保存版!愛馬も喜ぶ、馬の丸洗いの方法をご紹介
運動後にシャワーを浴びるとスッキリ気持ちいいですよね!
馬も運動後に丸洗いしてもらうと嬉しいはずです。
この記事を読んで、馬にも喜んでもらえる洗い方をマスターしましょう。
この記事で分かること
・丸洗いの方法・手順
・馬を洗うときに必要な道具
・馬の丸洗いの注意点!
馬を洗う理由は?
馬を洗う理由は、「馬に喜んでもらうため!」だけではありません。
汗や泥などの汚れをしっかり落とすためという大切な理由があります。
馬の体が汚れたままにしてしまうと、皮膚病になってしまうのです。
例えば、皮膚にブツブツとした塊がある馬を見たことがありませんか。
その塊は、お手入れが行き届かず皮膚に汚れがたまってしまったもので、「ケイクン」といいます。
ケイクンのできやすい部分は主に運動したときに汚れやすい足元やお尻です。
足元にできたケイクンは足のむくみの原因にもなってしまいます。
もし足元にケイクンができていた時は、温かいお湯でふやかしながら優しくとってあげましょう。
無理にこすりとろうとすると、傷になってしまう場合もありますので注意が必要です。
お尻のケイクンなどは汗こき(水切り)のギザギザの部分やゴムブラシなどを使ってとってあげると、ぽろぽろ落ちます。
まずは、ケイクンができないように日ごろから丁寧に洗ってあげましょう。
また、暑い夏は丸洗いをすることで馬の体温を下げる効果もあります。
馬は暑さに弱い動物なので、運動後に丸洗いをして体温を下げることで熱中症の予防にもなります。
丸洗いの方法・手順
ここからは馬の洗い方について説明します。
馬を清潔にしながら、喜んでもらえる洗い方を覚えておきましょう。
①体の端の方から水をかける
馬装でもそうですが、突然体に触られたら馬もびっくりしますよね。
声をかけながら馬に近づき水をかけていきます。
また、水をかけるときには温度に注意しましょう。
冬は冷えないように水ではなくお湯を使うようにします。
そしていきなり水を体にかけると心臓などに大きな負担がかかることがあります。
そのため足元からゆっくりかけていき、徐々に体にかけていきます。
②馬体全体をブラシでしっかりこすりながら洗う
全体が濡れたら、ブラシでしっかりこすりながら洗っていきます。
水をかけるときは足元からでしたが、洗うときは上から下へ洗っていきます。
下から洗うと、せっかくきれいにした足元に体を洗った汚れた水が脚を伝って流れてきてしまい、また汚れてしまうためです。
鞍(くら)や頭絡(とうらく)のあとが付いている部分はもちろん、腹帯が当たるところ・股の間・お尻付近・脚の付け根などは汗がたまりやすいので丁寧に洗ってあげましょう。
脚の近くを洗うときには踏まれないように、馬の動きにも注意が必要です。
③きれいに洗い流す(シャンプーを使った場合)
突然ですが、シャンプーをすると気持ちいいですよね。
汚れや汗を洗い流せて、スッキリ、爽快な気分になります。
馬にも「毎回しっかりシャンプーして、お手入れしてあげたい!」という気持ちにもなりますが、毎回のシャンプーは不要です。
なぜならシャンプーをすることで、汚れや雑菌の他に皮膚表面の油分を落としすぎてしまうことがあるからです。
シャンプーを使うのは丸洗いのうち数回に1回だけにする、そしてシャンプーを使うときはお湯の温度は低めにするなどの工夫が必要です。
シャンプーを使う場合は、バケツにシャンプーを入れ、お湯か水を勢いよく入れて泡立てます。
これを馬体にかけて洗っていきますが、最後はしっかり流します。
流し残しがないように、よく流してください。
④汗こきで水気を切り、タオルで拭く
丸洗いが終わったあとは、汗こきでしっかり余分な水分を落としてます。
その後、タオルで体を拭き、乾いたら完了です。
タオルで拭くときのポイントは、毛並みに逆らうようにごしごし拭いてあげることです。
そうすると早く乾きますよ。
冬など寒い時期は、冷えの原因にもなるので、特にお腹まわりはしっかり拭いてあげましょう。
馬を洗うときに必要な道具
馬を洗うときに必要な道具は、細かく分けると結構あります。
似たようなものもあり、最初は混乱することもありますが、使いながら慣れていきましょう。
ここから馬を洗うときに使う代表的な道具として「馬用シャンプー」「ブラシ」「汗こき」を紹介します。
馬用シャンプー
「馬用シャンプー」と聞いて、「人間と同じシャンプーではダメなの?」と疑問をもつ人もいると思います。
