馬術入門(8)【~馬にたずさわる人全てが調教者~66】
前回の前後のシナリ、左右のシナリを人馬共に完成するために。
・直径20m程度の輪乗りをします。
・先ずは、常歩で正確で綺麗な円になるように足跡を付けます。
・次に時計の12時と6時を結ぶように縦の中央線、3時と9時を結び横の中央線として縦、橫、共真っ直ぐ十字を切ったように足跡を付けます。
・次に20mの輪乗りを回りながら12時と3時の間で外周と十字のラインの中で収まるように約10m(正確には9m程度の大きさになります。)の巻乗りをします。外周の輪乗りに戻ったら次の3時から6時の間で再び10mの巻乗り、これを繰り返して、6時から9時、9時から12時と4回の巻乗りを1クールとして両手前で行います。
※常歩でしっかり図形が描けたら、速歩で常歩と同じ手順で図形を描きます。
その後はこの足跡をたどりながら不規則で構いませんので難易度を徐々に上げながら手前変換の移行を繰り返しながら、時々直線と円の中央での停止、停止からの後退、後退からの発進を入れたり、元の外周の円に戻ったりと最後はランダムな動きにも馬が柔軟に滑らかな動きが完成できるように正確でスムーズに、馬との呼吸、タイミングを合わせてあくまでもメインである脚を主に使用して、ソフトで軽く小さな動きの拳による内方姿勢の切り替えによってシナリの変化ができるように最新の注意をはらって運動します。
あくまでも馬体のシナリの切り替えをする意識が重要です。
上体は動かさずに、拳、腕も数センチのわずかな動きだけです。
次に駈歩ですが馬場馬術で言うLクラスの馬または、若い5歳程度の馬であれば20mの外周での移行を何度も行い減却と発進をゆっくりと正確に後躯で踏ん張った、溜めの有る状態での発進を心掛けて、外周の十字を描いたポイントで速歩から、常歩から、停止から、後退からの1歩目から駈歩の動きになるようしっかりと全身を使って指示して下さい。
手前変換は常歩か、速歩に移行した後に縦、橫どちらかの中央線を使って真直性を意識しながら切り替えます。
この時もランダムに中央(X)で停止を入れたり、停止からの後退を入れたり、ある程度馬にシナリが出来、駈歩でも10m以下の小さな回転が出来るようであれば、この中央線上の中央で駈歩発進を入れたりと変化の有る動きをしながら良い運動を目指して下さい。
令和4年3月
長谷川 雄二
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