乗馬・馬術で絶対に必要な「ハミ受け」について学ぼう
乗馬が上達してくると「ハミ受け」という言葉を使って指導されます。
また、「ゆずる」という言葉も関連してでてきます。
ハミ受けを習う以前もそれなりに乗馬を楽しんできたのに、なぜハミ受けが大切なのでしょうか。
「ゆずる」というのは何をゆずるのでしょう。
乗馬のスキル向上には欠かせない「ハミ受け」についてお話しをします。
この記事で分かること
・「ハミ受け」ってなんのこと?どんな状態?
・ハミ受けの手順
【基礎知識】ハミとは?
ハミは棒状の金属製の馬具で、頭絡を構成しています。
そのため頭絡を装着するタイミングで馬の口に噛ませます。
イメージしやすいように、一般的に使われる「水勒銜」を例にその仕組みを説明します。
噛ませたハミの両端には銜輪という輪っかがあります。
銜輪はハミと繋がっているだけでなく、手綱とつながっているため、騎手の拳からの扶助が手綱と銜輪を介してハミに伝わり、馬はその扶助を受け取ることになります。
つまりハミは、騎手の拳からの扶助を受け取る馬具ということになります。
「ハミ受け」ってなんのこと?どんな状態?
乗馬レッスンを受けていると「ハミ受けを意識して!」と指導されることがあるかと思います。
では、「ハミ受け」とはどういうことでしょう。
きっと、ハミに関係するだろうと予想がつくと思いますが、実はハミだけでなく「脚」も重要になります。
一体どのようなものなのかについて説明します。
ハミ受けとは、馬と人の信頼関係が出来ていて、人馬一体となって乗馬に取り組めている証拠の一つになります。
具体的には、馬が集中していて手綱からの指示を受け入れられる状態になっていることです。
競馬でも、馬が集中してレースができていないとき「ハミが取れていない」、一方で集中しているときの証拠として「ハミを取る」と表現することがあります。
つまりハミを取るという言葉の意味は、馬が集中して前進気勢がある状態といえます。
ここでわかりやすく例を挙げます。
例えば停止や方向転換の指示を出しても手綱が緩いと馬には伝わりません。
また指示を出しても首をブンブン振っていることもありますよね。
この状況では馬は指示に従おうとは思っていませんし、ハミを取る様子はありません。
特にまだ練習量も少ない初心者の方の指示は馬には伝わりにくく、馬からしたら何をしていいのか分からず無反応な態度を取ることもあります。
このような場合、ハミ受けができているとはいえません。
ハミ受けの重要性
乗馬は人と馬が一緒に楽しむスポーツですが、コントロールするのは人間です。
ところが、馬が騎乗している人間の指示に従わなかった場合、どうなるでしょう。
恐怖を感じたり、落馬をして怪我をしてしまうことがあります。
乗馬を安全に楽しむためには一体感を得るためにもハミ受けは重要です。
また乗馬のスキルを上げるためには、ハミ受けは避けては通れません。
具体的には、ハミ受けができていないと、収縮運動が出来ません。
そのため乗馬検定馬場2級の合格は難しくなり、馬場馬術競技会でも良い成績を残すことは困難になります。
ハミ受けの手順
ここからは具体的なハミ受けの手順を説明します。
まず内腿を軽く馬体に軽くつけ、馬がテンポよく・リズムよく、意欲的に運動できるようにします。
手綱を緩め過ぎず、また強く引きすぎず、馬の口とコンタクトをとります。
その時、姿勢を意識しましょう。
肩を開き、下腹を垂直に降ろします。
手綱が棒のようにまっすぐになるように、肘は100°になるように曲げます。
「ハミ受け、マスターするぞ!」と気負わず、柔らかいシートを心がけましょう。
そして肘を動かすときは、馬の口からの直線上で動かすようにします。
馬が少しでもゆずったら、そのゆずりを受け取ったという意味も込めて、人間もゆずります。
このようにして人間と馬がコミュニケーションをとっていきます。
ハミ受けが上手くいっていると、図形運動をするときに馬が自分からハミを受け取りに行ってくれる感覚があるかと思います。
また、馬が脚を使っても反応をしない場合は、鞭を使うこともあると思います。
このとき、鞭に集中して鞭を持つ方の手綱をうっかり引っ張ってしまうこともあるので、注意が必要です。
ハミ受けがうまくいくコツとポイント
まずハミ受けに必要なのは、馬が前に進もうとする動きと馬に乗る人間が馬とコンタクトをとるために手綱を張る力です。
では、具体的にどのようにするのか。
それにはポイントが三つあります。
一つ目は手綱を少し引っ張って、ハミを馬の口角にあてること。
二つ目は馬がハミを前に引っ張ることです。
つまり手綱は少し引っ張った状態で、前に進もうとする気持ちを高めることがポイントになります。
そのために脚による扶助が必要になります。
しかし、脚でなかなか扶助が伝わらない場合、鞭を使うこともあります。
三つ目は馬の前進気勢を邪魔しないためにも姿勢に気を付けることです。
具体的には肩を開き、肘を締め、手綱を一本の棒のようにまっすぐにするようにします。
ハミ受けの際にはこれら三つのポイントを心がけるようにしてみましょう。
まとめ
ハミ受けが出来ていなくても、乗馬を楽しむこと、外乗を体験することはできます。
しかし、乗馬のスキル上達のためには「ハミ受け」は避けては通れません。
伸縮運動を行うためには、「ハミ受け」が必須になってきます。
そのため乗馬検定馬場馬術2級取得や競技大会で良い成績を残すために「ハミ受けは」必須です。
ハミ受けは難しいと感じる人もいますが、出来るようになると馬との一体感が感じられます。
是非ポイントを押さえて、マスターしてみてくださいね。
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