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馬術入門(2)【~馬にたずさわる人全てが調教者~60】

馬術の指導者となると前後のシナリのある馬、つまり背を使って柔軟に動く馬を調教して指導にあたれる事が出来るのが理想です。

 

少なくともサイドレーンを効かせた状態で馬が苦しくなくスムーズにリズム良く動ける馬が必要です。

つまりこのような状態の馬は前後のシナリがあるので騎乗者はバネの上に乗っているのと同じ事となるのです。

ただ上下に揺れる丸太に股がっているのとは受ける反動はまったく違います。

このような馬で調馬索を指導者に掛けてもらい馬のリズムとバネを感じることで騎乗者は反動を受け入れやすくなり、余計な力が抜け坐骨をしっかり鞍に押し当てる事が出来るように成りやすい条件が整う事となるのです。

 

初めは軽乗鞍であれば肘を折った状態で取っ手を両手でしっかり握ります。

総合鞍であればサドルホルダーの鞍に近い部分を同じく肘を折った状態で両手でしっかり握ります。

上半身は下腹を垂直にして健康骨を閉じるようにして胸を開き真っ直ぐに姿勢を取ります。

握った手を引き付けるようにしながらお尻を強く鞍に押し当てお尻が鞍と密着するようになるまで練習を繰り返します。

 

この時同時に下半身の構えを訓練していかなければなりません。

先ず地面に真っ直ぐに立っている状態から爪先を前に向けたまま足の位置を肩幅より少し広めに開いて膝がくの字になるように上体を真っ直ぐ真下へ沈めて行くように膝を折曲げて行きます。

この時真っ直ぐ真下へ沈めていないと自身のバランスが崩れてしまいます。

必ずバランスを確実に保ちながら行って下さい。

この姿勢のまま馬にまたがります。

 

騎乗した状態で次の事を確認して下さい。

・背中から項まで垂直で真っ直ぐか!

・肩は力が抜け身体の真横に腕が下がっているか!

・肘が折れているか、肘で手綱を受け止めているか!

・上体は真っ直ぐでおへそが先頭に出ているか。

・坐骨は鞍に密着しているか。

・膝は数センチの範囲でも下へ、後ろへ動かせるか!

・足首は折曲がった状態のまま鐙を踏んでいられるか!鐙がない状態で騎乗していても足首を折曲げていられるか!

・ふくらはぎは馬体に着いた状態を保てているか!

 

以上の姿勢がしっかり出来るようになったかを確認しながら毎日の練習を行って下さい。

 

令和3年9月

  長谷川 雄二

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