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基本の動作 ⑨ 左右のシナリ編【~馬にたずさわる人全てが調教者~35】

2019/7/2

左右のシナリは左右の内方姿勢によって造ることが出来ます。
内方姿勢はあらゆる運動の場面で必ず必要となるものですので、確実に動作出来るようにしっかり身に付けて下さい。


まず馬の背骨をイメージしてみましょう。
背骨は頭に近い方が最も太く尾骨に向かって行くにしたがって徐々に細くなっていきます。
長鞭に例えると握り手の太い方が頭に近い方となります。

この鞭を最も楽に力を使うことなくしならせる為には、鞭の細い方をしならせる事です。細い方のしなりは全体に波及します。
つまり、馬体の後躯をしならせる事で馬体全体がしなった状態となり内方の手綱をわずかに操作するだけで簡単には内方側へ首を向ける事が出来るのです。


では、そうなる様にするためには具体的に何をすれば良いのでしょうか。
まず細い方をしならせる為の動作として外方の脚がしっかり鐙を踏み下げ、足首を曲げたままの状態で、ももごと膝を引きます。
引く位置の目安としては踵が自分のお尻の縦ラインより後に来るように引きます。
この形のままこの位置で脚を安定させ、馬の外方後肢が外側へ脹れないようにしっかりホールドします。内方脚は内方の後肢がしっかり踏み込むように踵がお尻の縦ラインより前の位置で強く馬体を押します。
この動作により後肢がお腹の下方向へ深く踏みこみ後躯のシナリが完成します。
このシナリは馬体全体に波及し頭自体も内方側へ自然にシナル為、肘や拳は僅かな軽い動きだけで簡単に綺麗な馬体全体が弧を描いた姿勢となるのです。


次は騎手の上体です。
騎手は下腹を垂直にして座骨をしっかり鞍に押し付けるように位置しブランコを前に漕ぐように両ふくらはぎと両座骨でしっかりと前方推進をします。
この時自身の腰骨の横ラインは馬の腰骨の横ラインと一致させていなければなりません。
また、自身の肩の横ラインも馬の肩の横ラインと一致していなければなりません。外方手綱は直線で歩いていた時と同じ強さのコンタクトを保ちます。
内方拳は手の平を上方向へ向けながら肘を折って馬の顎を譲らせるようにしながら自然に内方側に向いた頭に手綱がたるまないよう肘を後へ引き外方側より軽いコンタクトで保ちます。


これでシナリが完成しました!
この姿勢を途中で崩すことなく保ち真っ直ぐに推進する事でこのシナリの深さに応じ美しい真円の巻き乗りを描くことが出来るのです。
自身の内方姿勢が正しく出来ているかは、この真円の巻き乗りができているかです。

ぜひ、試して出来るかを確認してみて下さい。

 

 

令和元年7月
長谷川 雄二

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