乗馬初心者でも楽しめる!馬術観戦のポイント&競技会に出場する際の準備
乗馬初心者の方には馬術のルールがよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、馬術競技のルールは意外にシンプルなんですよ。
この記事では馬術観戦のポイントについて解説します。
また今後、競技会に出場したい方に向けて、競技会へ出場するために必要な準備についても紹介します。
この記事で分かること
・馬術観戦に覚えておきたいポイント
・競技会に出るための準備
馬術競技の種類について
まずは、馬術の3競技について簡単に説明します。
馬術の競技はいずれも選手と馬のコミュニケーションが問われます。
障害馬術
馬術というと障害馬術を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
高校や大学の馬術部でも盛んに行われている競技で、日本では競技人口が一番多い馬術競技です。
コース上に設置された障害物を決められた順番に飛越し、落とさずにゴールできた人馬が優勝する競技です。
標準競技では、障害の落下を減点とし、減点の少ない人馬が優勝します。
落下数が同じ人馬がいる場合はジャンプオフを行い優勝を決定するルールと走行タイムが速い方を優勝とするルールがあります。
スピード&ハンディネス競技では、落下をタイムに換算して走行タイムに加算します。
その上で一番タイムの早かった人馬が優勝となります。
どのルールで競うのかによって、人馬がとる戦略にも影響します。
また、いずれのルールでも落馬や2回反抗があると失権です。
競技会で設置される障害には高さ110cmのものからありますが、オリンピック選手になると高さ160cmや奥行き200cmもあるような障害を飛越しなくてはなりません。
コースはコースデザイナーによって設計されており、クラスによってその難易度に変化を出します。
障害と障害の間の距離を微妙な距離にしたり、障害物を連続して設置したり、回転したすぐ後に障害物を置いたりなどをして難易度を上げていきます。
馬場馬術
馬場馬術は馬が繰り出す技の完成度を競う馬術競技です。
あらかじめ決められたエレメントだけを披露する規定演技と決められたエレメントを含めて構成し、音楽をつけて演技をする自由演技があります。
採点には音楽の解釈などの芸術的評価も加えられます。
競技や採点の特徴からフィギュアスケートと比べられることも。
馬場馬術は20m×60mの馬場で実施されます。
この馬場の外側にはアルファベットの書かれたマーカーがあり、人馬はそれを目安に演技を実施します。
馬場馬術にもクラスがあり、オリンピックは最高峰のクラスとされる「グランプリ」の大会です。
グランプリでは、繰り出される技も難易度の高いものばかりです。
馬がまるでスキップしているように一歩ごとに肢を高く上げるパッサージュ、肢をクロスさせるハーフパス、その場で足踏みをするピアッフェ、後肢を軸に回転するピルーエットなどの技があります。
歩度を伸ばした伸長駈歩や空中で手間を変えるフライイングチェンジなど、ダイナミックな動きもあります。
エレガントさとダイナミックさを兼ね備えたしなやかな美しい馬の動きが馬場馬術の魅力です。
特に自由演技はまるで人馬がダンスを踊っているかのようです。
総合馬術
総合馬術は人馬にあらゆる要素、スキルや精神力が総合的に求められる最も過酷な競技と言えます。
総合馬術は3日間、同じ人馬のペアで行われます。
1日目は馬場馬術。
ここでは、馬が指示通りに動けているかを審査します。
2日目はクロスカントリー。
耐久審査とも呼ばれます。
自然の障害物を模したあらゆる障害物を越えたり、走り抜けたりしなくてはならず、人馬の信頼関係や馬の精神力が試されます。
規定タイムがあるため、オリンピックなどの最高峰のレースでは、時速30km以上で走行しなくてはなりません。落馬は失格となります。
しかし、クロスカントリーを無事に完走したとしても、油断はできません。
3日目の障害馬術の前にホースインスペクションと呼ばれる馬の馬体審査があるためです。
馬体審査を通過した馬のみが、最終競技である障害馬術へと駒を進めることができます。
そのため、2日目のクロスカントリー完走後はサポートスタッフが馬を手厚くケアし、翌日に疲れを残さないようにすることが重要です。
ホースインスペクションを無事に通過した馬たちは障害馬術で最終的な順位を競います。
3日間を通して、減点が少ない人馬を優勝とします。
<競技会を観る>初めての馬術観戦、覚えておきたいポイント
これから秋にかけて、まさに競技会シーズンです。
現地観戦をする場合に覚えておくべき点を紹介します。
開催スケジュールを調べるなら日本馬術連盟ホームページをチェック
まず、競技会のスケジュールをチェックしましょう。
日本乗馬連盟のホームページにある「イベントスケジュール」をクリックすると、競技会のスケジュールが表示されます。
また、「大会情報」のタグから「主催・公認大会」をクリックし、地域別や競技・クラス別に大会のスケジュールをチェックすることもできます。
国内の競技会はほとんどが無料で観戦できますが、国際大会は1,000円〜2,000円の前売り券が発売されることもあります。
その場合も日本乗馬連盟のホームページでアナウンスされますので、大きな競技会の観戦に行く際は要チェックです。
馬術競技の観戦のポイント
観戦する競技会が決まったら、準備をしましょう。
持参した方がいいものやマナーについて紹介します。
持って行ったほうがいいものは?
