馬術(6)【~馬にたずさわる人全てが調教者~107】
前回の前方推進と後方推進を明確に使い分け出来るようになったら拳の位置を変えたり、手を引っ張ったり、離したり、腕力を使うことなく、さらに上半身を大きく動かしバランスを崩したりすることなく前方、後方の推進動作により馬体の伸縮が出来るようになります。
つまり、速く動かしたり、ゆっくり動かしたりが、腕の力を使わずに出来るようになるのです。
これは、馬に乗るあらゆるシーンでとても重要でもあり、必要な扶助となります。
馬に余計な苦痛や負荷を与える事なく、騎手も余分な力を使う事なく確実なコミュニケーションの有る状態で難易度の高い最高レベルのパフォーマンスもする事が出来る可能性が出て来ます。
さらに、あらゆる人馬の事故や怪我等のリスクを最小限にする事が出来ます。
これは、乗馬から馬術にレベルアップする為の第一歩と言えます。
騎手は前後の推進を確実に完成するまで、中途半端な状態で妥協したり諦める事なく正確に馬に伝わるまで、正確に馬が動作してくれるまで、あくまでも上半身を振ったり力を入れる事なく、しっかり安定した構え、下半身坐骨の密着と角度、柔軟な股関節、膝、足首、密着したふくらはぎ、軽く馬体に着けた踵、それら全てをどの位置で、どのタイミングで、どのくらいの力加減で。
何回でも何年掛かっても自分のものにしていって下さい。
令和7年8月
長谷川 雄二
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