馬の年齢『馬齢』の数え方。馬の◯歳は人間年齢に換算すると何歳?
馬たちの年齢を人間に換算したら何歳になるんだろうと思ったことはありませんか。
今回は、馬の年齢について深掘りをします。
6月に入ると競馬でも新馬戦が始まります。
新馬の2歳は人間の中学生、ダービー世代の3歳馬は人間の高校生に相当するんですよ!
では、乗馬たちは人間換算すると何歳くらいの馬が多いのでしょうか。一緒にみていきましょう。
この記事で分かること
・一斉に年齢を増やす理由
・馬齢を人間換算する方法
馬の年齢(馬齢)の数え方
馬の年齢の数え方は人間とも、ほかの動物とも少し違います。
馬の場合は誕生日に関係なく、1月1日に全頭が一斉に一つずつ、年をとります。
1月1日に一斉に年齢を増やす理由とは?
では、なぜ1月1日に一斉に年をとるのでしょうか。
その秘密は競馬にありました。
競馬は年齢や競走成績により、斤量(騎手が背負う負担重量)が変わってきます。
誕生日によって斤量を決めてしまうと、誕生日が1日しか変わらないのに、レースでは斤量が変わってくるという状況が発生します。
こういった状況を回避するために、1月1日で一斉に年をとるというルールにしており、これは世界共通です。
ただし、馬は長日性季節繁殖動物で、日が伸びてくるにつれホルモンの分泌が促され、発情がおこります。
そのため、季節が北半球とは逆の南半球の場合では、7月〜12月がお産シーズンです。
南半球の生産馬は国によりますが、7月、8月または9月の1日に一斉に年をとるようです。
日本で南半球産馬が出走する場合は、別に斤量を設定しています。
また、サラブレッドのセリ市でも競走馬の年齢の数え方に従っています。
当歳馬セリ、1歳馬セリ、2歳馬セリとセリごとに上場できる馬の年齢が違います。
しかし、購買者側は誕生日と馬体の完成度を見ながら、その後の成長度などを予測し、競る馬を決定するのだとか。
若い馬の場合、誕生日が1ヵ月違うだけで、馬の体の完成度はかなり変わってくるため、購買者側の経験に基づいた相馬眼が必要になります。
現在、新馬戦は2歳馬、ダービーは3歳馬がそれぞれ出走していますが、2000年までは新馬戦が3歳馬、ダービーは4歳馬によって競われていました。
実は、今とは年齢の数え方が違ったのです。
日本ではかつて馬齢を数え年とし、産まれてきたらすぐに1歳とされていました。
しかし、欧米では馬齢を満年齢としていたため、日本競馬の国際化の一環として欧米の馬齢の数え方に合わせたという経緯があります。
2000年のダービー優勝馬のアグネスフライトの年齢表記は4歳ですが、2001年ダービー馬ジャングルポケットの年齢表記は3歳となっています。
馬の年齢を人間年齢に換算すると何歳くらい?
では、馬の年齢を人間に換算するにはどうしたらいいのでしょうか。
ここから詳しく見ていきましょう。
馬齢を人間の年齢に換算するときの計算方法をご紹介
馬の成長のピークは4歳であるとされており、人間が成熟する20歳相当とされています。
人間も馬も未成熟期の成長は著しいもの。
その成長度合いに合わせて人間換算をすると、当歳馬は2歳、1歳は6歳、2歳は13歳、3歳は17歳くらいとされています。
ただし、馬の年齢を人間換算する際の計算式にはさまざまなものがあり、少しずつ違うようです。
馬を扱う現場にいる方にはざっくりと馬齢×4=人間の年齢として計算する方もいます。
馬の寿命は平均25歳程度とされており、人間換算すると73歳前後です。
世界で一番長寿な馬はイギリスのオールドビリーの62歳!しかも59歳までは仕事をこなしていたそうです。
日本国内の長寿記録は40歳まで生きたサラブレッドのシャルロット(競走馬名:アローハマキヨ)が持っています。
ディープインパクトのお母さん、ウインドインハーヘアは子供を受胎した状態でドイツのG1レース(一番格式の高いレース)を勝った肝っ玉母さんです。
御年33歳!今も北海道のノーザンホースパークで元気に暮らしています。
馬の年齢早見表
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2歳 | 12歳 | ||
3歳 | 16歳 | ||
4歳 | 20歳 | ||
5歳 | 24歳 | ||
6歳 | 28歳 | ||
7歳 | 32歳 | ||
8歳 | 36歳 | ||
9歳 | 40歳 | ||
10歳 | 44歳 | ||
11歳 | 48歳 | ||
12歳 | 52歳 |
馬齢と人間に換算した年齢の一覧表を作成してみました。
成長や成熟には個体差もありますので、目安としてご覧ください。
競走馬は4歳で古馬=成馬とされます。10歳になれば馬も中年期とされますが、精神的にも成熟してきて、このころが乗馬や競技馬としては、脂ののってきた時期と言えます。
実際にオリンピックなどクラスの高い競技大会では出場する馬齢は障害飛越が9歳以上、馬場馬術が8歳以上という規定があります。
また、初心者が練習する馬は比較的年齢が高いことが多いのは、年齢を重ねると馬も精神的に安定して経験豊かになるためです。
20歳を超えると高齢期、30歳以上は人間で言うところの後期高齢期となります。
20歳前後には乗馬を引退して、第三の馬生を歩む馬が多いでしょう。
まとめ
今回は馬の年齢について、ご紹介しました。
乗馬クラブには10歳〜19歳くらいの馬が多いのではないでしょうか。
人間を乗せるためには、馬自身の精神面の成熟や経験も影響してくるんですね。
若い馬には若い馬のよさがあるのと同じように、お年寄りの馬にも魅力がたくさんあります。
環境が変わることも多い乗馬。
環境に適応し、経験を積みながら、日々、人間を楽しませてくれる馬たちに感謝したいです。
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