馬場鞍・障害鞍の違いとは?2つの鞍を徹底比較!
乗馬に必要な馬具といえば、なんと言っても「鞍」ですよね。
観光地の体験乗馬やホーストレッキングなどでも鞍は用意されており、それを使わせてもらいます。
乗馬クラブに入会しても、しばらくはクラブ所有の鞍を使うことが多いでしょう。
でも、しばらくすると鞍の購入を勧められたり、周りが購入を検討していると「そろそろ自分も?」などと思うようになるのではないでしょうか。
一生ものともいわれる「鞍」。後悔しないお買い物ができるように、鞍について詳しくご紹介します。
乗馬で使用する鞍について
鞍ってどれも同じだと思っていませんか?
実はブリティッシュ乗馬の中でも種類があります。
また同じ種類でもサイズに違いがあったり、メーカーによっても違いがあり、座り心地も変わってきます。
乗馬用の鞍の必要性
乗馬に欠かせない鞍ですが、鞍がなかったらどうなるのでしょう。
鞍がない裸馬に乗ることを想像してみてください。
そのまま馬の体温が伝わってくるのかな、馬の筋肉の動きがわかりやすいのではないかな、など思うかもしれません。
そのような経験はきっと今後の乗馬技術の向上に役立ちそうですが、鞍がないと直接馬の骨があたって痛い、という思いもすることになります。
鞍の役割は、馬と騎乗者の連結をすることです。
特に乗馬の技術が上がり、障害飛越競技のように動きが大きくなってくると、スムーズな連結が必要不可欠になります。
そして、それに必要なのが騎乗者と鞍のフィット感です。
このフィット感を追及するようになると、鞍の購入が現実味を帯びてきます。
また、鞍を購入する際にはできる限り試乗することをおすすめします。
仮に人に薦められても、試乗してみて自分がしっくりこないと感じた鞍は無理して購入しない方がいいでしょう。
乗馬用の鞍の種類
乗馬用の鞍には種類があるのをご存知ですか?
ブリティッシュ乗馬とウエスタン乗馬でも鞍は違いますが、ブリティッシュ乗馬の中でも、総合鞍・馬場鞍・障害鞍があります。
乗馬クラブで初心者に使われるのが、安定して基本的な騎乗がしやすい総合鞍です。
乗馬の技術が向上するなかで自分がこれから馬場馬術に進みたい、障害馬術に進みたい、という希望がでてきたら、それに合った鞍を選ぶようにしましょう。
馬場鞍(ばばぐら)
馬場馬術競技は、演技の正確さと美しさを競い合う競技です。
そのため、鞍にお尻が付いていることが多く、それに合わせてあおり革が長くなっています。
また、馬とのコンタクトを妨げないよう、託革が長くなっています。
シート部分は深く座ることが多いため、騎座面(座る部分)のカーブも深く後矯(こうきょう)が高くなっています。
障害鞍(しょうがいあん)
障害飛越競技は、コース上に設置された障害物を飛越しながら、ミスなく速く走る競技です。
そのような競技に使われる障害鞍はあおり革が短くなっています。
これは、障害を跳ぶ時、お尻が鞍に付かないツーポイントという姿勢が取りやすいようになっているからです。
障害の場合はシートのカーブは緩やかで、前方騎座の姿勢が取りやすいよう後矯も低めにデザインされているのが特徴です。
馬場鞍と障害鞍の違いとは?
競技の内容が違うため、馬場鞍と障害鞍には違いがあります。その違いを比較してみましょう。
例えばあおり革に関しては、馬場鞍は長く、障害鞍は短くなっています。
またシートに関しては、馬場鞍は騎座が安定するよう後矯が高くなっていますが、障害鞍は低くなっています。
もし後矯が高い馬場鞍で障害を跳ぶとどうなるか想像できますか。
その他の鞍について
鞍といっても、その用途に合わせて種類が分かれていることが理解できたかと思います。
実は、ここまでで紹介した総合鞍・馬場鞍・障害鞍以外にも鞍には種類があります。
その一部をご紹介します。
レース鞍
まず「レース鞍」はその名の通り、みなさんご存知の競馬用の鞍です。
競馬で馬の負担重量は騎手の体重だけでなく、騎手が付けているプロテクターや鞍の重さも含まれます。
そのため、レース鞍は1㎏にも満たない、小さくて軽い物になっています。
調教鞍
競馬用の馬が本番のレース以外のトレーニングで使うのが「調教鞍」です。
レース鞍に比べて少し大きく、雨天でも使えるビニール素材のものが多く使われているようです。
ウエスタン鞍
ウエスタン乗馬で使われるのが「ウエスタン鞍」です。
ウエスタン乗馬はもともとアメリカでカウボーイが仕事として馬に乗っていた乗り方なので、総合鞍・馬場鞍・障害鞍とは大きく違います。
例えば前方にホーンという持ち手がついていますが、これは投げ縄を結びつけるのにも使われていたようです。
また、ブリティッシュ乗馬の場合、鐙は鉄になっていますがウエスタン鞍の鐙は革が使われています。
和鞍
そして、なかなか目にすることがない「和鞍」もあります。
和鞍は日本の伝統的な鞍で、流鏑馬などで使われています。
これもブリティッシュ乗馬の鞍と比べて大きく違います。
まず、座る部分が木でできています。
鐙も足を通すタイプではなく足を乗せるタイプで、前傾姿勢に適した形になっています。
鞍は一生モノ。長く愛用するためのお手入れを
鞍は基本的には革製品です。
使った後にはしっかりお手入れをすることで、長く愛用することができます。
下記のページでお手入れ方法を詳しくご紹介しています。
初心者の方にも分かりやすい内容ですので、是非ご覧ください。
全体は梅雨時期向けのお手入れ方法ですが、鞍のお手入れは年中通して共通です。
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まとめ
鞍は競技や用途によって適した種類が異なります。
また同じ種類の鞍でもメーカーによっても乗り心地が違います。
確かに自分の鞍を持つメリットはありますが、自分に合っていない鞍を買ってしまった場合のデメリットは大きくなります。
まずは自分が乗馬でどのような進路を進みたいのかを明確にし、自分の乗り方がわかるようになってから、試乗をして購入を決めるようにしましょう。
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