます。

これによって馬の年齢が判別できるのです。

 

しかし、噛み癖などから実年齢とすり減り具合が釣り合っていない馬もいます。

 

 

歯の溝でも年齢が分かる

馬の歯にできる溝で年齢を判別する方法を紹介します。

 

前歯(切歯)は上下左右に3本ずつ計12本ありますが、年を重ねると前から3本目の上の前歯の根元から溝が生まれます。

この溝ができるのが10歳前後と言われています。

 

15歳ぐらいになるとその溝は歯の真ん中ぐらいまで伸び、20歳にもなるとその溝は歯の先のほうまで伸びていきます。

 

このことから、10歳以降の馬であれば前歯の溝の長さで馬の年齢を判断できます。

機会があれば実際に覗いてみましょう。

 

 

馬の歯の本数は

近寄ってくる馬のイメージ

馬には42本の歯が生えています。

内訳は切歯が12本、犬歯が4本、狼歯が2本、臼歯が24本です。

犬歯は牡馬にのみ生える特殊な歯で、牝馬は犬歯が生えないため歯の本数は38本となっています。

 

 

乳歯から永久歯へ。馬の歯の生え変わり時期と本数

馬は人間と同様に歯が生え変わります。

 

馬は歯の脱落や生え変わりの時期はだいたい決まっているため、生後4歳半までの馬であれば歯の生え方を見ればおおよその年齢を把握できます。

 

馬の歯の生える順番や入れ替わりの時期は以下の通りです。

 

  1. 出生時:乳歯として前歯(切歯)正面側から1番目と前臼歯すべてが生える
  2. 生後6~8ヶ月:乳歯として前歯(切歯)正面側から2、3番目が生える
  3. 生後1年:永久歯として後臼歯正面側から1番目が生える
  4. 生後2年:永久歯として後臼歯正面側から2番目が生える
  5. 生後2年半:前歯(切歯)正面側から1番目が永久歯に生え変わる。前臼歯正面側から1番目が永久歯に生え変わる
  6. 生後3年:前臼歯正面側から2番目永久歯に生え変わる
  7. 生後3年〜3年半:永久歯として後臼歯正面側から3番目が生える。前歯(切歯)正面側から2番目が永久歯に生え変わる。前臼歯正面側から3番目が永久歯に生え変わる
  8. 生後4年半:前歯(切歯)正面側から3番目が永久歯に生え変わる
  9. 生後4年半~5年:犬歯(牡馬のみ)が生える

 

 

馬の歯は年間2〜4mmほど伸びる!

牧草を食べる馬のイメージ

馬の歯は年間で2〜4mmほど伸びています。

 

これは草などの繊維質なものばかり食べる生活の中でどうしても歯がすり減ってしまうため、歯の長さを維持するために獲得した機能です。

 

しかし、現代では飼養管理されている馬は柔らかく高エネルギーな濃厚飼料を与えられ、咀嚼回数や咀嚼時間が短くなっている傾向にあります。

 

すると、馬の歯はあまりすり減らず年々伸長していきます。

 

 

歯の伸び過ぎに注意

歯のすり減る量が少なくなって歯が伸びすぎてしまうと、口腔内粘膜や口内炎、咀嚼障害などの病気の原因となるほか、正常なハミ受けができなくなってしまう危険があります。

 

このようなことを防ぐためにも、牧草などの粗飼料を中心に与え、馬の歯の健康にも気を使った飼養管理が重要です。

 

 

馬が歯を見せるのはどんなとき?

馬が歯を見せるのは基本的にリラックスできる環境であるときだけです。

あまり慣れていない環境にいると口元を固く閉じてしまいます。

 

普段から馬に思いやりをもって接することで馬に信頼され、歯を見せてくれる機会も増えてきます。

 

 

まとめ

馬の歯について理解できましたでしょうか。

 

この記事の要点をまとめると以下の通りです。

 

  • ・馬の歯のすり減り具合からおおよその年齢がわかる
  • ・馬の歯の溝の様子から年齢がわかる
  • ・馬の歯の生え変わり具合で年齢がわかる
  • ・馬の歯は年間で2~4mm伸びるため伸びすぎには注意

 

この記事を参考にさらに馬への理解を深めて、楽しい乗馬ライフを過ごしましょう!

 

 

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