馬用プロテクターってどんなもの?役割や使い方、付ける位置を徹底解説!
乗馬クラブで馬が靴下のようなものを装着しているのを見たことはありませんか。
あれが馬用プロテクターです。
馬用プロテクターは愛馬の肢を守ってくれる大切なアイテムです。
この記事では、馬用プロテクターの種類から装着方法、選び方まで詳しくご紹介します。
この記事で分かること
・馬用プロテクターの種類
・馬用プロテクターの選び方
・装着方法と注意点
馬用のプロテクターとは?
馬用プロテクターは、馬の原動力である四肢を守るものです。
蹄鉄をはいている肢が他の肢にぶつかったり、肢どうしが擦れてしまったり、障害飛越の障害物にぶつかったりすると、四肢にケガをすることがあります。
馬の四肢のつくりは繊細なので、きっかけが小さな外傷であっても、思わぬ症状や病気を引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、愛馬の肢を守るプロテクターの役割は重要です。
プロテクターには、長い包帯状のものからプラスチック状のものまで様々なタイプがあり、競技や馬の個性などに応じて適切なものを選びます。
関連記事:乗馬用プロテクターの選び方
馬用プロテクターの種類
ここからは、馬用プロテクターの種類や各タイプの特徴を説明します。
しっかりとチェックして適切なプロテクターを選びましょう。
ハードタイプ
練習時や障害飛越の運動時に装着するプロテクターです。
内側はクッション性の高い素材、外側は丈夫な素材を使用しており、運動を妨げないようにしつつ、外傷を防ぐことができます。
障害の前肢用プロテクターは前面が完全にはふさがりません。
障害を飛ぶときも邪魔になりにくく、馬がバーとの接触を認識しやすいという利点があります。
後肢用プロテクターは運動しやすいように短いつくりになっています。
ソフトタイプ
前肢用、後肢用ともに長さのある馬用プロテクターで、馬場馬術の競技馬に使用します。
肢を交差させるときに起きやすい擦れを予防できます。
前肢用、後肢用と別々に販売されているものもあれば、前肢と後肢のどちらにも使えるデザインもあるため、購入時に確認しましょう。
ソフトボアタイプ
ソフトタイプの内側にボアがついたタイプです。
運動を妨げない柔軟性に加えて、ボアのクッション性により、装着時の四肢に対する負担が軽くなります。
馬に優しいプロテクターです。
肢巻・ワンコ
肢巻は運動時や厩舎での休養時に使用するプロテクターの一種です。
運動時に使う場合は、外傷を防ぐ以外に、じん帯や腱のケガを予防するサポーターの役割もあります。
ハードタイプやソフトタイプの装着を嫌がる馬に使うことも。
厩舎では外傷予防以外にも、血行の促進やむくみの予防に肢巻を使用します。
四肢に負担がかからないように、柔らかい素材でできたパッドを肢巻の内側に巻くこともあります。
ワンコは、後肢が前肢の蹄を踏みかけて、ケガするのを防ぐプロテクターです。
ゴム製をはじめ、クッション性や耐久性に優れたネオプレン素材を使用したもの、ボアを使用した装着時の負担が軽いものなど、様々なデザインがあります。
馬用プロテクターの選び方
運動の種類に応じて、プロテクターのタイプが決まります。
練習用や障害用には、ハードタイプを選びます。
馬場馬術用には、ソフトタイプやソフトボアタイプがいいでしょう。
また、乗り手が装着に慣れていれば、肢巻という選択肢もあります。
その中でも、どのようなプロテクターを選べばいいのか、ポイントをご紹介します。
サイズ
愛馬に合ったサイズのプロテクターを準備しましょう。
大きすぎると、関節の動きを妨げるだけではなく、擦れて傷を作ってしまいます。
逆に小さすぎると、管や球節を十分にカバーすることができません。
メンテナンスのしやすさ
屋外馬場で騎乗したあとの泥はねなどのガンコな汚れも、簡単に落とせるものや洗濯できるものがいいですね。
コーディネート
せっかく購入するのなら、愛馬に映える色やデザインを選ぶのはいかがでしょうか。
乗り手のスタイルとコーディネートを楽しむのもおすすめです。
ゼッケンやイヤーネットなど、ほかの馬具とのトータルコーディネートを楽しみたい方向けにセットも販売されています。
プロテクターの選び方に迷ったら、乗馬用品店や乗馬クラブのスタッフに聞いてみましょう。
馬用プロテクターの装着方法
馬用プロテクターでは、球節や管を守ることができます。
特に球節はケガをしやすい部位なので、全体がカバーされるように装着する必要があります。
蹄の上に「つなぎ」と呼ばれる足首のように見える部分があります。
その「つなぎ」の上にある丸い関節が球節です。
プロテクターの広くなっている部分が球節の真ん中あたりにくるように、装着しましょう。
プロテクターの左右も確認してください。
正しく装着したときに、ベルクロなどの装着面が外側を向くデザインが多いようです。
プロテクターを装着するときの注意点
プロテクターを正しく装着しないと、ケガの原因になります。
まず、プロテクターの装着位置を確認しましょう。
プロテクターの先端が、つなぎや蹄にかかっている場合は装着位置が低すぎます。
反対に装着位置が高いと、球節全体がプロテクターでカバーされません。
装着位置を下げて、球節が隠れることを確認してください。
巻き方にも要注意です。
ゆるすぎると騎乗中にずれてしまい、擦り傷を作ってしまいます。
逆に、きつすぎると血行が滞ってしまいます。
馬の肢とプロテクターの間に指1本が入る程度を目安にしましょう。
肢巻は特に装着が難しいプロテクターです。
最初のうちは、乗馬クラブのスタッフと一緒に装着をして、徐々に慣れていきましょう。
また、破れやほつれのあるプロテクターは、球節や管を十分にカバーできずにケガの原因となる可能性があります。
使用はNGです。
まとめ
ここまで馬用プロテクターの種類や装着方法について説明してきました。
プロテクターには本記事で紹介したもの以外にも様々な種類や用途のものがあります。
運動の種類や目的、馬の個性に合わせて、適切なものを装着して人馬ともに安全な乗馬を楽しみましょう。
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