夏から初秋にかけてはとても日差しも強く暑い日が多いので、熱中症に注意しましょう。
飲み物や日焼け止めは必須です。
競技会によって、屋外の会場を使ったり、アリーナを使ったりします。
屋外で行われる競技会の場合、帽子を必ず持参しましょう。
しかし、日傘は厳禁。馬をびっくりさせてしまうので、使用は控えましょう。
服装も動きやすく、熱のこもりにくい素材のものをおすすめします。
逆に晩秋から冬にかけて、寒くなってきてからの大会の場合は体が冷えない格好をしましょう。
屋外の大会には手袋やマフラーの他にも風を通しにくい上着の着用をおすすめします。
体を冷やさないためにカイロも活用しましょう。
雨天の場合は、カッパや椅子に敷くシートなどを持参するとよいでしょう。
会場に到着したら?(タイムテーブルと出番表を入手する、観戦席の確保)
会場に到着したら、タイムテーブルや出番表を入手します。
何時ごろにどのクラスの試合が始まって、どんなペアが出場するか把握できます。
国内の競技会の場合、観戦席は自由席であることが多いです。
できるだけ馬の動きが見えやすい観戦席を確保しましょう。
また最近では、タイムテーブルや出番表が事前にネットで公表されることもあります。
あらかじめチェックしておけば、当日も時間に余裕を持って行動できそうです。
観戦中のマナーも事前に確認しておきましょう
観戦中のマナーは普段、馬に接するときのマナーと同じです。
大声を突然出したり、カメラのフラッシュを使用したりする馬を驚かせてしまう動きは厳禁です。
観覧席から身を乗り出したりするのも危険ですので、止めましょう。
また、競技中は静かにしましょう。
競技を終えた人馬には温かい拍手を送りましょう。
<競技会に出る>初心者が競技会に出るための準備は?
ここからは「観戦を楽しんでいたら自分も出場したくなった!」という方のために、初心者が競技会に出場する際のポイントを紹介します。
競技の種類ごとに違う、服装の規定をチェック
競技によって服装や身に着ける装具、使用する道具にも違いがありますので規定を確認しましょう。
例えば、馬場馬術では、以前、シルクハットでの騎乗を認められていましたが、ヘルメットを必ず着用しなくてはならないという規定に変わりました。
馬場馬術ではヘルメットに黒か紺のジャケットまたは燕尾服、白いキュロット、白いタイ、白い襟付きシャツ、白いグローブ、長靴と伝統的な正装が求められます。
障害馬術では黒、紺、赤いずれかのじょうらん、白またはベージュのキュロット、白いシャツ、長靴の着用を求められることが多いようです。
クロスカントリーでは、軽装が望ましいとされていますが、ヘルメットとバックガードの着用は義務付けられています。
関連記事:競技用ジャケット・ショーシャツの選び方
大会ごとの規定も事前に確認を
服装や使用可能な道具については、大会により細かい規定が違う可能性もあります。
例えば、地域で行われる比較的小規模な大会では日本乗馬連盟公認の大きな試合では禁止されている服装で出場できることもあるかもしれません。
出場する大会の規約を事前に確認する必要があります。
特にジャケット、キュロット、グローブや長靴の色、シャツやタイの種類はしっかり確認しましょう。
何より楽しむことが重要!リラックスして臨みましょう!
競技会の出場はとても緊張すると思いますが、楽しむことを忘れずに!
緊張しすぎてしまうと、それがパートナーにも伝わってしまうかもしれません。
まずは、楽しむ気持ちを大切にしましょう。
競技大会という場に慣れるためには、クラブ内で行われる大会や比較的小規模な大会を通して経験を積んでいくのがいいでしょう。
まとめ
これから秋にかけて、たくさんの大会が行われます。
実際に足を運んで、是非、ダイナミックな競技をお楽しみください。
細かいルールは分からなくても、とても楽しめる競技ばかりです。
生の観戦だとテレビでは伝わってこない馬の息遣いなども感じることができます。
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