馬の食べ物・餌は何をあげるのが正解?馬が好きなもの、嫌いなもの、注意点
お米やパン・野菜・果物・肉・魚・甘いお菓子・辛いスパイス。
人間は好き嫌いの好みはあっても、アレルギーがない限り何でも食べられます。
また、食べることでストレス解消につながることもあります。
草食動物の馬が食べるものは何?本当に草しか食べないの?
馬の食べ物、好きなもの、嫌いないものは何?あげ方に注意点はある?
この記事では、そんなたくさんの疑問に応えていきます。
この記事で分かること
・餌のあげ方・注意すべきことと
・ご褒美にあげたい!馬のおやつ
馬は何を食べるの?
馬の食べ物といってイメージするのは「草」ではないでしょうか。
しかし草食動物でも、競走馬や乗馬クラブの馬たちは草だけ食べているわけではありません。
これらの馬は運動量が多く、牧草や乾草だけでは充分な栄養がとれないのです。
馬が必要な栄養素をバランスよくとるためには、馬を飼育する人間が馬に必要な栄養素を理解し、馬の食事を管理しなければいけません。
具体的に馬に必要な栄養素を説明すると「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」「ミネラル」です。
タンパク質は筋肉など体を作るのに必要な栄養として知られています。
馬はタンパク質を主に草から摂取していますが、マメ科の植物アルファルファもタンパク質が豊富なため、餌として選ばれます。
他にも大豆やおからを混ぜて与えることもあります。
炭水化物は動くためのエネルギーになるため、必要な栄養素です。
人間はお米や小麦粉などを主食として食べていますよね。
馬はトウモロコシなどを食べているようです。
でも消化が悪いため、食べ過ぎに注意が必要です。
脂肪も分解後にエネルギーになりますが、馬は人間に比べると摂取する脂肪の量は少ないです。
具体的にはマメ科の植物に含まれているため、マメ科の植物を与えています。
そしてミネラルは身体の組織形成や骨を丈夫にするため、また夏バテ防止に必要です。
人間の食事では、塩や海藻をイメージすると思いますが、馬の場合は塩の他にアルファルファや土から摂取します。
そのため、餌に塩を混ぜたり、餌箱に固形の塩を入れてミネラルを補給します。
人間の大人が子供の食事を工夫するように、馬の食事も工夫されているようですね。
馬が好きな食べ物
ここまでの説明で、馬の大好物「人参は?」と思った方もいるのではないでしょうか。
人参は補助的なもので、食事というよりご褒美として食べることが多いようです。
他にも人参の使い方として、食事が好きになるように食事に混ぜてあげることがあるようです。
その他の馬が好きな食べ物はなんでしょう?
一般的にリンゴ・バナナ・大根・角砂糖やはちみつが好きなようです。
どうやら甘党のようですね。
でもここに好みがあらわれ、甘いものが苦手な馬がいたり、クセがある香りのものは食べられない馬もいるようです。
馬が嫌いな食べ物
馬は人間と同じように、苦みのあるものを嫌うようです。
例えば、摂取が必要な苦い薬を餌に混ぜておくと、器用に薬だけ残したりもします。
餌のあげ方・注意すべきことは?
人間は健康管理のため、基本1日3食、バランスの良い食事を心がけます。
馬はどうでしょう。放牧されている馬を見ているとずっと草を食んでいるように見えます。
馬の餌の量、一日にあげる回数、食べさせてはいけない食べ物について説明します。
乗馬用語集:かいつけ【飼い付け】
一度にあげる量や一日に餌をあげる回数
競走馬が1日で食べる餌の量は約12~15kg、水は1日に20〜40Lといわれています。
大きな体で運動をするのには、それくらいの食事が必要なのです。これを1日に3回以上に分けて与えます。
理由は、馬の胃はそれほど大きくなく、大腸でゆっくり消化するからです。
そのため一度にたくさん与えるのではなく、全体量を数回に分けて与えるのです。
放牧されている馬がずっと草を食べているのも、長い時間をかけ、ゆっくり食べることで、消化を良くして栄養を吸収しやすくしているのです。
馬にも適度な塩分が必要!
馬はよく発汗するため、塩分の補給が必要です。
しかし、通常の餌ではナトリウムが不足するため、塩の補給が必要となります。
量にすると体重500㎏ほどの成馬であれば1日に30〜50gが必要といわれていますが、暑い夏など特に発汗する時期は、1日あたり100gの塩が必要になります。
塩分が不足すると疲労が回復しなかったり、夏バテになったり、成長に影響がでることもあるため、適切な量の塩分を与えることも大切です。
馬に食べさせてはいけないものは?
ペットを飼うと、犬や猫には「チョコレートはNG」「玉ねぎなどのネギ類はダメ!」など食べさせてはいけないものもありますよね。
こういったものを食べさせることで、犬や猫は嘔吐・下痢・発熱・痙攣発作・歩行障害などの症状が出ます。
馬はどうでしょう。馬に食べさせてはいけないものはあるのでしょうか。
実は馬にも「NG」の食べ物があります。
馬に食べさせてはいけないものの例
身近な食べ物にも馬に食べさせてはいけないものがあります。
例えば、ナスやトマトなどナス科の野菜は基本的にNG。
ナス科の野菜に含まれるアルカロイドという物質が馬や犬にとって、毒性を示します。
特にまだ青いトマトには要注意。アルカロイドが豊富に含まれています。
同じくアルカロイドの一種であるテオブロミンを含むチョコレートも与えてはいけません。
テオブロミンは動物によって代謝の速度が違い、代謝の遅い犬では深刻な中毒症を起こします。
馬の場合、テオブロミンは競走馬や競技馬の禁止薬物になっているため、注意が必要です。近くでテオブロミンを含む食べ物や飲み物を摂取しないようにしましょう。
ジャガイモは皮や芽にソラニンという毒性のある物質が含まれていますので、やはり与えてはいけません。
タマネギやニンニクには、N- プロピルディサルフィドという赤血球を破壊する物質が含まれています。
貧血を引き起こす可能性があるため、馬には与えるべきではありません。
ニンニクは少量を長期間にわたり与えても害があったとする科学的根拠がいまのところはないようですが、プロのアドバイスを得ずに与えるのは危険です。
柿、アボカド、チーズやパンも与えないでください。
また、これ以外に特に気を付けなくてはならないものにアブラナ科の野菜があります。
アブラナ科の野菜を食べさせてはいけない理由は?
