鞍・鐙・頭絡・馬着など、基本の馬具の種類と用途
乗馬を始めたばかりで、馬に付ける必要な装備の名前もなかなか覚えられない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、この記事では「これだけは覚えておきたい」という基本的な馬具の種類や用途についてご説明します。
この記事で分かること
・鞍(くら)
・腹帯(はらおび)
・ハミ
・手綱(たづな)
・頭絡(とうらく)
・鐙(あぶみ)
・プロテクター・肢巻
乗馬に必要な馬具の種類
ここからは、それぞれの道具の種類や用途について、細かく見ていきましょう。
鞍(くら)
まず、最初に鞍(くら)について説明します。
騎乗者が座るための装具で、馬の背に装着して使用します。
鞍には用途によって、さまざまな種類のものが販売されています。
ブリティッシュスタイルで騎乗されている場合は、総合鞍、障害鞍や馬場鞍の3種類。
障害飛越には障害鞍、馬場馬術には馬場鞍を使用すると騎乗しやすいでしょう。
乗馬クラブでよく使用されているのは総合鞍で、総合馬術(馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3競技の合計点を競う競技)に使用します。
障害鞍と馬場鞍のちょうど間の作りになっていて、どちらにも対応できる鞍です。
ウェスタンではウェスタン鞍、競馬ではレース鞍を使用します。
関連記事:乗馬用 鞍の装着手順を正しく覚えよう!
腹帯(はらおび)
腹帯と書いて「はらおび」と読みます。
鞍を馬に装着するための帯です。
革製のほかにも合皮のものがあり、頑丈であることが前提です。
腹帯が苦手な馬のためにタッチが優しくなるよう、柔らかな素材でできた腹帯カバーやボアつきの腹帯も販売されています。
冷感素材を使用しているもの、馬場馬術用に馬の肘を邪魔しないデザインのものや障害物と接触してもケガをしないようにスタッドガードつきのものもあります。
鞍や用途に応じて、馬の負担が軽くなるものを選びましょう。
ハミ
次にハミについてご説明します。
ハミは頭絡や手綱とつながっています。
手綱を通じて、馬を細かくコントロールできるのは、このハミがあるためです。
ハミの多くは金属製で、前歯と奥歯の間にある「歯槽関縁(しそうかんえん)」と呼ばれるすき間に装着します。
ハミにはたくさんの種類があり、形によって馬に伝わる合図の強さが変わってきます。
一般的によく使われているのが水勒(すいろく)ハミです。
馬にもあたりの弱いハミで、初心者から上級者まで様々なスキルを持った乗り手に対応できるスタンダードなハミです。
手綱(たづな)
手綱(たづな)はハンドルやブレーキなどの役割を果たします。
馬とコミュニケーションを取っていく際に、非常に重要な馬具です。
乗馬で主流なのは、スタンダードな布製の手綱。
天候などの条件が厳しくなる競馬や調教の場合、革製やゴム製を使用することが多いようです。
布にゴムを縫いこんだものもあります。
頭絡(とうらく)
読み方は「とうらく」です。
乗馬をする際に馬の頭部に装着する馬具で、手綱やハミが接続してあります。
頭絡には水勒頭絡と大勒(だいろく)頭絡があります。
一般に使用されているのは水勒頭絡です。
大勒頭絡は水勒ハミと大勒ハミの2つを使用するための頭絡で、上級者向けです。
鐙(あぶみ)
金へんに登ると書いて「あぶみ」と読みます。
左右の足を置くもので、乗り手のバランスに影響してくる重要な馬具です。
鐙革を使って鞍に装着します。
鐙には、金属製やプラスチック製があります。
素材により、多少、使用感が変わってきます。
足が滑りづらくなっているものや落馬時に足が抜けやすくなっているものなど、さまざまな工夫を施されているものがあります。
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馬着(ばちゃく)
馬に毛布のような布がかかっているのを見たことがありませんか。
あれが馬着(ばちゃく)です。
その目的はさまざまですが、よくある用途は保温と虫よけです。
冬毛が生えてしまうと、運動後、汗をかいて長い冬毛に吸収された水分が冷えて、馬に疝痛などの体調不良を起こすことがある、と言われています。
そのため、冬毛をあまりはやさないように、馬着で保温をします。
また、虫にたかられて、ストレスが溜まってしまう馬には、メッシュ素材でできた馬着を着せることも。
ほかにも、磁気を使用して疲労回復を促す馬着など、さまざまな用途に合わせた馬着があります。
プロテクター・肢巻
最後に馬用のプロテクターや肢巻についてご紹介します。
プロテクターも肢巻も、馬の肢に付ける道具で、肢を守るものです。
後肢による前肢の踏みかけや障害物との接触によるケガを予防できます。
障害飛越をする馬にはプラスチック製などのしっかりした素材で保護しつつ、運動の邪魔をしないように設計されたプロテクターを使用します。
馬場用のプロテクターは少し長めに作られており、肢をクロスさせるような複雑なステップで擦れてもケガをしない設計です。
しかし、プロテクターを装着したがらない馬もいます。
その場合には長い包帯のような見た目の肢巻を使用することも。
肢巻には腱やじん帯などの軟部組織の保護やむくみ解消の効果もあるそうです。
まとめ
今回は初心者の方に向けて、基本的な馬具の種類とその用途について、ご紹介しました。
装着している馬具にはそれぞれ意味があります。
最初は全て覚えるのは大変かもしれません。
まずは代表的なものからひとつずつ、覚えていきましょう。
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