馬は人間に懐く?早く馬に懐いてもらうポイントとは
乗馬をしていれば、馬と仲良くなりたいと考えるのはとても自然なことです。
でも、なかなか馬たちとの距離が縮まらず、じれったい気持ちになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は早く馬に懐いてもらうためのポイントをご紹介します。
この記事で分かること
・馬に懐いてもらうポイントとは
・馬に懐かれる人と懐かれない人の違い
・馬と触れ合う時に気をつけたいこと
馬は人間に懐くの?
結論から言ってしまうと、馬は人間に懐きます。
大昔に人類に狩られたことなども影響して、馬の純粋な野生種はすでに絶滅しています。
今いる野生種は一度、人間に家畜化されたものが逃げ出して、自然に適応し生き残っていると考えられています。
そのため、基本的に現代の馬たちは人間がいないと生きていけません。
馬たちもそれは分かっており、お世話をしてくれる人にはとても良く懐くはずです。
また、馬はもともと群れを作って暮らしている動物であるため、社会性も高く人間のよきパートナーとして暮らしていくことができます。
とは言っても、馬とは一緒に過ごす時間も限られており、なかなか飼い犬や飼い猫のようにはいかないものです。
さらに、人と馬の社会ではコミュニケーションの取り方も違います。
そのため、すぐに仲良しになるというわけにはいきません。
それでは、どうしたらいいのでしょうか。
馬に懐いてもらうポイントとは
馬に懐いてもらうためには、馬のことを理解する必要があります。
人間界には人間界のルールがあるように、馬たちにも馬の間でのルールがあります。
人と馬との間でルールが違うことを認識したうえで、馬にマイナスのイメージを与えないようにしながら、積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
まずは知っておきたい!馬の性格
草食動物のため、怖がりな馬が多いです。
音に敏感な馬、風が苦手な馬、人の突然の動きにびっくりする馬、さまざまなタイプの怖がりがいますが、その馬の個性だと思って捉えて対応することが重要です。
馬は肉食動物に捕食される側であるため、生き残るために速く走れるように進化してきました。
しかし、その敵の気配に気づかないことには、逃げることも出来ません。
怖がりであるというのは、馬にとって生き残るために重要な本能だったのです。
そのため、どの馬にも怖がるポイントがあるのが普通と考えておくのがいいのではないでしょうか。
パートナーが特に怖がることを把握して、びっくりさせないように先回りでの対応を心がけましょう。
人も馬も、嫌なことを覚えてしまうと、好きなことと同じくらい忘れられません。
馬は、常に状況の変化を把握できるようにアンテナを張っており、以前に嫌いなことや怖いことが起きたのと同じ状況であると判断すると逃げようとしたり、後肢で蹴ろうとするなどの反応をします。
これも防衛反応です。
できるだけ、馬が嫌がるようなことはしないように心がけましょう。
嫌がることをしないようにしつつ、好きなことをしてあげると警戒心を解いてくれるのも早いかもしれません。
パートナーが気持ちいいポイントを丁寧にブラッシングしてあげたり、好きなおやつをあげたりしてみましょう。
馬に懐かれる人と懐かれない人の違いは?
馬に懐かれる人は、馬が信頼を寄せる人です。
嫌いなことや怖いことをしない、自分のことをよく分かってくれる…このように馬に思われている人は馬に懐かれるでしょう。
人間と同じですね。
では、懐かれない人にはどんな人が多いのでしょうか。
端的に言ってしまえば、懐かれる人とは逆のことをする人です。
馬の嫌いなことや怖いことをしてくる人や自分のことをよくわかってくれないと思う人に馬は懐きません。
その馬が嫌いなことや好きなことを把握して、まずは自分を敵ではない人間だと覚えてもらうことが信頼への第一歩です。
乗馬クラブの馬であれば、一緒にいる時間も短いため、お互いを理解するにはある程度の期間が必要です。
焦らずに一歩ずつ関係性を築いていきましょう。
さらに騎乗時の馬からの反応にも応じてあげられるようになると距離が縮むのも早くなるかもしれません。
ある程度の鞍数を重ねて落ち着いて乗れるようになってきたら、馬がその動きで何を表現しているのかを感じ取れるように努めてみましょう。
乗り手の要求には応えているのに、自分たちの要求は無視されるとしたら、馬たちはどう感じるでしょうか。
誰でも最初は馬からのリアクションを正しく理解できずに、失敗します。
それでも受け入れてくれる馬たちに感謝して、騎乗が終わったらたくさん褒めることから始めてみましょう。
騎乗中に要求に応えてくれたら、すぐに扶助をゆるめるのも基本です。
騎乗している時に「楽しいね。気持ちいいね」と声をかけるのも◎。
「この人が乗ってるときは楽しいな」とプラスの印象を馬に持ってもらえるコミュニケーションを心がけます。
しかし、難しいのは、信頼関係の構築にはただ褒めるだけではダメだということ。
馬が言うことを聞かないときには、きちんと動いてくれるまで要求をしていくというメリハリの効いたリーダーシップを発揮することも大切。
ここぞという時には分かりやすく馬に要求をしていきましょう。
飴と鞭のバランスもパートナーによって違ってくるところも難しいところですが、これが馬と楽しむスポーツの醍醐味でもあります。
馬と触れ合う時に気をつけたいこと
馬と触れ合う時に気をつけるのは、とにかく驚かせたり、怖がらせたりすることはしない、ということです。
音に敏感な馬は、人がとっさに出す甲高い声や大きな声が苦手かもしれません。
馬に話しかける時は、落ち着いた声でゆっくりと話しかけるのがいいでしょう。
人間の咄嗟の動きが、馬には肉食動物の動きのように見えることもあります。
パニックになってしまえば、蹴ったり、逃げたりしようとするため、人にとっても馬にとっても危険な状態になってしまいます。
近づくときもゆっくりと、斜め左側から優しく声をかけながら近づきます。
その時に馬の表情を観察するのも大切。
耳を伏せているなど馬の機嫌が悪い時などはそっとしておいてあげるという配慮も必要です。
しかし、人間がどんなに気を付けていても、避けられないことも。
例えば、突風が吹いて馬がバタバタしてしまったりすることもあります。
馬が何かに反応してしまった時は、優しく低いトーンで声をかけて馬をなでて、落ち着かせてあげましょう。
この人の言うとおりにすれば、「悪いことが起きても大丈夫」と馬に理解してもらえるよう、常にリーダーの意識を思って、優しくおおらかに対応しましょう。
まとめ
馬に懐いてもらうためには、まずは自分のことを覚えてもらわなくてはなりません。
たくさん会いに行って、かわいがってあげましょう。
まずは敵ではないと認識してもらい、そこから信頼関係が構築されれば、馬が懐いてくれるはず。
基本的には人間同士の信頼関係の構築と同じです。
あまり難しいことを考えすぎずにコミュニケーションを取っていくことも大切なのかもしれません。
人も馬も同じように人懐こかったり、シャイだったりするので、焦らず少しずつ関係を築けていけるといいですね。
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