基本の動作②【~馬にたずさわる人全てが調教者~28】
内方姿勢とは、運動のあらゆる動作において騎手は必ず意識しなければならない動作の正に基本です。
出来るだけ早い内にしっかりと身に付けておきましょう!
内方姿勢の構えは同じでも、どこを強く使い、どこをソフトに使うか。
どこに注意を払い、どのタイミングで、どう使うか等により、さまざまな運動を馬に要求する事が出来ます。
まずは、内方姿勢によって何かの運動を馬に要求する時のポイントとなる体の部分と注意点について書き出してみます。
・坐骨 : 常に鞍を真上から圧迫している事。
・膝 : 下方向へ折り畳むように力が作用している事。
・ふくらはぎ : 自身のバランスの取れた位置で馬体に密着して安定している事。
・足首 : 靴底が平のまま足首の関節を折り畳むことが出来ている事。
・かかと : つま先を開いたり閉じたりすることで馬体を圧迫することが出来なければなりません。
上記は直接、内方姿勢に関係ない動きですが、馬が動作を起こす為には絶対に必要な事です。
それがバランスと推進と馬の動きを吸収する為の体の使い方です。
バランスが取れていなければ効果的な推進は出来ません。
また、推進が出来てもその動きを吸収することが出来なければバランスはすぐに崩れてしまいます。
継続的な推進がなければ、いくら正しく内方姿勢の形を取ったところでそれは無意味なものになってしまいます。
ですから馬に乗る上で最も大事なことが推進です。
どんな運動であろうと、どのように内方姿勢を取ろうとも常に姿勢を取りながら推進する事を忘れないで下さい!
次に上半身の構えです。
・肩 : 肩ラインは馬の肩ラインと一致していること。
・胸 : 肩が丸まらない為に背筋を伸ばし胸を開いていること。
・下腹 : 前方推進時は垂直に、減却や後方推進時はやや伏せて。
・ひじ: ひじから馬の口までが直線上にあるように角度をとって構える。
・腰 : 腰のラインは馬の腰のラインと一致している事。
・坐骨 : 全体重、上体の力、馬に引かれた力も全て坐骨に集め真下の鞍へその力を返す様にする事で推進力とする。
上記の説明は同じことの繰り返しになりますが、騎乗する上で最も大事な事なのでしっかり体が動けるように何度も繰り返し練習して下さい!
これらのポイントをしっかり意識していたならあなたは無理なく、馬にも余計な負担を掛けることなくレベルをあげる事が出来ます!
平成30年12月
長谷川 雄二
このページをシェアする