乗馬と馬術の違いとは?それぞれの特徴や魅力を解説!
乗馬と馬術の違いとは何か考えたことはありますか?
筆者は「乗馬」ではなく、「馬術」であることを意識して、とインストラクターに言われたことがありました。
当時はピンとこなかったものの、最近、やっとその言葉の意味が分かり始めてきました。
今回はさまざまな角度から、乗馬と馬術の違いやそれぞれの魅力を紹介します。
この記事で分かること
・乗馬と馬術の特徴の違い
・乗馬と馬術の技術の違い
・その他の違い
・乗馬と馬術、それぞれ向いている人
乗馬と馬術の違いをざっくり解説!
それでは「乗馬」と「馬術」の違いは一体、どんなところにあるのでしょうか。
その違いを見ていきましょう。
乗馬について
辞書で調べたところ、「乗馬」とは「馬に乗ること」でした。
馬に乗ること全般を指していることから、レッスンだけではなく、外乗や引馬も乗馬に当てはまりますね。
幅広く、誰にでも楽しめる趣味や娯楽のイメージですね。
馬術について
辞書によれば「馬術」とは「馬を乗りこなす術」のこと。
しかし、「乗りこなす」の定義が感覚的であるため、人によって「乗馬」と「馬術」の違いには幅があり、分かりづらいのかもしれませんね。
そのため、日本で「馬術」と言うと「馬術競技」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
<馬術競技の種類①>障害馬術とは
障害馬術とは、コース上に設置されたさまざまな障害物を決められた順番通りにミスをせずに飛越していく競技です。
障害物の落下や馬の反抗などなく、早くゴールした方が有利になります。
オリンピックでは障害物の高さは160cm、幅が200cmを超えるものもあり、人馬で息を合わないとうまくいきません。
標準的なルールでは、落下や反抗も1回目は減点。
2回目の反抗や反抗の継続、落馬、経路違反は失権です。
最終的に減点が少なく、早くゴールしたペアが優勝です。
デザイナーが障害物を連続して置いたり、絶妙な感覚で置いたりして、人馬のパートナーシップを試すコースを作ります。
<馬術競技の種類②>馬場馬術とは
馬場馬術は規定の大きさの馬場で、3種の歩様を使って図形運動をする競技です。
決められた要素をこなさなくてはならない規定演技と自由に構成を組んでよい自由演技があります。
馬が後肢を中心に回転するピルエットやスキップのようなピアッフェなどの高難度の技を披露します。
息がぴったり合った人馬の演技はまるでダンスのようです。
要素ごとの点数と競技全体の印象に対する点数の合計をパーセンテージに計算し直して、勝敗を決めます。
<馬術競技の種類③>総合馬術とは
総合馬術は馬術の技術を結集したかのような競技です。
「馬場馬術」「クロスカントリー」「障害馬術」を同じペアで3日にわけて実施します。
最終日終了時点で減点の少ないペアが勝利します。
クロスカントリーは野外に自然に近い形の障害を設置したコースを走破するレースです。
障害飛越より距離は長く、障害物の数も多く設置されます。
障害物は障害馬術の障害とは違い、固定されているため、リスクが高め。
また、水郷内にも障害が設置されます。走破タイムの速い人馬が勝利します。
馬が障害を逃避したり、止まってしまったりすると減点。
巻き乗りを3回以上しても減点。規定タイムをオーバーした場合も減点があります。
完走した馬は獣医師の検査に合格すれば、翌日の障害馬術への出場が許可されます。
乗馬と馬術の特徴の違い
乗馬と馬術の特徴の違いにはどんなものがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
乗馬の特徴
乗馬は引馬や外乗などを含め、あまり経験がなくても、趣味や娯楽として気軽に楽しむことができます。
技術を極めるというよりは、馬との触れ合いによる癒しやストレス解消を目的にしている方が多いでしょう。
乗馬レッスンで言えば、常歩〜駈歩の習得くらいまでが目安です。
馬術の特徴
乗馬で身に付けた基本的な技術に加えて、馬に自ら理想的な動きをしてもらうための技術を習得します。
その一環として、馬術競技を楽しむ方が多いようです。
すぐに習得できるわけではないため、辛抱強い取り組みが求められます。
特に馬術競技は馬との信頼関係を構築しながら、自分の技術も向上していかなくてはなりません。
乗馬と馬術の技術の違い
乗馬と馬術で使う技術にはどんなものがあるのでしょうか。
その違いについても、説明します。
乗馬の技術
乗馬の技術は、乗馬をしている状態を継続させるための技術のことを指すと考えます。
具体的には、停止には手綱を引っ張ることや発進には脚を使うことなど、馬に乗っているときに必要とされる基本的な技術のことです。
馬術の技術
