基本の動作④【~馬にたずさわる人全てが調教者~30】
前回提案させて頂いた動画撮影は試されましたか?
あなた自身の形が取れていたら次は中味です。
騎手は楽に、正確に、馬をコントロールすることが出来なければなりません。
また、馬も楽に指示通りに動くことが出来ていなければなりません。
その為には騎手の推進動作が馬の後躯に働きかけ、後肢を前に踏み込ませることで馬体を前に進めます。
*後肢は骨で腰骨、背骨と繋がっています。しかし、前肢は筋肉で繋がっているだけです。つまり馬体全体を動かすのは後肢です。前肢は振り子運動、動いた身体を支えるための役目をしているものです。
(後躯〔こうく〕・後肢〔こうし〕とは = 馬体を大きく2つに分けて前躯〔ぜんく〕、後躯〔こうく〕と呼ばれます。後肢〔こうし〕とは後ろ脚のこと。)
前方向へ進められた力を両ハミに真っ直ぐに出現させます。
その力を騎手は力の循環(=馬が前に進もうとハミに出た力を騎手が肘や腰で受け止め鞍に返す。馬の背に返す事でその力を再び推進力とすること。)が出来る構えを取り、全身で受け止めます。
その事で前に壁ができ、行き場を失った力は更に後肢を踏み込ませます。踏み込んだ後肢は後躯を沈め馬自身のバランスバックを実現します。これで馬体は前後のシナリを完成させます。
この前後のシナリを維持したまま、左右のシナリ(内方姿勢でつくることが出来ます) をいつでも作ることが出来る状態で運動していなければなりません。―――これは前方推進をしながら内方姿勢をいつでも、どんな状況においても、正確に、速やかに、とる事が出来なければならないということです。
それは、
・あなたの動作で馬が何をしたらいいのか認識する事はもちろんの事。
・馬自身がその動作を起こしやすい姿勢になっているか?
・あなたは動きを手助けしてあげることが出来ているか?
・馬は本気でいつでもMAXの動きを発揮することが出来るか?
・あなたは次の動きの事も考えているか?
・リズムは一定で安定しているか?
・扶助の出すタイミングや馬との呼吸が合っているか?
高度なレベルの運動になったらこの様なことも考える必要が出て来ることも頭に入れておいて下さい。
平成31年2月
長谷川 雄二
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