馬が人参好きなのはなぜ?馬の食べ物あれこれ
馬の好物と言えば人参!
でも実は、他にも馬が好きな食べ物はたくさんあります。
また、馬ならみんな人参が一番好きというわけでもないようです。
もちろん、あげてはいけないものもあるんですよ。
今回は、意外と知られていない馬の好物や苦手なものなど、馬の食べ物について深掘りしていきます。
この記事で分かること
・馬が人参好きな理由
・馬の人参以外の好物
・馬にあげてはいけないもの
・馬におやつをあげる際の注意点
そもそも「馬は人参が好き」って本当?
ずばり人参が好きな馬は多いです。
しかし、馬によっても味の好みがあるため、一番の好物は別にある可能性もあるんです。
例えば、競走馬は生まれたころから、粗飼料や栄養学的に考えられて配合された餌を食べています。
それでも人参はおやつのようにもらっていたことが多いようで、どの馬も人参は認識できます。
普段から人参を認識しており、安全でおいしい食べ物だと分かっているので、喜んで食べる馬が多いようです。
ところが、競走馬上がりの馬で、人参以外のおやつを見たことや食べたこともなく、どちらかというと臆病な馬は、馬の好物とされているものをあげても食べません。
おそらく、臭いでは食べ物であることは認識できるのだと思いますが、食べたことがないからです。
一方で、いい匂いがしたら、すぐに受け入れて喜んで食べてくれる馬もいます。
馬も十人十色ですね。
馬が人参好きなのはなぜ?
では馬はなぜ人参が好きなのでしょうか。
ペットと同じように、人間が教えたことをうまく覚えてくれたらご褒美として人参をあげることが多いため、小さなころから食べ慣れているのが一番大きな理由だと思います。
人参は比較的安く手に入るうえに、切ってポケットに入れておけるので、ご褒美としてはとても扱いやすいという人間側の都合も手伝っているようです。
二つ目の理由として、人参に含まれる甘みが挙げられます。
草食動物には、甘味を感じる味蕾(みらい)という器官が舌にたくさんあります。
そのため、馬は甘みを強く感じることができ、甘味を好む傾向があります。
実は甘味を含むものなら、人参ではなくても馬は喜んで食べてくれるんですよ。
その他の馬の好物
基本的に馬は甘みの強い食べ物を好みます。
ただし、何が一番の好物なのかについては、個性が表れます。
馬のおやつの横綱が人参なら、大関はりんごではないでしょうか。
やはり甘みが強く、香りも◎。シャキシャキとした食感を好む馬も多いようです。
海外でよく与えられているのは、バナナ。
皮ごとあげる方もいらっしゃるようです。
バナナには、不足すると筋肉疲労を起こすカリウムが豊富に含まれます。乾草や穀物類を中心とした餌を食べている馬は不足することもあるそうで、バナナは栄養学的にもぴったり。
また、果物なら、イチゴ、メロン、スイカ、ブドウは与えても安全です。
野菜やフルーツ以外でも甘みのあるものは好んで食べるようです。
黒砂糖はビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
角砂糖は食べないのに黒砂糖が好物のグルメもいます。
また、アメリカではミントキャンディーを馬にあげることも。
日本の近代競馬の礎を築いたサンデーサイレンスもミントキャンディーが大好きだったようです。
アメリカでは、今でも競走馬におやつとして与えられています。
ちなみにハーブでは、ペパーミント以外にカモミールなら馬にあげても安全と言われています。
馬にあげてはいけないものは?
当然ですが、馬には何をあげても大丈夫というわけではありません。
馬にあげてはいけないものの代表例をリストアップします。
また、ここにあげたもの以外でもアブラナ科の野菜は絶対に与えないでください。
腸でガスが発生し、疝痛(せんつう・腹痛のこと)を起こすことがあります。
● キャベツ
● ほうれん草
● ブロッコリー・カリフラワー
● ケール
● ネギ類全般・タマネギ
● ナス
● ビーツ
● アボカド
● アスパラガス
● トマト
● ジャガイモ
● ニンニク
● パン
● チーズ
● ルバーブ
● 柿
馬たちに何かを与える際にはきちんと確認をしてください。
与えてはいけないものがよく分からない場合には、馬に与えても問題ないことが分かっている野菜や果物または市販の馬用おやつを購入して与えるのが無難です。
馬におやつをあげる時のポイントと注意点
最後におやつをあげる時に気をつけるべき点について、ご紹介します。
栄養バランスや量を考える
馬にとっては、草が主食です。
おやつの影響で、餌の栄養バランスを崩してしまうのはご法度です。
おやつはあくまでも「おやつ」。
与えすぎには要注意です。
特に糖分が多いものは与えすぎに注意しないと、虫歯や肥満の原因になってしまいます。
乗馬であれば、自分がおやつとして食べても問題ない量くらいに留めておけば問題ないでしょう。
ただし、その馬の体質や体調によっても与えていい量が変わります。
自分で用意したおやつをあげてもいいか、どんなおやつならどれくらいあげてもいいかは、必ず施設のスタッフに確認するようにしましょう。
食べやすい大きさにしてあげる
おやつをあげる時には必ず食べやすい大きさにしてあげましょう。
特に高齢馬やあまり噛まずに食べてしまうような馬に与えるおやつの大きさには気をつける必要があります。
馬も食べ物をのどに詰まらせることがあり、そうなると獣医師を呼んで処置をしてもらわなくてはなりません。
場合によっては、命取りになる可能性もあります。
噛まれないように持ち方に注意する
馬は目があまりよくありません。
人参のようなオレンジ色は暗めの緑色に見えることが分かっています。
場合によっては、人参と人間の指の違いが見えないかもしれません。
スティック状になっているものを指先でつまんであげている方をよくみますが、もしかしたら人参と一緒に噛まれてしまうかもしれません。
馬にとっては軽い力でも人間は大けがをする場合も。
おやつを馬にあげるときは上に向けて広げた手のひらに乗せてあげるようにしましょう。
このようにすれば、噛まれることもありません。
まとめ
馬にもおやつの好みがあるなんておもしろいですよね。
おやつはコミュニケーションをとるためのきっかけとしては最適です!
うまく活用して、自分を覚えてもらいましょう。
ただし、あげすぎには要注意。
おやつ自体も馬に喜んでもらえるものを選んでください。
そうすれば、馬にとっても、乗り手にとっても楽しい時間になります!
このページをシェアする