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馬術入門(35)【~馬にたずさわる人全てが調教者~93】

腰内訓練の続きです。

馬によってすぐに真横へ動ける馬となかなかできない馬とがいます。

できないからと拳や手を行く方へ振り回したり、踵で強く蹴ったりして馬の姿勢を崩してしまうと馬はますます何をしたら良いのか解らなくなり、混乱状態になりパニックをお越してしまいます。

どんな状態になっても初めに指示した内方姿勢を崩さない範囲で一時的にしっかり強い動作になってもかまいませんが、できるだけ小さな動きで馬が動いてくれるのを待つように初めから何回でもやり直して確実に動作するようになるまで時間を掛けて下さい。

 

わずかな動きとなるので自身の姿勢、動作をもう一度確認して下さい。

項は垂直か、

肩の力は抜け脇が開いていないか、

両肘は、腰と一体となって馬が前に進もうとしている動作を止められるだけの壁を作れているか、

両拳は軽い握りでいるか、

内方の拳は手の平を上に向けながら進行方向へ開いているか、

内方の脚は、踵を馬体に着け壁を作り馬体のシナリを形成する為の役目を果たしているか、

外方の脚は、踵で一歩ずつ進行方向に押したなら、馬は外方後肢を進行方向に踏み込ませているか、

3歩程度で良いのです。

脚に反応しないようなら長鞭で動きを促すように軽く外方後肢に当てます。

いきなり真横へ動かそうとせず斜めにでもかまいません。

馬が姿勢を崩さないで進行方向に動いたら必ずその事を褒めてあげて下さい。

最初の一歩は明確な指示を出す必要があるので拳の指示、脚の使用は明確に強くしっかりと使って下さい。

横への動きになりましたらすぐに拳の力を抜き静定して下さい。

初めは、ゆっくりでも確実に出来る事に重点を置いて訓練しますが、確実に姿勢を保って運動出来るようになったらさらに軽い拳で坐骨の推進を強め動きを伸びやかになるようにして行って下さい。

完成するまでには、多くの時間が掛かります。

じっくりと毎日の積み重ねのトレーニングをして行く事が大切です。

 

令和6年6月

  長谷川 雄二

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