馬術入門(41)【~馬にたずさわる人全てが調教者~99】
ここまでのトレーニングでニ蹄跡運動と横運動(斜め横歩、横歩)、更に収縮運動が出来るようになりつつあります。
1つ1つの運動は、まだ完璧でなくても騎手が丁寧に気を付けて正しい扶助を発信すれば馬はなんとか正しく反応しようとする程度、数メートル、数歩でかまいません。
あとは、毎日のトレーニングの中で馬がその運動をこなす為のバランスや感覚など身のこなし方を身に付けながら、それらの動きを楽にする為の筋力が出来るまで何日も掛けて距離、歩数を増やして徐々に完璧な運動へと仕上げて行くものです。
このレベルにある人馬では、前後のシナリ、馬自身の重心を主に後躯に負重する感覚、左右のシナリ、頭から尾骨まで全身が横へのシナリをしっかり感じその大きさも人馬共、浅く深くスムーズに動ける事が身に付いていなければなりません。
毎日の運動に於いてこの状態を作る為には、この馬にとってどのように、どのような運動をどれだけ負荷して、どうなれば最も短時間で良い状態に組み立てる事が出来るのかを考察しながら進めて行く事が大切です。
人馬共に身体が動けるようになり、肉体的にも動作がスムーズになり、扶助も良い状態で発信することが出来るようになり、その動作のタイミングも良く、全ての動作が安定してくる事で余分な力を使う事なく人馬共に楽に指示する運動をこなす事が出来るようになるのです。
こんな状態でパフォーマンスを見せられるようになると観ている側の人は
・難易度の高い演技であっても人馬共に簡単にこなしているように感じるでしょう。
・その演技を安心して観ることができます。
・その人馬に魅力を感じるでしょう。
・観ている人の心と記憶に残る演技となるでしょう。
いつか素材としてクオリティーが高く愛せる馬、素質の有る馬と巡り会う事が出来たなら、こんな演技の出来る馬を調教してみたいものです。
その日が来る時の為に、これからも毎日技術向上とその習得に励んで行きたいと思います。
令和6年12月
長谷川 雄二
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