馬術入門(27)【~馬にたずさわる人全てが調教者~85】
騎乗してからの流れ。
まず、手綱は長い状態のまま人馬共にリラックスしてゆったりした大きな常歩をさせられるように馬の動きに合わせてしっかり坐骨と脚で重厚なイメージの推進をします。
少しでも後肢が推進の踵の動きに合せて左右一歩ずつはっきり踏み込むかどうか確認します。
後肢の大きな踏み込みを感じられたら.次のステップに進みます。
なかなか踏み込んで来ないようなら、常歩で少し肩内の運動をします。
肩内への入りで坐骨をしっかり押し当てながら恥骨を鞍に密着させ上体を垂直に保ったまま明確な内方姿勢を作ります。
この段階、この流れに於いての手綱の長さは、外方の肘で壁を作れる長さで充分です。
外方の脚は、太ももごと膝を後方ㇸ引きます。
つま先をしっかり意識して上にあげフクラハギの筋肉を緊張させたまま踵を馬体に着け鐙を踏み下げ外方側の壁を完成させます。
内方の手綱は、手の平を上にして内方の顎の譲りを促す程度で止め軽い握りで保持します。
内方脚は、そのままの位置で膝を楽にしてつま先をあげたまま鐙を踏み下げながら踵を強く馬体に押し当て内方後肢を進行方向へ踏み込ませる事で脚への反応をより良くして行きます。
左右の踏み込みの違いをできるだけ小さい状態にして、次のステップに進みます。
まず、両手綱を優しく握り引き付けながら馬の口を捉えている中で自身の肘が横から見て折れた構えで上体の真横にある状態を作ります。
この両ハミに馬が出て来るように真っ直ぐ推進します。
真っ直ぐの推進は、前後のバランス、左右のバランスを崩す事なく馬の重心に最大限近い所に乗り、わずかでも指示に関わる動き以外の動きをしないで扶助操作ができるようでなければなりません。
その事をしっかり意識して2.3回の停止、後退、前進を繰り返し行います。
この時の反応により左右の後肢の踏み込みは均等か、ハミに真っ直ぐ出ているかを確認します。
もし、不均等であったり真っ直ぐでないようなら5歩の前進後退を何回か繰り返し行い修正してから速歩を開始します。
ここまでは、調教の進み具合に比例して時間も短縮して行きますが、ベテランの馬になっても必ず一通りの動作はチェックを兼ねて行う事をお勧めします。
特に高齢となった馬の冬場は、必須です。
馬がトップラインを痛めないためにも!
令和5年10月
長谷川 雄二
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