乗馬初心者にもできる!腹帯の締め方の手順や注意点
鞍をつけるときに必ず腹帯を締めるのは、馬装の基本です。
腹帯をきちんと締めることによって、乗り手も馬も安全に乗馬をすることができます。
ただ、腹帯を嫌がる馬も少なくありません。
この記事では、腹帯を締める方法や腹帯を締めるときに気をつけなくてはならないポイントについて、ご紹介します。
この記事で分かること
・腹帯の重要性
・腹帯の締め方
・締め具合のチェック方法
・腹帯を締めるときの注意点
乗馬で使う「腹帯」とは?
乗馬で使用する腹帯とは、鞍を馬体に装着するためのベルト状の装具のこと。
鞍と腹帯は裸馬に乗る場合を除いては、必ず使用する必須の装具です。
そのため、腹帯の重要性や適切な装着方法を知ることは、とても大切なことです。
腹帯の重要性
腹帯は鞍を馬体に装着するのが主な目的ですが、騎乗や下馬の際にも重要な役割を果たしています。
乗馬の愛好家には、騎乗するときに片方の足を鐙にかけてから、もう一方の足を回すようにまたいで騎乗する方が多いのではないでしょうか。
鐙は鞍に装着されているので、腹帯がきちんと締められていないと鞍が回ってしまうことになり、騎乗時に危険が伴ってしまいます。
レッスン中も同様です。
正しい姿勢で騎乗すれば自然と鐙を踏むことになり、腹帯が緩いとやはり鞍がずれてしまいます。
鞍がずれて、馬体と擦れてしまうと、馬が背中に傷を作る原因にもなってしまいます。
さらに、下馬する際も片方の鐙に体重をかける降り方をする場合、腹帯が緩いと非常に危険です。
乗馬を安全に楽しむためには、最初から最後まで、腹帯がきちんと締められていることが最低条件であるとも言えます。
腹帯の締め方<基本の手順>
ここからは腹帯の締め方の手順をご紹介します。
ただし、腹帯を嫌がる馬もいますので、馬の様子に注意しながら、その馬に合わせた方法で締めることが大切です。
ここでご紹介するのは、あくまでも基本的な手順として参考にしてください。
馬が腹帯を嫌いにならないためには優しく、しかし手早く締めるのがポイントです。
また、騎乗後に腹帯を締めても、馬が動くとさらに腹帯が緩むこともあります。
ある程度の準備運動が済んだら、もう一度腹帯を確認して、必要があれば締めるようにします。
腹帯の締め方
1. 鞍を正しい位置に置いて、ゼッケンと亀甲の間に拳一つ分のスペースを作ったら、馬の右側に回って腹帯を託革(たっかく)の1番下の穴に装着する
ゼッケンに腹帯を通す部分があれば、その下から腹帯を通して託革の一番下の穴に装着する
託革が三本ある場合は、左右のものに装着。真ん中の託革は使用しない
これは、左右どちらかの託革が破損した場合に使用する予備の託革です。
2. 次に馬の左側に回って、同じように託革の1番下の穴に装着する
このときに腹帯の通っている位置を確認する
馬の肘に密着するように装着すると馬の動きを邪魔してしまうため、肘から指4本分程度離れているのが理想
3. 左側の託革に装着できたら、左右交互に少しずつ、均等に人が乗っても鞍がずれない程度に締める
4. 騎乗すると人の体重で腹帯が緩むので、もう一度、腹帯を確認し、緩みがあれば締める
キツすぎてもゆるすぎてもNG。腹帯は締め具合のチェックが重要
腹帯はきつすぎてしまうと馬に苦しい思いをさせてしまったり、馬の動きを邪魔してしまったりします。
逆に緩いと馬の背に鞍傷(あんしょう)と呼ばれる傷を作ってしまったり、鞍が回って乗り手が落馬してしまったりします。
鞍が後肢の方までずれてしまうと馬もパニックになってしまい大変危険です。
馬場に向かうタイミング、騎乗前、騎乗後、準備運動後など、こまめに腹帯の締まり具合を確認しましょう。
腹帯の締め具合のチェック方法は?
では、どのように締まり具合をチェックしたらいいのでしょうか。
馬の腹の真ん中あたりを見てみましょう。
すき間や緩みがあれば、緩すぎます。
騎乗後にする腹帯チェックでは、腹帯を締めようとしたときに託革のもう一つ上の穴には入らないけれど、多少のあそびがある程度というのが目安になるでしょう。
馬体と腹帯の間に指が1本入るくらいが適切な締まり具合です。
指が2本以上、するっと簡単に入ってしまう場合は緩すぎますので、締める必要があります。
騎乗後に託革の一つ上の穴にギリギリで入れた場合、締めすぎている可能性もありますので要注意です。
また、女性の場合は上に引っ張る力が弱く、馬上から腹帯を適切に締められない場合もあります。
最初のころは、インストラクターを呼んで、腹帯を締めるのを手伝ってもらったり、確認してもらったりすると安心です。
慣れれば締められるようになるので、全く心配はいりません。
腹帯を締めるときの注意点
腹帯は馬の敏感な部分に装着するものです。
馬の心臓はちょうど腹帯の通る部分の内側にあります。
心臓は大切な臓器であるため、周囲に神経がたくさん通っており、敏感に反応する馬が多いのだそうです。
そのため、いきなりきつく締めあげるのはご法度です。
馬によっては、びっくりして立ち上がってしまうこともあり、大変危険です。
強い力で一気に締めるのではなく、ジワジワと締めるようにしましょう。
特に腹帯が苦手な馬の場合は、ジワジワと優しくも手早く腹帯を締めてあげましょう。
たまに怒って咬もうとしたり、蹴ろうとしたりする馬もいるので、反応などを見ながら注意を払って締めるようにします。
腹帯を外す場合も苦労する女性も多いのではないでしょうか。
外さない方の託革を下に引っ張りながら、外す側の託革を上に引き上げていくと馬に負担をかけず、簡単に外すことができますので是非お試しください。
また、激しく暴れてしまう馬の場合は、腹帯が通る部分に怪我や病気などによる痛みがある場合や腹帯が体に合っていない場合など、別の原因が隠れていることもあるようです。
腹帯にカバーをつけて肌へのあたりを柔らかくしたり、サイズをもう一つ上げてみたりして、様子をみます。
それでも馬の反応が変わらなかったり、少しでも違和感があったりするのであれば、インストラクターや獣医師に相談しましょう。
まとめ
今回は馬装の第一関門でもある腹帯の装着方法や気をつけるべきポイントについてご紹介しました。
次回は「腹帯の選び方」を解説します。
腹帯をかなり嫌がる馬だったのに、素材を変えたら、受け入れてくれるようになったということもあるのだそうです。
腹帯選びは人馬共に快適に安全に乗馬を楽しむためにも大切なポイントです。
是非、お楽しみに!
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