背が低い・低身長でも乗馬は楽しめる?乗馬の身長制限や、低身長の方が有利と言われる理由とは
スポーツには身長の高さや体の大きさが有利に働くものもあります。
しかし乗馬の場合、トップライダーも体つきが小さく細身の方が多いことから、乗り手の身長は他のスポーツに比べて影響が大きくないイメージです。
この記事では、乗馬の身長制限についてや低身長の方が有利と言われる理由について、詳しくご紹介します。
この記事で分かること
・背が低い人のメリット・デメリット
・競馬の騎手は体の小さい人が多い?
・馬の身長
乗馬に身長制限はある?
そもそも、乗馬には身長制限があるのでしょうか。
身長制限はクラブによってマチマチですが、下限を設けているところが多いでしょう。
乗馬をするには一人で馬をコントロールできなくてはならないためです。
一般に身長の制限を110〜130cm以上とするクラブが多いようです。
令和3年度の学校保健統計によれば、男女ともに5歳で平均110cm、9歳で平均130cmを超えます。
学年にすると、幼稚園の年長から小学校3年生です。
体の大きさには個人差があるので、年齢より身長で制限しているようです。
まれに、身長の上限のあるクラブもあるようです。
あまり大きな馬がいないクラブなのかもしれません。
筆者の通うクラブに話を聞いてみたところ、以前、身長が190cmは軽くあるお客さんが来場されたときには、クラブでも大きな馬を配馬したそうです。
しかし、馬のお腹よりお客さんの脚が下に出てしまい、踵で合図するのは大変そうだったと教えてくれました。
また、体重にもそのクラブ独自で上限を設定していることがあります。
80〜100kg程度に設定されているクラブが多い印象です。
クラブにいる馬の大きさによっても変わってくるでしょう。
ご予約の際にご確認ください。
身長が低くても乗馬は楽しめる?背が低い人のメリット・デメリット
結論として、低身長でも乗馬は楽しめます。
乗馬は乗り手の合図やコミュニケーションによって、馬に動いてもらうスポーツだからです。
体の大きさやパワーに頼り、馬に合図を送っても、馬が言うことを聞くとは限りません。
と言っても、低身長であることによるデメリットもあります。メリットもあわせてご紹介します。
まずはメリットから。
身長が低ければ、相対的に体重が軽くなるため、馬の負担になりません。
小さい馬から大きい馬、馬場馬術から障害馬術まで、さまざまな競技に挑戦できます。
体重の上限について説明しましたが、その逆で体重が軽ければ、制限は何もありません。
次にデメリットです。
最初のころは、乗馬と下馬が大変かもしれません。
しかし、慣れてしまえば、問題なくなってきますのでご安心ください。
鞍を馬の背に乗せたり、頭絡を付けたりするのも、最初は苦労するかもしれませんね。
踏み台を使ったりしながら、少しずつ慣れていきましょう。
また、体が大きな乗り手には従順なのに、小柄な乗り手には試すようなことをする馬もたまにいます。
乗り手がきぜんとしてリーダーシップを取れば、時間とともに解決していくはずです。
競馬の騎手になるには身長が低い方が有利?
馬に乗って稼ぐプロの代表格である競馬の騎手には、体つきの小さい人が多い印象です。
本当に身長の低い方が有利なのでしょうか。
低身長の方が有利になる理由とは
競走馬の騎手の場合、低身長であること自体が有利なのではありません。
低身長の方が体重の管理をしやすいため、有利であると考えられます。
騎手の体重制限には、競馬の負担重量が関係しています。
負担重量とは馬が競走時に背負う重さで、騎手自身の体重、特定の装具と馬具の総重量を指します。
これが負担重量に達しなければ、騎手のプロテクターに重りを付けて負担重量まで調整しなくてはなりません。
昨年までは、日本中央競馬会(JRA)で行われていた競走の最低負担重量が48kgでした。
今年から、騎手の健康面への懸念などから49kgに変更されています。
負担重量が48kgや49kgの馬に騎乗するためには、それ以下に体重を調整しなくてはなりません。
体重が調整出来なかった場合、その程度や頻度によって、騎手には過怠金が課されたり、さらに重い騎乗停止の処分がなされることもあります。
体重に細かい規定があるのは、負担重量の1kgが1馬身に匹敵すると言われているためです。
公正を期すために、負担重量が決められており、その負担重量に騎手が合わせなくてはなりません。
騎手にとって、体重のコントロールは勝負の厳しい世界で乗り鞍を減らさないためにも、必須です。
そのため、低身長が必然的に有利になってしまうのです。
騎手の平均身長・平均体重はどれくらい?
JRAの騎手の平均は身長160cm前後、体重が50kg前後と言われています。
52〜58kgの負担重量を背負って競走する馬が多いため、52kgの馬に騎乗できるように体重を調整する騎手が多いようです。
また、どうしても、この馬には絶対に乗りたい!という場合、減量をして臨む騎手もいます。
元騎手の武幸四郎調教師は身長が177cm。
騎手引退時の記録では体重が52kgでした。
日本人男性の平均身長が171cm前後、平均体重が70kg前後であることを考えると、調整が過酷だったことが想像できます。
【豆知識】馬の身長はどこから測る?
馬の身長は体高(たいこう)と呼ばれ、首の付け根の高い部分「き甲」から地面までの長さを計ります。
馬の種類によっても違いますが、サラブレッドでは平均160cmほどです。
海外では、ハンド(hh)という単位で表されることも。
親指を手のひらにくっつけた状態で、親指の付け根から反対側までの幅が1ハンドの目安です。
1ハンドは約10.4cm(4インチ)。
海外の方に体高を聞くと、今でもハンドで返答されることが多いですよ。
サラブレッドの平均は約15.4hh程度ということになりますね。
まとめ
ここまで説明してきたとおり、乗馬を楽しむのには身長の下限さえ満たしていれば問題ありませんので、ご安心ください!
しかし、体重には制限があるので気をつけましょう。
体の大きさはあまり関係ないことが、乗馬が老若男女、誰でも楽しめるスポーツである所以かもしれません。
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