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調教の意味【~馬にたずさわる人全てが調教者~56】

長谷川雄二

2021/5/6

前回までの”前後のシナリやら左右のシナリやら減却や起揚や”と”ごちゃごちゃ細かいこと言わんでも馬なんか乗れる”と多くの人が言われると思います。

その通りです。現代社会で馬は野生で生存することはまず不可能です。
何らかの形で人と関わって生きていかなければなりません。

その馬が人とどう関わるか、何をするための馬なのか?によって違ったものとなります。


馬の用途を大きく分けると、愛玩用、馬車用、乗用、が考えられると思います。
・愛玩用→人に好意的であれば→可愛がられる→幸福な馬生を期待できる。
・馬車用→人に好意的であれば→人の言うことを素直に聴く→怖い思いをせずに馬車調教を受け入れる→必要な体力と筋力、身のこなし方が身に付く→良い馬車馬となる→幸福な馬生を期待できる。
・乗用→人に好意的であれば→人の言うことを素直に聴く→怖い思いをせずに人を乗せることを受け入れる→適切な調教で必要な体力、筋力、身のこなし方が身に付く→最高のパフォーマンスを発揮出来る→馬の評価が上がると同時に騎乗者に満足感を与えられる→幸福な馬生を期待できる。


先ず調教に必要なことは
・ひとつ目は馬が貴方の事を好きになり、貴方の動作や仕草を注目するようになるように仕向けることです。
・ふたつ目は馬の健康管理です。心身の健康はもちろんの事、蹄や歯等に関しても気を配らなければなりません。しっかり食べさせて必要な筋肉を付けていきます。
・みっつ目は毎日の規則正しい運動です。
・よっつ目は運動の内容が騎乗者および馬のレベルに応じていること。
・いつつ目はその運動の順序が易しい運動から難易度の高いものへと手順を踏んでいること。
・むっつ目は求める運動の扶助が一貫していること、途中で運動が乱れてもその騎手の姿勢を変えることなく修正できるように努力して下さい。
・ななつ目は新しい運動や難易度を上げた際はその運動をこなせるだけの馬体筋肉ができているかの見極め。

 

スポーツ馬術では高いレベルを求められていくと自然では必要のない動きや力を求められて行くことが多くなってきます。
この動きに対応する為には、その馬はアスリートでなければなりません。
常に自身の最高、最大の力を発揮出来るようでなければなりません。
最高のパフォーマンスをするため、最終的には人と馬の信頼関係がとても重要なことではないかと思います。

 


令和3年5月

長谷川 雄二

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