確かに人間と同じシャンプーも使えますが、控えた方が馬のためです。
その理由の1つ目は、人間のシャンプーでは匂いが強いからです。
人間がいい香りと思う香りでも、馬にとっては、匂いが強すぎてしまいます。
馬の鼻は人間より優れていて敏感です。
そして2つ目の理由は、シャンプーをする目的が違うため、必要な成分が異なるからです。
人間のシャンプーは地肌のケアも出来ますが、主に髪を綺麗にしたい、サラサラにしたい、ボリュームをアップさせたいなど髪の毛に特化しています。
しかし、馬用シャンプーは皮膚を洗うことが目的になっています。
馬用シャンプーは馬にあった成分でできていて、さらに自然派の低刺激の物、乾燥肌用や脂っぽい肌用などさまざまなタイプのシャンプーがあります。
馬に合った物を選んであげましょう。
使い方は、それらのシャンプーをバケツに入れ、勢いよく水やお湯を入れて泡立て、馬の体にかけて使います。
たてがみや尻尾は油分が多く泡が立たないので、原液をそのまま揉みこむようにしながら洗います。
ブラシ
馬用のブラシといっても、様々な種類があります。
例えば、オガ粉やワラをとるための根ブラシ、フケや汗で固まった汚れをとるゴムブラシ、表面についた汚れや汗をとったり毛の生え変わりの時期にきれいにするプラスチックブラシ、仕上げ用の毛ブラシなどです。
その他にも、体毛が長い馬やたてがみに使うものや、フェイス用などさまざまです。
必要なブラシを見極めて使うと、馬も喜んでくれそうですね。
馬が喜ぶブラッシングのポイントとしてゴムブラシがあります。
これはマッサージ効果もあるので、背中や腰、お尻をメインに大きな円を描くようにブラシをかけてあげると喜びます。
汗こき
汗こきは水切りともいわれ、汗や丸洗いした時に馬体の表面についた水を落とすワイパーの様なものです。
素早くしっかり水を切らないと乾くのが遅くなり、第二の心臓といわれる蹄がふやけてしまい、怪我や病気に繋がることもあります。
そのためにも、汗こきは馬のお手入れ道具として必須のアイテムです。
馬の丸洗いの注意点!
馬が綺麗になるなら、ぜひ丸洗いしてあげたいですよね。
しかし、丸洗いをするときにも注意点があります。しっかり覚えておきましょう。
水に慣れているか、水を怖がっていないかチェック
馬の中には水を怖がる馬もいます。その怖がる度合いもさまざまで、ホースを向けられるだけでも怖がる馬、体は平気でも顔の周りになると怖がる馬などがいます。
水をかけるときには、馬の様子に注意しましょう。
あまりにも怖がるようなら、スタッフに相談してみることが大切です。
「そのうち慣れるかも」と継続していると、馬が怪我をするなど思わぬ事故につながることもあります。
また、馬が洗い場を嫌な場所として覚えてしまい、洗い場にさえ行きたがらなくなってしまうこともあります。
大事になる前に不安を感じたらスタッフに相談することをおすすめします。
鼻や耳に水が入らないようにする
鼻や口で呼吸する私たち人間。
突然、鼻や口に水が入ってきたら呼吸が出来ず、困りますよね。
パニックになることもあると思います。
馬は鼻でのみ呼吸をします。
そのため、鼻に水が入ってきたらパニックになってしまうことも想像できると思います。
また馬の耳は敏感なため、水が入ってくると驚いてしまい、思わぬ怪我に繋がることもあります。
馬の顔に直接水をかけるときには、鼻や耳に入らないように注意しましょう。
水のかけ方や温度に注意
前半でも説明した通り、突然水をかけると、馬が驚いたり、心臓の負担になります。
そのため、足元から水をかけるようにしましょう。
また、暑いからと冷水をかけるのはNGです。
暑い夏でも水道からでる水で大丈夫です。
そして夏以外は、水ではなくぬるま湯など自分も心地よいと感じる温度で洗ってあげると馬も喜びますよ。
まとめ
馬の体についた泥や汗などの汚れをそのままにしておくと、皮膚病にかかってしまうことがあります。
馬を清潔にするため、熱中症予防に馬の体温を下げるためにも馬の丸洗いは重要です。
手順や注意する点があり不安になるかもしれませんが、丸洗いをすると馬はスッキリして喜びますよ。
人間にとって便利、馬にとって嬉しい道具もあるので、馬とコミュニケーションをとりながら、丸洗いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
このページをシェアする