乗馬用の鞍を買う目安は何鞍?鞍を買うメリット・デメリットや選び方のポイント
いつも何気なくクラブから借りている鞍ですが、ベテランになると鞍を持っている方が多くなってきますよね。
ベテランのライダーがマイ鞍を持っているのはなぜなのでしょうか。
今回の記事では、鞍は購入した方がいいのか、購入するのならばいつ頃がいいのか、など多くの方が疑問に思っている点について、考えていきましょう。
この記事で分かること
・『マイ鞍』を持つメリット
・『マイ鞍』を持つデメリット
・乗馬用の鞍の選び方
乗馬用の鞍を買う時期の目安は何鞍くらい?
いつも乗馬クラブに借りている鞍ですが、自分で購入した方がいいのでしょうか。
まだ乗馬を初めて間もないのであれば、答えはノーです。
なぜなら、自分の騎乗スタイルや好みなど、初心者の段階では分からないことがとても多いからです。
では、何鞍くらい経験を重ねたら、鞍の購入にいいタイミングと言えるのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、残念ながらそのタイミングにも個人差があり、具体的に何鞍後ならOKとは言えません。
それでは、どのようなタイミングで、鞍の購入を考えたらいいでしょうか。
目安としては
・基本姿勢を習得して、安定してきた
・乗馬を続けていくうえで、自分の方向性が分かってきた
の2点が大きいでしょう。
まず、基本姿勢で安定して騎乗できることが大切です。
安定していないと鞍を購入しても変な癖がついてしまうかもしれません。
また、競技に進むのか、など自分の方向性が分からないうちに購入するのもおすすめしません。
乗馬をしているうちに方向性が変わる可能性も。
安い買い物ではないので、将来的に後悔しないようにしたいですね。
『マイ鞍』を持つメリット
では、『マイ鞍』を持つメリットはどんなところにあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
自分に合ったカスタマイズができる
まずは自分に合ったカスタマイズができる点を挙げます。
受注生産のメーカーであれば、カスタマイズに応じてくれるところが多いでしょう。
例えば、背の高い方にはあおり革の部分を長くする、膝で馬体をしめてしまいがちな人は膝当てを厚めにするなどの機能面に関するカスタマイズも可能です。
メーカーによっては、機能面以外の部分でも、部分的に革の色を変えたり、ステッチの色を変えられたりすることも。
メーカーがもともと持っているモデルに自分でカスタマイズを加えれば、世界に一つだけの鞍を作ることができます。
しかし、どのようにカスタマイズしてほしいかについても、自分の騎乗姿勢を客観的に把握できるようにならないと、難しいでしょう。
鐙革などの調整が不要で馬装が楽になる
馬装時に鐙革を直すのを忘れてしまい、いざ、馬場で騎乗しようとしたときに鐙が短くて乗れなかった経験はありませんか。
自分の鞍であれば、毎回、鐙の長さを気にすることなく騎乗することができます。
借りた鞍の場合、鐙の長さを調整しても、しっくりくる長さをなかなか見つけられなかったりしますよね。
マイ鞍であれば、そんな心配は一切、いりません。
騎乗して腹帯をしっかりしめたら、練習に集中できますね。
関連記事:乗馬用 鞍の装着手順を正しく覚えよう!
