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基礎調教(3種の歩法、体力、持久力)【~馬にたずさわる人全てが調教者~12】

2017/3/2

フラフラしながらでも推進したら前に動き、
やっとハミをくわえる程度だとしてもそれは今の段階ではとても良い状態ですので
●体力の向上
●持久力の強化
を目的に、できるだけ毎日どんどん速歩を行ってください。

 

前回までに行った推進とハミ受けをしっかりイメージして、始めは10分も速歩をしたらふうふう言って動けなくなっていたのが

1週間程度毎にみるみる体力の向上を実感する事が出来るようになります。

 

しっかりと安定した速歩が真っ直ぐに出来るようでしたら、駈歩も広く大きな図形でどんどん行ってください。
始めはどんな扶助でも速歩や駈歩を要求して、速歩、駈歩さえ出ればOKですが、

徐々に正しい扶助を明確に意識して発進するように心掛けて行きます。

 

常歩は、両座骨を左右均等に負重して真っ直ぐ前にブランコを漕ぐように構え、
鐙を踏み下げながら馬体に着けているふくらはぎと踵の左右の脚を交互に使用します。
ゆったりと大きな常歩をさせるイメージで。

 

速歩も常歩と同じように両座骨を均等に真っ直ぐ前に漕ぐようにしながら

両ふくらはぎと踵を同時に踏み下げながら馬体を圧迫して発進します。
駈歩の発進は、乗り手がバランスを崩さない様に注意して速歩をしながら両膝と両足首を曲げて鐙を踏み下げ、

外方の脚をやや後方へ引き外方後肢を踏込ませるようにイメージして両脚を踏み下げながら外方の踵を強く使います。

 

外方の肘で馬の外方の口を捉えたまま、内方の開き手綱を使った状態で座骨と身体全身を使って

馬を前に絞り出すように両ふくらはぎと踵を強く使って発進して下さい。
出ないようでしたら副扶助として鞭を外方の肩に軽く使用します。
速歩が早くなってもそのまま絞り出しと開き手綱、同時に鞭を何回か続けて発進扶助の動作を繰り返し行ってください。

 

なかなか出ないからとイライラして鞭を振り回したり、大声で怒鳴るなど馬を叱る様な行動や膝を上げて踵でゴリゴリしたり、

馬体から脚を離して強く蹴るような発進は出来るだけしないでください。

どうしても強い脚を使用しなければならない状況も多々有りますが、あくまでも一時的な使いで、

何回か繰り返す内に徐々に軽く、小さな扶助にしていかなければなりません。

 

軽い合図でもうまく発進することができたらすぐにしっかり愛撫して誉めてあげましょう。これが扶助を覚えた瞬間です。
誉める事で調教が一段づつ階段を登って行くのです。

 

平成29年3月
長谷川 雄二

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