馬が理想的に動いてくれるような技術のことを指します。
乗馬の場合、合図をして動いてくれたらOKです。
一方、馬術の場合、馬の動きが理想的なものになるよう、乗り手の技術で馬を整えなくてはなりません。
そのため、乗馬の基本的な技術の上に、さらに高度な技術として馬術の技術があるイメージです。
その他の違い
特徴や技術の他にも、いろいろと違いがあるようです。一つ一つ見ていきましょう。
乗馬と馬術、それぞれの魅力とは
乗馬には、馬に乗ること自体を気軽に誰にでも楽しめる利点があります。
馬術は、さらにもう一歩、どこまで高みにいけるかチャレンジする、という違いがあります。
うまくいかないこともあるかもしれませんが、愛馬と新しいことができるようになったときの達成感は格別です。
かかる費用にも違いがある
乗馬の場合はどのようなスタイルで楽しむかによって、かかる費用は変わってきます。
引馬や外乗をたまに楽しむ程度であれば、道具はレンタルで全く問題ありません。
かかる費用は騎乗料と道具のレンタル料くらいです。
クラブに入会して乗馬のレッスンを受ける際には、最低限の装具をそろえる必要があります。
これ以外に初期費用として大きいのはクラブへの入会金(10〜20万円程度が相場)です。
月々にかかる費用は月会費(1〜2万円程度)、騎乗料(2,000〜3,000円程度)、保険料など。
ちなみに、ここに挙げた料金はあくまでも相場の平均です。
クラブによって、かなりのバラつきがあるので、自分に合ったクラブを見つけましょう。
大会に出場する場合は、クラブに月々支払う費用以外にもお金がかかります。
例えば、参加費や馬の登録料、乗り手の装具代、借馬代、馬輸送費、馬房代など。
競技大会では、使用する道具を細かく規定している場合もあります。
そのため、買い足す必要も出てくるかもしれません。
それぞれの馬の特徴の違い
乗馬は穏やかな馬が多いです。
外乗を仕事にしていると、仕事で使うルートを覚えていて、自ら動いてくれる馬もいるとか。
乗馬として調教されている馬であれば、品種を問わず、長く活躍できます。
日本では競走馬あがりの乗馬もたくさん活躍しているんですよ。
馬術競技に使用する馬には、普段、練習馬として使われている馬もいます。
ただし、トップライダーが乗るのは、乗馬にはできない動きをする身体能力の高い馬や高い障害にひるむことなく向かっていく精神力のある馬など、特別な能力を持った競技馬たちです。
競技馬の世界でも血統は重視されます。
そのため、トップライダーはヨーロッパで購入することが多いようです。
乗馬と馬術、それぞれ向いている人の違いは?
乗馬と馬術、それぞれに向いている人はどんな方なのでしょうか。
乗馬に向いている人
乗馬に向いているのは、乗馬を楽しめる方、ダイエットや健康維持が目標の方、馬や動物が好きな方です。
馬には人間の思っていることが分かる能力があります。
乗り手が馬に乗っていること自体を楽しめたら、その気持ちは馬にも伝わります。
馬もイライラしている乗り手より、楽しそうな乗り手と気持ちよく走りたいはずです。
乗馬ではコミュニケーションをとりながら、馬に動いてもらいます。
そのため、乗り手側の体力や筋力は他のスポーツほど影響せず、男女一緒に競技を行うほど。
しかし、運動負荷はかかるので、ダイエットや健康維持をしたい方にはぴったりです。
最後に馬や動物が好きな方にも向いているでしょう。
動物と一緒にできるスポーツは他にはありません!
それに、馬の癒し効果は、馬や動物好きの方にとって絶大です。
馬術に向いている人
馬術に向いている方は、技術的な目標を明確に持っていたい方や馬と一緒に挑戦をしてみたい方だと思います。
馬術の競技会に出る場合には、ある程度の技術が必要になります。
そのために明確な目標を持ち、目標に向かってコツコツ努力できる方は馬術に向いていると言えるのではないでしょうか。
馬術競技に挑戦するためには、乗馬で学んだ基本的な技術に術を上乗せしていかなくてはなりません。
その技術は一朝一夕で得られるものではありません。
習得にはパートナーと粘り強く、取り組んでいく必要があります。
それでも、挑戦を通じて愛馬との関係をさらに密にしたい方は、挑戦してみませんか。
まとめ
今回の記事では、乗馬と馬術の違いや魅力について説明してきました。
乗馬は乗馬の楽しさ、馬術には馬術の楽しさがあります。
乗馬では物足りなくなってきた方は馬術を試してみたらいかがでしょう。
また、馬術競技で中々うまくいかない場合は外乗などで、馬に乗ること自体を楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
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