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鞍付けから騎乗まで【~馬にたずさわる人全てが調教者~9】

2016/12/1

前回まででサイドレーンを付けて調馬索ができる様になったら、いよいよ鞍付け。
鞍も上腹を着ける時と同じようにまずは洗い場で乗せてみて下さい。

 

この時、馬の表情が鞍を気にしているようなら調馬索運動を行ってからリンク内で鞍を装着します。
気にして無いようでしたら、腹帯を軽くずれない程度に締めてリンクに入ります。

 

どちらも腹帯をしっかり締めて調馬索運動を開始します。
この時、水勒頭絡の手綱は端を鞍のホルダーにくくって下さい。

 

万が一放馬した時に馬が怪我をしないためにも、鐙は初めぶらぶらしないように鐙革でしっかりくくっておきますが、
少し運動したら鐙を下げてぶらぶら状態にして鐙が馬体に当たるようにして調馬索をします。

 

初めはびっくりする馬もいますがすぐに慣れ、気にしなくなります。
これは人間が騎乗した時の脚の馴致を兼ねて行っています。
充分運動をしたら馬を止め、軽く鞍にぶら下がるようにして馬に飛び乗る動作をして人の動きに慣れさせます。

 

初めは静かに徐々にしっかり動作して下さい。
次に助手の助けを借りて膝を上げてもらい、馬に負担をかけないように静かに自分のお腹を馬の背、鞍の上に乗せます。
ここまではわりと驚く事もなくスムーズにこなせることでしょう。

 

鞍にお腹を乗せた状態で手の届く範囲を何度も優しく愛撫します。
馬の様子を見て静かに鞍に股がり、すぐに鐙を履いて何時ロデオをされてもいいように準備してください。
おそらくこの状態でいきなりロデオを始める事はないと思われますが。

 

次に助手の人にゆっくりと曳き馬をしてもらいます。
この2,3歩歩いたところでロデオが始まるのが常です。
ときには股がって、速歩したらすぐに始める馬もいますので油断は禁物です。

 

騎手は落ちないように軽くホルダーを握って前傾姿勢でバランスを保って下さい。
2,3周もしたら落ち着きます。
これを2,3日繰り返したら馬も怖さが無くなり人馬共にリラックスすることができる様になります。

 

これで鞍付け作業は完了です。

 

とにかく常に馬の表情を観察して馬が怖がっていたら立ち止まり優しく声を掛けてやる、

愛撫してやることを多くして慣らしてください。

 

平成28年12月
長谷川 雄二

 

 

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