馬術(15)【~馬にたずさわる人全てが調教者~116】
前回基本馬術1の1では、馬の上に乗っている騎手は出来るだけ馬の動きを阻害しないように馬に密着してバランスを安定させる必要があります。
バランスを安定させるためにはどうしたら良いのでしょうか?
動く馬の背中で騎手は姿勢を保ちつつ鞍にまたがっている為には股関節、膝関節、足首の各関節が柔らかく力の入らない状態で馬の動きを吸収する必要があります。
騎手がお尻を鞍に密着出来るようになると自身の上体も安定させることが出来、肩や肘さらに手綱を持つ拳も理想とする構えを保ち馬に指示を出す為のコンタクトが実現に近づきます。
でもこれだけではコンタクトを完成する事が出来ません。
最も大切なのが馬を前に動かす推進動作です。
坐骨を鞍に押し当てる為にフクラハギを馬に密着させることで自身のバランスを安定させ、足全体を下へ踏み下げながら踵を馬体に押し当て身体全体スローモーションでブランコを前に漕ぐように指示します。
この動作が馬を前に動かす推進動作です。
この動作が上手く出来るようになると馬がハミに出て来ます。
ハミに出て来た力を肘と背中で受け止め、その力をさらに強化するように、足全体を下方に踏下げ坐骨を鞍に押し当てる力を強化する事で推進力の循環が生まれます。
この循環が生まれた時点で馬体全体に前後のバネ状態が出来、馬自身自らバランスの取れた安定した動きが出来るようになります。
騎手も安定したバランスの取れた動きをしているバネの上にまたがっている事で、自身の上体も安定してリラックス出来るのです。
つまり、騎手だけが姿勢を取ったとしても馬の上で安定してバランスを取る事は出来ません。
馬にも同時に安定してバランスの取れた動きを取ってもらう事が必要なのです。
令和8年5月
長谷川 雄二
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