馬術入門(11)【~馬にたずさわる人全てが調教者~69】
馬術入門8から20mの輪乗りを利用しての練習により人馬共更なるレベルアップをするための運動を詳解します。
4ヶ所に置いた目印の内側を同じ様に回りながら、その目印であるポイントを区切りに肩内を行います。
まず騎手は輪乗りの輪線に合わせてわずかな内方姿勢を取り両ハミに均等に掛かるように真っ直ぐに歩かせます。
その為には、左右均等のバランスを保って両膝で鐙を踏み下げながら脹ら脛を馬体に密着させたまま坐骨を強く鞍に押し当てながら馬の口に向かって真っ直ぐにブランコを前に漕ぐ構を取ります。
次に、内方の踵を強く使い内方側の後肢を外方側へ踏み込ませます。
その結果馬体が30度程になった所で外方の肘を腰で止め、拳で手の平を上に向けるように動作することで、外方に壁を作りながら進行方向を示す事が出来ます。
歩く角度を深くするのは、内方脚の位置で調整します。
脚を引きながら踵を使えば、引けば引くだけ深くなります。
最も深い状態が真横の移動です。
その時の内方脚は、外方脚と同じ位置に有る時です。
これは苦しい動作であり肢をぶつけてしまい怪我を負わせてしまう可能性が高まってしまうので5歩以内にしましょう。
肩内の姿勢は、脚の指示でそうなるのであって絶対に腕や拳を振り回して姿勢を作ろうとしないで下さい。
拳を使う重要な動作は、わずかな動作で内方姿勢を保つ為の内方側の顎の譲りを保つ事です。
初めはポイントに合わせて真っ直ぐに戻したり、肩内にしたりを行いながら、スムーズに姿勢が取れるようであれば、肩内の姿勢のまま輪乗りを縮めて行く運動をします。
後肢の外方側への踏み込みを徐々に大きくさせながら早くとも3周程してほぼ真横への動きになった状態で前肢旋回の運動に入ります。
外方脚を踏み下げながら、内方脚をほぼ外方脚と同じ位置にして踵を強く使います。
拳の位置は変えずにソフトに保持したまま肘は腰と一体となって同調して馬が前に出ようとする事を止めていなければなりません。
実際にやってみると結構難しい運動ですが、馬がスムーズな動きで無理なくこなしている様になるまで何回も少しずつ毎日の運動に取り入れてみて下さい。
令和4年6月
長谷川 雄二
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