馬術入門(22)【~馬にたずさわる人全てが調教者~80】
あなたが関わっているその馬を好きになって愛情を持って接する事で必ずその馬から注目されるようになります。
注目されているあなたは、騎乗している時もわずかなバランスの変化、脚や、坐骨の位置、その強弱、肘の動き、拳の強弱や、その方向等あなたが考えているよりわずかな動きを馬は読み取っています。
もちろん、あなたの精神状態、深層心理まで察しているのです。
ですから馬に跨って馬に指示をしなければならない立場のあなたは自分自身の精神状態が安定してその馬と向き合うことに集中できるか、肉体的には、健康で自身の身体を思い通りに動かす事ができるか、動かした身体がどうなっているのか等を解っていなければなりません。
その上で正しい姿勢を力まずに無理なく作れなければなりません。
次の項目をチェックしながら自身の全身の姿勢をしっかり認識して、その状態で馬にまたがって馬が動いた時、どの項目を保つのが苦しいか?自ら動きを発動した時必要な箇所だけを動かせるか?等を試してみて苦手な動きや固い関節部分、変な癖等自分の身体を知ることで改善する部位を特定しながら少しずつ正しい姿勢をとっていられるような身体造りをしていって下さい。
・頭の先から腰骨まで背骨は真っ直ぐか
・顎は引けているか
・肩は力が抜けているか
・目線は行く方向を見る余裕があるか
・肘は身体の真横に位置してあるか
・肘から馬の口まで手綱は直線上にあるか
・肘から前は力まずに手綱と連結できているか
・手首は折れずに真っ直ぐか
・拳は力まずに丸く手綱と連結できているか
・下腹は垂直であるか
・おへそは自身の姿勢の先頭に位置しているか
・状態の力は丹田(おへその下10cmのツボ)に集結しているか
・坐骨は左右均等に下方へ圧をかけながら馬に随行しているか
・股、膝、足首の3つの関節が柔軟に動きを吸収しながら、わずかな動きができるか
・ふくらはぎが馬体に密着して身体を安定させているか、力の加減ができるか
・踵をいつでも思い通りに動かす事ができるか ・足の裏を平に維持できているか
・ふくらはぎを馬体に着けたまま踵を強く馬体に押し当てる事ができるか
まずは常歩で全ての項目を確認して下さい。
令和5年5月
長谷川 雄二
このページをシェアする