馬は自分の家が分かる?馬の帰巣本能について詳しく解説!
「いなくなったペットが突然戻ってきた」なんていう話を聞いたことありませんか。
なぜ動物は人間がいなくても帰って来ることができるのでしょう。
これはその動物に備わっている帰巣本能によるものです。
いなくなった馬が突然帰ってきた!というシチュエーションはなかなかありませんが、実は馬も帰巣本能が高い動物です。
今回は、馬の帰巣本能とそれを裏付ける実話も紹介します。
この記事で分かること
・馬の帰巣本能にまつわる面白い逸話
馬は帰巣本能が高いって本当?
馬の能力として『帰巣本能が高い』ということ、ご存知ですか?
帰巣本能とは、動物が棲み処から離れてもそこに再び戻って来られる能力です。
犬や猫・鳩・ミツバチが、遠く離れた場所にいても元の場所に戻ってくるというお話を聞いたことがあると思います。
これが帰巣本能です。
また、サケが何年も前に巣としていた川に遡上する場合も帰巣本能によるといわれています。
これらの動物たちと同様に、実は馬も帰巣本能が高い動物です。
現在、馬は基本的にすべて飼育下にあるので、昔のように何10キロも離れた先から帰巣本能を発揮して帰ってくるなんていうことはありません。
しかし、厩舎施設内で馬の帰巣本能が発揮されることがあります。
滅多にありませんが、馬を放馬してしまったときに馬が自分の馬房に帰るということがあるのです。
また他にも、夜のうちに馬房の柵が外れ、外に飛び出した馬が朝には自分で馬房に戻っていたこともあるそうです。
なぜ、そんなことが可能なのでしょうか。
馬はとっても鼻がいい!匂いを頼りに帰巣できる
馬はどうやって元の場所に戻って来ることができるのでしょうか。
その秘密は鼻にあります。
つまり、馬は嗅覚を使って帰巣できているようです。
「え?馬の鼻ってそんなにいいの?」と思う人もいると思います。
鼻のいい動物といえば犬が有名ですものね。
しかし、人間に比べて馬の鼻は1000倍、犬の鼻は100万倍いいといわれています。
馬の鼻は、確かに犬には敵いませんが、人間が想像できないほど鼻がいいのです。
そして馬はこの優れた嗅覚を使って、自分や自分の子供に優しくしてくれる人の識別もしているのです。
ホーストレッキング中に道に迷ったら?
自然豊かな森や海岸を走るホーストレッキング。
憧れますよね。
でも迷ってしまったらどうしよう、と心配になる人もいると思います。
ほとんどの場合は係の人が気を付けてくれるので迷子になることはありません。
それでも、もし道に迷ってしまったら、馬に任せてみましょう。
うろたえている人間より、馬の帰巣能力の方が当てになります。
その証拠となる実話をこれから紹介します。
馬の帰巣本能にまつわる面白い逸話
ここまでの説明で、「やっぱり馬の帰巣本能は高いみたい!」と思われた方も多いと思います。
それを裏付けるような逸話も複数あるので、特に面白いものをいくつか紹介します。
まずは、中国の話で古い書物にも記載されている実話です。
ある者が春に戦地へ出征しましたが、帰りが冬になってしまったため往路で覚えた景色がガラッと変わり、 帰り道がわからなくなってしまいました。
このとき同行者に「老馬の智、用うべし」と言われ1頭の老馬を放したところ、その馬はしばらくあたりをうかがってから、ゆっくりと歩き出しました。
その後について行ったところ、無事に見覚えのある元の道に出られたそうです。
その他にも、昔、モンゴルでのお話。
モンゴル軍が長距離を移動する際、馬を5頭ほど引きつれ乗り換えて移動をしていたのですが、乗り換えた馬たちは自身の帰巣本能でそれぞれ勝手に棲み処へ帰っていったそうです。
豆知識・その他の動物の帰巣本能
帰巣本能が高い動物の例として、犬や猫・鳩・ミツバチ、サケがいます。
これらの動物はどのように元の場所に戻ってくるのでしょうか。
それは動物によって違います。
例えば伝書鳩は、なじみのある場所では道路や河川、山などを目印として飛行して帰巣しているようです。
また犬などを含め、多くの動物は地球の磁気、つまり地磁気に基づいて帰巣の経路を見つけているようです。
しかしこの場合は、地磁気と他の方法を併用していることが多いといわれています。
そして元にいた川に戻ってくるサケは、馬と同じように嗅覚を使って帰巣出来るようです。
意外なところで馬とサケの共通点はあるものですね。
酔っ払っても家に帰れる!?人間にも帰巣本能がある?
動物の帰巣本能のすごさに驚いてしまいますが、実は人間にも帰巣本能があります。
夜の電車の中には「酔っ払い」がたくさんいます。
ほろ酔いで気持ちよさそうな人、千鳥足でフラフラしている人、ベロンベロンで寝入ってしまっている人。
「この人、家に帰れるのかな?」なんて心配していると、電車が駅に到着してアナウンスが流れると、ハッと起き上がりフラフラしながら電車を下りていく。
これこそが帰巣本能によるものです。
また、会社で体調が悪くなって、帰宅することにしたけれどそこから記憶がない。
でも気が付いたら家のベットの中で寝ていた。
そんな話を聞いたことはありませんか。
酔っぱらっていても、記憶がなくてもきちんと家に帰ってこれる。
人間の帰巣本能もすごいですよね。
まとめ
現代では馬が遠くから戻ってくるシチュエーションはほとんどありませんが、馬の帰巣本能のすごさが理解できたのではないでしょうか。
反対に、環境が変わったばかりの馬が逃げ出した場合、逃げ出したゲートから引っ越してくる前の方向に探せば見つかることが多いようです。
馬としては、新居を家と理解できない場合、元の家に帰ろうとするようです。
馬の帰巣本能、侮れませんね。
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