他人が乗ることによる型崩れがおきず、安定感が増す
乗馬クラブで所有している鞍は、たくさんの会員さんが使用しています。
もしかしたら、多少の型崩れが起きているものもあるかもしれません。
個人で所有している鞍であれば、他人の騎乗による変な癖がつきません。
そのため、自分の騎座の安定にも繋がります。
鞍を購入する大きなメリットの一つですね。
『マイ鞍』を持つデメリット
それでは、反対に『マイ鞍』を持つデメリットはあるのでしょうか。
購入費用が高額
最初は、やはり誰もが気になる購入費用です。
ざっと調べてみたところ、やはり気軽に買うとは言えない値段でした。
ポニーやジュニア用は10万円程度、既成品の大人用の鞍は25〜100万円と価格の幅が広い印象です。
また、海外製の方が価格が高い傾向にあります。
カスタムメイドの日本のメーカーでは、60〜80万円ほどの価格です。
同じカスタムメイドでも、フランスのエルメスでは、全てのモデルが100万円を超えています。
素材などによっても違いますが、乗馬を楽しみたい方用のエントリーモデルなのか、プロが競技で使用するモデルなのかによっても、値段が全く違います。
エントリーモデルだとしても、鞍は決して安いものではありません。
だからこそ、妥協せずに自分にぴったりのものを見つけたいですね。
クラブに鞍を置くための「鞍置き代」が発生する
意外と盲点なのですが、鞍をクラブに置いておく場合は料金が発生することがあります。
筆者が調べたところ、1ヵ月で1,000〜2,000円程度のクラブが多いようです。
月々にかかる料金としてはそこまで、高額ではありませんが、クラブで鞍を借りる場合にはかからないものです。
鞍の購入時には考慮にいれておきましょう。
初心者には「自分に合った鞍」が分かりにくい場合がある
乗馬を始めたばかりの方には、鞍の仕組みなどを理解するのは難しいかもしれません。
そのため、自分にどんなタイプが合っているのかも分からないのではないでしょうか。
まずは基本姿勢や騎座が安定して、基本的な技術を習得しましょう。
そのうえで、自分の乗り方の癖や方向性を考えて、鞍を購入した方が失敗は少ないはず。
初心者の方は、焦って鞍を購入しないことをおすすめします。
乗馬用の鞍を選ぶポイント
最後に実際に鞍を選ぶ際のポイントを確認しましょう。
まずは競技に合わせて選ぶ
鞍には
・馬場鞍
・障害鞍
・総合鞍
・馬術鞍
・ウェスタン鞍
・レース鞍
・調教鞍
があります。
馬場鞍はあおり革が長くなっており、フィット感が得られるようになっています。
また、深く座ることができるように、シート部分も深めです。
反対に、障害はツーポイントで騎乗するため、邪魔にならないよう障害鞍のあおり革は短く、シートは浅くなっています。
総合鞍は総合馬術の選手が使う鞍です。
外乗や普段のレッスンにも使われることが多い鞍です。
あおり革の長さやシートのカーブは障害鞍と馬場鞍のちょうど間くらいの作りになっています。
ほかにもウェスタン鞍やレース鞍など、用途に適した作りをした鞍があります。
乗馬の基礎をマスターしたころには、競技大会に出たいなど、ある程度自分の方向性が分かってくるようになるはずです。
障害や馬場馬術に挑戦したいと思った方は、そのタイミングで購入の検討をはじめるのがいいのかもしれません。
とにかく試乗!納得がいくまで可能な限り試乗をする
2つめのポイントは、必ず試乗をすることです。
試乗をしてみると、目で見ていただけでは分からなかった感覚的な部分も体感できます。
自分の好みのものが見つかるまでは、可能な限り試乗をさせてもらいましょう。
例えば、鞍に使用している素材、質、形などで、受ける印象が全く違います。
硬めの使用感が好きな方がいれば、柔らかめの使用感が好きな方もいらっしゃるはずです。
また、あおり革の長さや膝当ての厚さなども、試乗をしてみないと自分の乗り方にフィットしているかは分かりません。
また、1回試乗しただけだと違いが分からない可能性があるので、いくつか違うモデルの試乗をしてみて、乗り心地などを比較してみるのがいいかもしれません。
先ほどもご紹介しましたが、全体的には気に入ったのだけれど、一部だけどうしても変えたいという希望がある場合は、カスタマイズが可能か聞いてみましょう。
ただし、カスタマイズの料金は本体料金とは別に設けられていることも多いです。
料金もあわせて、確認しましょう。
鞍は1度購入したら、車よりも長い間、使っていく可能性もあります。
だからこそ、購入時は慎重になる必要があります。
気になることがあれば、馬具屋さんやメーカーのスタッフさんに確認をして、必ず納得してから購入するようにしましょう。
まとめ
今回は乗馬愛好家の憧れでもあるマイ鞍を購入する際の選び方やメリット・デメリットについて、まとめました。
まずは、基本姿勢をマスターしましょう。
その後、ある程度の方向性や自分にはどんな癖や好みがあるのかなどを、把握しておきます。
そのうえで、自分に合っていると思う鞍と出会うことがあれば、是非、試乗を重ねて、ご購入をご検討ください。
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