馬術入門(25)【~馬にたずさわる人全てが調教者~83】
良い調教をされた馬からは、多くの事を教わる事ができます。
しかし、あなたは、その馬達に多くの苦痛と混乱を与えている事をしっかり認識して1鞍1鞍の運動を大切にして下さい。
今まで馬達から経験させてもらって得たものを今あなたが乗っているその馬に活かせているのか、自身に問いながら!
・後肢は脚にしっかり反応しているか
・馬はまっすぐハミに出ているか
・馬の態勢はこれで良いのか
・前後のシナリはできているか
・左右のシナリは柔らかく楽にできているか
・顎の譲りは維持しているか
・首は進行方向ヘ向けられているか
・両後肢はしっかり躍動しているか
・外方のハミは安定して軽いコンタクトで保持できているか
・内方のハミは軽く小さな拳や肘の動きで顎の譲りや進行方向の指示が出せるか
・何処か肉体的に苦しがっている所はないか
・精神的な苦痛やイライラを与えていないか
・ノビノビ、イキイキ運動しているか
次に、あなた自身の全身の構え、
・坐骨の位置はまっすぐか
・坐骨の圧は馬の前方にまっすぐ掛けているか
・脚の位置は太もも、膝、ふくらはぎ全て良いか
・脚の使い方受けと押し使い分けは正しいか
・踵の使用は強弱使い分けできるか
・体幹はねじれたり、傾いたりしていないか
・肘は身体の真横にあり折れているか
・肘で馬の口を感じているか
・上体を動かさずに肘を動かす事ができるか
・手首に力を入れずに手の平を動かせるか
・手綱を引かれたら素早く肘で阻止できるか
・肘から前は最小限の力と時間で保っているか
できる限り小さな動きと力で正確に馬に指示が伝わっている事が人馬共に、楽にしかも最高の動きをすることができるのです。
進むべき方向、力を入れる方向、力加減、目線、次の運動のイメージ、切り替えの準備、扶助発動のタイミング、柔軟でしなやか動きへの随行等騎乗する前から後からしっかり頭に体に入れて繰り返し騎乗することが最も重要です。
令和5年8月
長谷川 雄二
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