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馬術入門(20)【~馬にたずさわる人全てが調教者~78】

長谷川雄二

2023/4/8

馬装の最後になります。

 

鞍を装着したらできれば速やかに馬銜(勒.ハミ)を着け馬繋場から引き出し数歩でも歩かせた上で腹帯を絞めて鞍を安定した状態に落ち着かせてやる必要があります。

最も悪いのが馬繋場で腹帯を強く絞めたまま長時間居させる事です。

腰の弱い馬や体力の無い衰弱した馬などはそのまま腰を抜かして倒れてしまうようなことがありますので充分注意して下さい。

 

◯ハミの装着

まず、頭絡を装着した時の状態で項革を持って向きも整えて吊るし、手綱や各部分の革に捻れや不具合が無いかを確認します。

馬繋場で両側を弾き手で繋がれている状態と仮定して説明します。

人は馬の左側肩と顔の中央あたりに前向きに立ちます。

 

・無口頭絡を付けたまま手綱を首に掛けます。

 

・無口頭絡を外し右腕に掛けます。

 

・ハミから10cm程上左右の頭絡頬革部分を左手で束ねる様に持ちます。

 

・左手を馬の鼻梁を軽く押さえるように 置きます。この時ハミが左右均等に馬の口の真下にあることを確認して下さい。

 

・右手で馬の右側の口角に親指と人指し指を口の中に優しく入れます。

無理に押し込むのではなく指で口角をこちょこちょして入れるだけで口を開けますが、もし開けないようなら入れた親指と人指し指を開いて口を開けさせて下さい。

※無理に口を開けさせる事を出来るだけしないで済むようにするために“口開けて”と声掛けをすることを習慣的にすることをお勧めします。

 

・口を開けたら慌てず左手を鼻梁に沿って上にずらしハミを口の中に入れます。

 

・左手をハミが口から出ないように上にあげながら右手で馬の右耳を前側に倒すようにして項革を耳の後ろに持って行きます。

項革が耳の後ろに装着できたら左手を楽にして右手で馬の左耳を前に倒し項革を右耳の後におさめます。

 

・顎革の尾錠を閉めます。

顎革はハミを受けて顎を譲った状態になった時に馬の喉を閉める事にならないように人の握り拳が入る程度長めに装着します。

 

・ハミの位置を調整、鼻革を閉める。

馬の真正面に立ち鼻革をハミの付いている頬革の内側に入れ左右の位置を調整します。

この時同時にハミの位置を確認して下さい。

ハミの位置は馬銜身が馬の口角にしっかり当たって口角に1つシワができる程度を目安に馬に合わせて調節して下さい。

鼻革は頬骨と鼻革の間に親指が入る位置に合わせて調節します。

尾錠の閉め具合は指が1本入る程度にします。

※上記の調節具合は基本となる考え方です。その馬にとってのベストな状態を常に模索しながら調節して下さい。調教の段階やレベル、内容によっても変化させる必要がある場合もあります。

 

令和5年3月   長谷川 雄二

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