馬の腸は30メートルほどありますが、お腹の中で複雑に入り組んでおり、非常に繊細な臓器です。
馬はゲップや嘔吐ができないため、消化不良やガスが発生して、腸が膨らんでしまったり、変位を起こしてしまったりして『疝痛(せんつう・腹痛のこと)』を起こしてしまいます。
アブラナ科の野菜は馬が消化する際にガスを発生させることが分かっています。
これが疝痛の原因となってしまうため、馬にあたえてはいけません。
アブラナ科の野菜には、キャベツ、小松菜、ケール、ブロッコリー、カリフラワー、ビーツ、ダイコンなどがあります。
身近な野菜が多いので、気を付けましょう。
『疝痛』について
疝痛は馬にとっては、命が脅かされることもある症状です。
腸にガスが溜まり変位をきたしたり、他の臓器に入り込んでしまったり、ねじれたり、破けてしまったりすることがあり、手術をしても亡くなってしまう馬も少なくありません。
日頃から疝痛を予防することが非常に重要です。
食べ物の他にもストレスや運動不足で疝痛を発症することがあります。
疝痛の兆候には前掻き、腹部を見る、犬のような姿勢をとる、寝たり起きたりする、異様な発汗などがあります。
兆候が認められたら、速やかに獣医師を呼びましょう。
獣医師がくるまでは、歩かせて腸の動きが回復したり、ガスが排出されるように努めます。
疝痛の処置は、早ければ早いほど助かる可能性が高まります。
ご褒美にあげたい!馬のおやつ
意外と気を使う必要がある、馬の食べるもの。
しかし、これらは乗馬クラブなど馬を管理しているところが管理しています。
そんな中、馬と仲良くなりたい、馬の喜ぶ顔がみたいという想いを抱え、馬へのご褒美おやつを考えている人もいるのではないでしょうか。
ここからはおやつに適した果物や野菜について紹介します。
一般的な話のため、馬によってはNGの場合もあります。
おやつをあげたい時には施設のスタッフに確認してからあげるようにしましょう。
おやつに適した果物や野菜
馬の一般的なおやつといえば、果物や野菜です。
特に好まれるのは甘味が感じられる人参・リンゴ・バナナ・かぼちゃですが、クセのあるセロリや酸味の強い柑橘類・パイナップルが好きな馬もいるようです。
人参はスティック状や一口大にカットして、リンゴ等は芯や種を取り除いて一口大にカットしてからあげるようにしましょう。
また、初めて与える果物や野菜の場合は、与えても問題がないか確認するために少量ずつ与えるようにしましょう。
馬におやつをあげるときの注意点
馬におやつをあげるときの注意点があります。
馬は硬い物も噛むことができますが、リンゴなど丸いものや大きな種や硬い芯などを飲み込んで喉に詰まらせてしまうことがあります。
このような事故を防ぐためにも、種や芯は取り除き、噛みやすい大きさ・形にカットしましょう。
また、果物や野菜がヘルシーなものでも食べ過ぎはよくありません。
馬が喜んでくれるからといって、あげすぎには注意が必要です。
そして噛まれないように注意することも忘れないでください。
馬の口先は柔らかく、器用に食べてくれますが、馬によっては大好きな食べ物を前に慌てて食べにくる馬もいます。
また、人間がドキドキしたり怖がっていると「早くちょうだい!」というように勢いよく食べにくる馬もいます。
スティック状の物は下の方をもったり、一口サイズのものは手のひらに乗せてあげるようにしましょう。
安全・安心の国内産クッキー。馬のおやつの決定版はこちら!
馬のおやつには果物や野菜の他に市販の馬用クッキーなどがあります。
これらは果物や野菜のようにカットする必要もなく、持ち運びも便利です。
さまざま商品がありますが、安全・安心の国内産クッキーを紹介します。
それは、「EQULIBERTA 馬のおやつ ナチュラルホーストリーツ」です。
大手ペットフードメーカーと共同開発されたもので、馬が好むサイズや硬さに調整されたクッキーです。
香料・着色料・防腐剤が無添加で、大手メーカーによる品質管理。
国内産にこだわって作られた、安全・安心の馬用クッキーです。
お試しサイズの100gから大容量の1500gまであります。
まとめ
馬の食べ物・餌について説明してきました。
馬は「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」「ミネラル」をバランスよく取る必要があります。
また馬が大好きな人参は、食事というよりご褒美のおやつとして使われているようです。
そんな馬に喜んでもらえるご褒美のおやつにも注意点があります。
馬の健康のためにも、あげる前にスタッフに確認する、食べやすい大きさにカットする、噛まれないように注意するなど気をつけましょう。
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